「法律のことはよくわからない」という人でも、「ポケット六法」の名を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。

「ポケットに入れるには大きすぎるでしょ」という声に真っ向から立ち向かう、「ポケット六法」の発行元である出版社「有斐閣六法編集部」(@yuhikaku_roppou)のツイートに大きな反響が集まっています。

令和5年版は前年比+28頁。しかし民訴法&刑法の大改正に立ち向かった編集部が本気を出したところ、内ポケットにも余裕で収められました。今年もご安心ください。(@yuhikaku_roppouより引用)

  • (@yuhikaku_roppouより引用)

法学、経済学、人文科学などの書籍を出版する「有斐閣」から発行されている小型の六法集「ポケット六法」。「名前の通りポケットに入れるには厚い」というツッコミを受けがちですが、今年9月の改訂で28ページ増となったものの、まだまだジャケットの内ポケットにも収まることが証明されました。

この投稿に対し、リプライでは「いろんなものから守ってくれそう」「銃弾防げそう」といった声のほか、「『余裕』の定義とはw」「いやいや、内ポケがデカいわっ!」とのツッコミが寄せられています。

ちなみに、有斐閣六法編集部は昨年9月の改訂時にも「今年もポケットに入りますのでご安心ください」とツイートしていました。タイトルに入っているだけあって「ポケット」には並々ならぬこだわりがあるようです。

このツイートをした有斐閣六法編集部の「中の人」に、今回の投稿の経緯や撮影時のエピソードなどをうかがいました。

「ポケットに収まる『ポケット六法』」、投稿者に聞いてみた

――今回の投稿の経緯を教えてください。

大もとをたどると弊社営業部のアカウント(@YUHIKAKU_eigyo)が「ポケット六法をポケットに入れる」というツイートを過去にしていたのがきっかけです。

六法編集部アカウントでも、3年前、昨年とツイートしており、特に昨年は大きな反響がありました。今年も「ポケット六法令和5年版」の発売日当日のタイミングで、発売のPRができればと考えてツイートしました。昨年に続き、ご覧いただいた方には楽しんでいただけたようなので嬉しいです。

――令和5年版の「ポケット六法」、昨年度からの変更点は?

本年版では刑法(「拘禁刑」創設・侮辱罪厳罰化)と民事訴訟法(手続IT化)の改正に対応しております。"六法"(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)のうちの2つに重要な改正が入ったので、特に注目すべき変更点ではないでしょうか。そのほかにも消費者契約法や道路交通法などにも大きな改正がありました。

――ページ数が増えたにもかかわらず、しっかりとポケットに収められているように見えます。撮影時のエピソードがあればお聞かせください。

昨年も今年もしっかり収まってます! 今回も昨年と同じ人がモデルとなり、会議室で撮影をしました。使用したジャケットは、"働く人"のための衣料品店さんで入手しました。 職場内の人が事前に発見してくれたのですが、以前からその内ポケットに注目しており、お店で現物を確認させてもらった際には「これならいける!」と直感しました。

撮影まで「ポケット六法」を内ポケットに収めることはしませんでしたが、期待どおり「ポケット六法」にふさわしいポケットでした。おかげで撮影もスムーズに進みました。

編集部の人にも意見をもらいながら何パターンか撮影しましたので、ほかの写真も機会がありましたらご紹介したいと思います。

――ツッコミや感謝の声など、ツイートには今年もたくさんの反響が寄せられていますね。

今回も写真へのツッコミや、大喜利(?)ツイートを楽しく拝見しました。

法律を扱っているためか、六法をはじめとする有斐閣の書籍や、あるいは弊社自体にも、親しみにくいイメージを持たれる方がいらっしゃるかもしれませんが、当アカウントのツイートで、六法や有斐閣(「ゆうひかく」と読みます)に親しみを感じていただけましたら幸いです。


有斐閣の公式キャラクター「ろけっとぽっぽー」と一緒に写った「ポケット六法」を見ても、最新版はかなりの厚みがある模様。

むしろ「ポケット六法」がポケットに収まるジャケットがすごいような気もしますが、版を重ねて最新の内容に対応する「ポケット六法」は有斐閣六法編集部の皆さんの努力の結晶。これまでお世話になったという方はもちろんのこと、普段馴染みのない方も、難しいイメージのある法律書が少し身近に感じられるかもしれないユニークな投稿のご紹介でした。