いよいよ11月1日に開業を迎えるジブリパーク。以前、工事途中の内部をご紹介しましたが、今回ついに完成しということで、オープン前内覧会の様子をお届けします。
自然と共存する新しいパーク
内覧会トークイベントに登壇したのは、ジブリパークの監督を務める宮崎吾郎氏と、大村秀章愛知県知事。
大村知事はまず、合意から5年5カ月の期間を経て完成したジブリパークについて、「ジブリパークは今後もどんどん進化していきます。日本中はもちろんのこと、世界中の人に楽しいでほしい」と期待を込めます。
また宮崎監督は、「もともとこのジブリパークを作ろうというきっかけは、宮崎駿が長編映画製作から引退するということで、ジブリをいつまでも覚えていてもらいたい、レガシーを残したいというものでした。しかしまた裏切られまして、宮崎駿は今長編映画を作っております(笑)」と会場の笑いを誘いました。
もともとあった愛・地球博記念公園のなかに新たにパークを作るということについては、「すでに地元の人々が利用していた公園を壊すということはしたくなかったので、例えば木が邪魔になるなら移植するなどしました。我々の考え方として、建物は自然と一緒にあってこそ風景になる。むしろ自然に助けてもらっているのだと思っています」と、宮崎監督。
その言葉通り、ジブリパークは公園内に3つのエリアが点在する形となっています。もちろんエリア外は無料で利用でき、いくつかの建物は外からでも外観が見られるなど、公園と共存するということがよく分かります。
ジブリ博覧会さながら「ジブリの大倉庫」
ではここからは、ジブリパークの全体像をご紹介していきましょう。
今回オープンするのは、「青春の丘」「ジブリの大倉庫」「どんどこ森」の3エリア。現在建築中の2エリアは2023年オープン予定です。
まず最初に目に入るのはメインゲートとなるエレベーター棟。ここは無料エリアで、誰でも利用することができます。中世の建造物を彷彿とさせる内部は照明などディテールまで作りこまれていて、タイムスリップするようなワクワク感がたまりません。
エレベーター棟を降りて進む先に、ガラス張りの大きな建物が見えてきます。これが「ジブリの大倉庫」。もとは屋内プールだった施設を再利用しているそうです。
3つのエリアのうち、このジブリの大倉庫がもっとも見どころの多いエリアで、ショップやカフェもこちらがメインとなります。
さまざまなジブリ作品の世界観を再現した街並みはまさに「倉庫」そのもの。いろいろなものがぎゅっと詰まった雑多な感じ、ジブリ作品でよく登場しますよね。
「ジブリのなりきり名場面展」では、13作品の名場面が展示され、作品の登場人物になりきって写真を撮ることができます。どの展示も細かい部分まで作りこまれているので必見ですが、筆者のイチオシは、『天空の城ラピュタ』のドーラと一緒に燃え盛る塔からシータを救い出すシーン。「シータ……! 」と叫びたくなりました。
このほか、「食べるを描く。」や「ジブリがいっぱい展」などの企画展示も楽しむことができます。
『となりのトトロ』の世界を表現した「ネコバスルーム」は子ども向けの遊び場。筆者は大人なので中には入れなかったのですが、今すぐにでも制止を振り切って中に飛び込みたい気持ちを抑えるのに必死でした。この中には、子どもサイズのサツキとメイの家やトトロなどがあるそうです。
『借りぐらしのアリエッティ』の世界を再現した「床下の家と小人の庭」や、『天空の城ラピュタ』に登場するロボット兵など、少し歩くたびに風景がぐるっと変わっていき、何時間でも楽しめます。
フードコーナーは2か所で、カフェ「大陸横断飛行」ではサンドイッチやピザを販売。愛知ということで味噌カツを使ったサンドイッチもあったのですが、通りがかった宮崎監督が「それ本当に美味しいですよ」とオススメしてくれました。
ミルクスタンド「シベリ・あん」では、『風立ちぬ』に登場したシベリアと愛知県産の牛乳などを提供しています。
ショップ「冒険飛行団」では、ジブリパークオリジナルグッズを多数取り扱っています。『千と千尋の神隠し』に登場したあの顔(かしら)が……! ネコバスのぬいぐるみや食器など、どれもほしくなるグッズばかり。お土産にぴったりなお菓子なども売っていました。
あのロータリーを完全再現「青春の丘」
「青春の丘」は、エレベーター棟の隣に位置しています。ここでは『耳をすませば』の「地球屋」が再現されており、アンティークの建物や猫のバロン、バイオリンの工房を見学することができます。
ロータリー内にはミニチュアサイズの「猫の事務所」があり、中をのぞくと……
ちなみに、地球屋で購入したはがきと切手をロータリー広場のポストに投函することもできるそうです。
散歩気分で「どんどこ森」へ
公園の奥に位置する「どんどこ森」。「ジブリの大倉庫」からは徒歩20分と距離がありますが、園内を運行するシャトルバスも利用可能です。
ここには、愛知万博のパビリオンとして建設された「サツキとメイの家」を引き続き公開するほか、「どんどこ堂」が新しく登場。
高さ5メートルの木製遊具で、小学生以下の子どもは中に入って遊ぶことができます。
「どんどこ森」はまさに森の中に自然に溶け込むエリアで、ハイキングするような感覚で歩いて行ってみるのもオススメです。
チケットは完全予約制
エリアごとにチケットが必要で、日時指定の予約制となります。
「ジブリの大倉庫」…平日/大人2,000円、子ども1,000円:土日祝/大人2,500円、子ども1,250円
「青春の丘」「どんどこ森」…各大人1,000円、子ども500円
※子どもは4歳~小学生
チケットは、オンラインチケット販売サイト「Boo-Woo」や全国のローソン・ミニストップで購入可能です。
本稿では、ジブリパークの全体図として、各エリアを簡単にご紹介しました。このほか、各エリアの詳細な見どころやグッズ、グルメ情報を今後記事でご紹介していく予定ですので、お楽しみに!
※一般の来園者は撮影できないエリアがあります。
(c)Studio Ghibli