江崎グリコは、栄養菓子「グリコ」発売100周年を記念した、数量限定の特別商品「クリエイターズグリコ」(935円)を11月22日から全国発売する。
日本を代表するクリエイターたちがデザインしたおもちゃと、特別なキャラメルがセットになった同商品の発売に先駆け、10月6日にメディア発表会が開催。本発表会にはおもちゃを手掛けた10名のクリエイターのうち、建築家の隈研吾さんはじめ7名が本発表会に登壇し、「グリコ」のおもちゃの制作秘話などをトークした。
おもちゃもキャラメルも特別
「江崎グリコは今年2月11日に創業から100周年を迎えました。会社の名前にもなっている祖業の商品「グリコ」は、創業者・江崎利一が牡蠣の煮汁の中に含まれるグリコーゲンに着目し、そのエキスをキャラメルに練り込むことで開発された商品です」とは、江崎グリコ健康事業マーケティング部の江川直氏。その特長を次のように紹介した。
「キューブ状の四角い形状よりも優しい口当たりのハート型のキャラメルは、お子様が召し上がることを踏まえ、開発されたものです。創業者・江崎利一の「“食べること”と“遊ぶこと”とは子どもの二大天職である」という考えのもと、おもちゃとキャラメルが一緒になった商品として販売された「グリコ」のこうしたコンセプトは、100年経った今も受け継がれています」(江川氏)
これまで登場したおもちゃは約3万種類、約55億個に達する数のおもちゃを届けてきたという「グリコ」。その発売100周年を記念する「クリエイターズグリコ」は、今年2月に同社が新たに制定したパーパス「すこやかな毎日、ゆたかな人生」を体現し、親子で楽しめる商品として企画されたという。
「クリエイターズグリコ」は、通常商品と同じくキャラメル4粒とおもちゃ1個がセットになっている。10種類のおもちゃは、マンガ家から建築家、ゲームクリエイター、アーティストに至るまで、日本を代表する多種多様な10名のクリエイターがデザイン。
グリコーゲンを含む牡蠣エキスに加え、健康素材としても注目されるローストしたカカオマスと、凍結粉砕したアーモンドを練り込んだキャラメルは、奥深い香りとなめらかな食感で、大人も楽しめる味わいに仕上げた。アーモンドは同社のアーモンドミルクのブランド「アーモンド効果」に使用しているものだという。
「クリエイターズグリコでは、過去にグリコに触れていただいて、さまざまな思い出を持つ10名のクリエイターの方々に集っていただきました。各クリエイター様のデザインと世界的なフィギュアメーカーである海洋堂様の造形製作によって実現した商品で、海洋堂様とは2001年発売の「タイムスリップグリコ」以来の共同制作となります。本商品はセブンイレブン様をはじめ、いくつかの店舗様で並ぶ予定です。セブンイレブン様も全店舗で並ぶわけではございませんが、ぜひ店頭でお手に取っていただけたらと思います。また、弊社ECサイトやAmazon様などでも販売させていただきます」(江川氏)
隈研吾氏らが手がけたグリコのおもちゃ
日本を代表するクリエイターが「心の中にあるグリコ」をテーマにデザインされているという「クリエイターズグリコ」のおもちゃ。「クリエイターズグリコ」のお披露目後に実施されたトークセッションには、大童澄瞳氏、隈研吾氏、坂井直樹氏、タツナミシュウイチ氏、長坂真護氏、根津孝太氏、日野晃博氏の7名が登場した。
「僕は朝から晩まで積み木ばかりしているような子どもで、母親はラクな子だったと言っていました」という建築家の隈研吾氏は、伝統的な架橋技術を現代に甦らせた檮原の建築物「木橋ミュージアム」のジオラマを紹介した。
「この檮原の橋は本当に積み木のように木を組み合わせた構造で、自分の子供の頃の思い出ともつながっているし、子どもたちにグリコのキャラメルを舐めて、檮原の町に興味を持ってもらいたいと思いました」
日本初のプロマインクラフターとなったタツナミシュウイチ氏は、「子どもの頃は内向的で、とにかく何か手を動かして、何かを作り続けていないと気が済まないような子どもでした。小学生の頃は材木屋さんから木屑や木端とかを集めてきて、それを部屋の中で組み合わせて遊んでいるような子どもで。考えてみれば、今もパソコンの中でブロックを積み上げ続ける仕事なので、やっていることは同じだなと思います」と、自身の子ども時代についてトーク。
廃材でつくり上げた世界に「グリコ」のおもちゃを登場させて遊んでいたとのことで、タツナミ氏は今回、パズルのようにブロックでビジュアルプログラミングを遊べるアナログおもちゃを手がけた。
また、1987年に日産自動車から販売された「Be-1」のコンセプト企画で知られ、国内外の製品開発に携わるコンセプターの坂井直樹氏は「絶滅危惧種スタンプ(マレーバック)」を制作した。
マレーバクをフィギュア化し、足の肉球部分がスタンプになったおもちゃで、「僕は戦後2年経ってから生まれているので、何もモノがないんですよ。だからグリコのおもちゃは今とは全く違ったレベルで大きな感動がありました」とコメント。マレーバクをおもちゃの題材にした理由を語った。
「グリコのおもちゃはその時代、時代を反映しているので、絶滅危惧種の問題について何かメッセージを出したいと思いました。だいたい1色の動物が多いんですが、マレーバクは黒と白の2トーンで、指が前足4本で後ろ足3本しかないという、不思議なおもしろい動物というのが今回おもちゃにした理由です」(坂井氏)
全種をセットにした「コンプリートボックス」も
その他、大童澄瞳氏(漫画家)が「四駆ゼンマイ探検車」、長坂真護氏(美術家)が「リサイクルプラのミリーちゃん」、根津孝太氏(クリエイティブコミュニケーター、デザイナー)が「はたらくくるま」、日野晃博氏(ゲームクリエイター、脚本家)が「ジュエルエージェント・ベティレイ」、ヒョーゴノスケ氏(イラストレーター)が「牛若丸と弁慶 五条大橋の戦い」、堀井雄二氏(ゲームデザイナー)が「ぼうけんのへや」、増田セバスチャン氏(アーティスト)が「My メリーゴーランド」をデザインした。
また今回、全クリエイターのおもちゃ10種類をセットにした「コンプリートボックス」(14,990円)と、それぞれのクリエイターのおもちゃが色違いで3個セットになった「クリエイターズボックス」(3,990円)も販売する。
どちらも予約限定・数量限定の販売で、10月6日からECサイト「グリコダイレクトショップ」での予約受付を開始した。お届け予定は12月中旬ごろとのことだ。