ホンダとソニーが新会社「ソニー・ホンダモビリティ」(SHM)の設立発表会見を行った。会見にはSHM会長兼CEOの水野泰秀さん(ホンダから)と社長兼COOの川西泉さん(ソニーから)が登壇し、報道陣からの質問に答えた。新しい商品やアイデアで世界を驚かせてくれそうな2社の協業は楽しみで仕方ないのだが、具体的には何を、誰が、いつ、どこで作るのか。会見で判明したことをまとめた。
第1弾は2025年中にオンラインで発売!
- 何を作る?
高付加価値な電気自動車(EV)を作る。SUVなのかセダンなのか、フル充電で何キロくらい走るのかなど、詳細は不明だ。価格帯は「いいにくい」が「それなりの価格」で「価格に見合った内容、装備にしていきたい」(水野さん)とのこと。高級なEVといえば例えば、メルセデス・ベンツ「EQS」が1,578万円だ。
ただクルマを作って売るだけではなく、「リカーリング」でも収益を上げるそうだ。リカーリングとは商品やサービスを継続的に購入してもらってもうけるビジネスモデルで、内容は今回の会見ではよくわからなかった。クルマの中でソニーの映画、音楽、ゲームなどのコンテンツを楽しめるようにして、その契約料として月額いくらという感じで徴収するのか、それとも全く別のやり方なのか、いずれにせよ楽しみだ。川西さんは「安全運転の技術(自動運転関連を想定しているものと思われる)が進化していけば、運転そのものに要する集中力は軽減されていくから、車室での楽しみ方をトータルで考えていくべき」と話していた。
- どこで、だれが作る?
クルマは北米で作る。生産、調達はホンダに委託する形で、ボディなどの共通する部分はできるだけ共用したいとのことだ。当面は北米というだけで、「日本で作らないとはいっていない」(水野さん)そうなので、将来的には生産拠点を各国に展開していく方針なのかもしれない。
- いつから売る?
新会社の第1弾商品は2025年前半から先行受注を開始し、同年中に発売する。販売はオンラインのみとするそうだ。納車は2026年春に北米で開始。日本では2026年後半からを予定する。2025年は「電動化のターニングポイントになる」(水野さん)ので、この年の発売というポイントは外せないと考えたという。
「これから車両開発が本格化」(水野さん)するとのことだから、発売を2025年まで待たなければならないのは仕方ないのかもしれないが(それでも「急ピッチ」だと水野さんは話していた)、その頃にはテスラなど先行するメーカーはEVビジネスで“2周目”に入っていそうな気もする。ホンダとソニーがロケットスタートで遅れを取り戻せるのか、注目したい。
- どこで売る?
販売地域は欧州も検討しているそうだが、まずは「州にもよるがEV化が進んでいる北米」と「ホームマーケット」(水野さん)の日本で販売することに決めたという。ちなみに、販売地域に関する話題で巨大マーケット「中国」について登壇者が言及しなかったのは意図的なのか、それとも忘れていただけなのか、気になるところだ。