日本放送協会(NHK)は10月11日、「NHK経営計画(2021～2023年度)」の修正案を公表した。現行の衛星波(BS放送)のうち、「BSプレミアム」は停波。「新BS4K(仮称)」と「新BS2K(仮称)」の2チャンネル体制に移行する。
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日本放送協会(NHK)が、「NHK経営計画(2021～2023年度)」の修正案を公表
既報の通り、NHKでは2021年1月に経営委員会で議決された3カ年経営計画をもとに、“スリムで強靭な「あたらしいNHK」”をめざす構造改革を実行中だ。
今回の修正案はこの方針を堅持しつつ、感染症の拡大やウクライナ情勢など新たな課題への対応、計画公表時に検討中としていた“保有メディアの削減”、“受信料値下げ”を盛り込んだ内容となっている。NHK経営委員会が10月12日から広く意見を募集し、寄せられた意見をとりまとめて総務省に提出、国会承認を受けて正式に決定する。
「BSプレミアム」2023年度中に停波、新BS2K/BS4Kの2ch体制へ
NHKのBS放送は現在、右旋波で「BS1」、「BSプレミアム」、「BS4K」の3波と、左旋波で「BS8K」の1波を提供している。このうち右旋波については、BSプレミアムを2024年3月末までに削減(停波)。「新BS4K(仮称)」と「新BS2K(仮称)」の2チャンネル体制に移行する計画だ。停波前の2023年12月に番組改定を実施する。
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NHKのBS放送再編、BSプレミアムは2024年3月末までに削減(停波)へ
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BS放送再編のスケジュール
各チャンネルの位置付けについて、新BS2Kは「衛星放送の魅力を凝縮し、ライブ感を重視した機動的な編成」となる予定で、新BS4Kでは「世界に通用する多彩なコンテンツ・高精細クオリティ」の映像を提供することをめざす。新衛星2波は、2K・4Kそれぞれの特性を生かしたコンテンツを柔軟に編成し、「地上波では味わえない新たな価値を創造する」としている。
地上波についてはすべての視聴者に向けて信頼できる情報を確実に提供することを追求し、「新しい“安全・安心”の追求」、「新しい“あまねく”の追求」の2つの柱を強化する。
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各放送波・チャンネルの位置付け
BS放送の番組改定にあたり、新BS2Kでは当面、教養番組やエンターテインメント、ドラマなど、新BS4Kで放送する番組の一部も編成。2Kテレビで衛星放送を視聴する利用者の利便性も確保する方針だ。そして'23年12月の番組改定後、BSプレミアムでは停波を前に画面上の周知等を行うなど、衛星波削減の円滑な実施に取り組む。
なお、地震や津波などの大規模災害が発生した場合は、これまで通り衛星放送でも臨時ニュース等を放送。東京の放送センターが被災し放送できなくなった場合も、大阪放送局から新BS2Kに送信し、全国の放送局が受信して放送する。
将来的には4Kの普及状況をふまえ、右旋のBS放送を1波へと整理・削減することも視野に入れ、検討を進める。いっぽう、左旋波の「BS8K」については「東京オリンピック・パラリンピック後に、在り方に関する検討を進める」としていたが、今回の修正案では今後の扱いに関する記載はない。
このほか、NHK経営計画(2021～2023年度)の修正案では、“過去最大規模”という受信料の値下げを2023年10月から実施することも明記。
新たな受信料は、地上契約が月額1,100円で、現行の料金(月額1,225円)から125円安くなる。衛星契約は月額1,950円で、現行の月額2,170円から220円の値下げとなる。支払い方法により月額料金が異なっていた従来の仕組みも改め、口座振替・クレジットカード等継続払に一本化。学生への免除も拡大する。
