株式投資で、配当金や株主優待を重視して銘柄を選ぶ人も多いでしょう。もちろん配当金や優待でもらえるギフト・商品券などは魅力的ですが、一方で株価の変動もリターンに大きな影響を及ぼします。

この記事ではダイドーグループホールディングス(2590)について、1年前に100株を買った場合の実際のリターンについて解説します。自動販売機の販売が8割を占めるのが特徴の飲料メーカーですが、直近のパフォーマンスはどうだったのでしょうか?

  • ※画像はイメージ

ダイドーグループホールディングスの株価変動のリターンはいくら?

日本株の投資によるリターンは、株価変動、配当金、株主優待があります。まず株価変動について、1年前に株式を取得して売却した場合のリターンについてみていきましょう。

今回の想定は下記のとおりです。

・取引した株式数:100株
・株式の取得日:2021年9月27日
・株式の買付価格:5,300円(取得日の終値)
・売却日:2022年9月27日
・売却価格:4,805円(売却日の終値)

株価変動によるリターンは、100×(4805-5300)=▲49,500円の損失となりました。

取得直後の2021年7月から9月半ばまで株価は上昇したのですが、それ以降下落に転じたのが要因です。

ダイドーグループホールディングスの配当金のリターンはいくら?

ダイドーグループホールディングスの株式を1年前に買って保有し続けると、2022年1月期の期末配当および2023年1月期の第2四半期の中間配当の計2回を受け取ることができました。

2回の配当は合計で1株あたり60円、今回は100株保有のため、配当によるリターンは6,000円となります。

ダイドーグループホールディングスの株主優待のリターンはいくら?

100株以上かつ半年以上継続保有した株主に対し、6,000円の株主優待品を贈呈しています。株主優待基準日は毎年1月20日となっています。

今回の想定では9月27日に株式を取得しており、1月20日までは半年に満たないため、株主優待のリターンはありません。

ダイドーグループホールディングスの株式投資のトータルリターンはいくら?

ここまで解説してきた各種リターンをまとめると下記のとおりです。株価変動のリターンは円、配当金のリターンは円、株主優待のリターンは0円、トータルリターンは▲43,500円、利益率は▲8.2%となりました。

・株価変動のリターン:▲49,500円
・配当金のリターン:6,000円
・株主優待のリターン:0円
・トータルリターン:▲43,500円
・利益率:▲8.2%

まとめ

1年前にダイドーグループホールディングスの株式を100株購入し、売却した場合のシミュレーション結果をお伝えしました。株価は2021年9月から大きく下落し、現在も回復に至っていないことがリターンに大きな影響を及ぼしました。

同社の決算資料によると、資源価格や原油価格の高騰、円安・ドル高の進行などの影響で営業利益が伸びていません。またトルコの子会社がありますが、通貨のトルコ・リラのインフレ率が非常に高くなっていることも懸念事項となっています。

2022年9月15日には、同社とアサヒグループホールディングス傘下のアサヒ飲料において、自動販売機事業に関する包括的業務提携契約を締結したとの発表がありました。これを機に同社の経営パフォーマンス向上につながるか注目されます。

当然ではありますが、投資をした時期によって現状のリターンは大きく異なります。株主優待銘柄への投資を検討する際は、株価変動のリターン、配当金のリターンも含め、トータルでどれくらいお得になりそうかを見極めることが大切だと言えるでしょう。