老後の資金や教育資金といった将来必要なお金を準備するために、積立運用を検討されている方も多いのではないでしょうか?今回は、老後の資金を準備する目的で、毎月5万円の積立運用をして、60歳で5,000万円貯めるために、必要な利回りは何%なのか解説していきます。
■ゆとりある老後には5,000万円必要らしい
ゆとりある老後の生活を送るために、一体いくらお金が必要なのでしょうか?
「公益財団法人生命保険文化センター 令和元年度『生活保障に関する調査』」によると、ゆとりある老後生活費は、夫婦で毎月36.1万円です。
一方で、老後に国から受け取る年金受給額は、会社員(夫)・専業主婦(妻)の場合、平均毎月約21.8万円です。(総務省「家計調査報告家計収支編2019年(令和元年)平均結果の概要」参照)
生活費36.1万円に対して、年金受給額21.8万円ということは、毎月14.3万円お金が不足します。この生活が30年間続くと、老後に不足する金額は、次のようになります。
毎月の不足額14.3万円×12カ月×30年=5,148万円
まとめると、老後30年間の生活費として約5,000万円が必要になります。ただし、あくまで令和元年の平均値から算出した金額であり、平均値だけを参考にお金を準備すると、いざ老後のご生活を迎えたときにお金が不足する可能性があります。なぜなら、 医療費や介護費といった想定外の支出もあるからです。
まずは、医療や介護も考えて経済的に老後ゆとりのある生活を送るために、一人あたり2,500万円、夫婦で5,000万円準備することを目標に考えていきましょう。 それでは、大学・専門学校を卒業して社会人生活にも慣れてきた30歳の方が、将来必要な老後のお金を今から準備しようとした時に、どんな方法で準備をするのがよいのでしょうか?■30歳、毎月5万円、積み立てします
30歳から老後に向けて毎月積み立てを始めた場合で考えてみましょう。30歳から毎月5万円積み立てをすると、老後にいくら準備できるでしょうか。今回は、60歳以降のご生活を「老後」として考えます。預金の場合、60歳までの30年間で準備できる金額は、1,800万円です。
■65歳までに5,000万円貯めるために必要な利回りは?
預金で毎月5万円の積立をして、65歳までに5,000万円貯めるのは現実的に難しいです。それでは、5万円を資産運用して利回り何%以上の運用ができると、5,000万円準備できるのか、確認しましょう。
＜答え：6.0%必要です＞
結論、年利6.0%以上のの運用が必要です。30歳から60歳までの35年間、年利6.0%で運用を継続すると、約5,100万円(うち元金1,800万円・利息約3,300万円)を準備することができます。
例えば、投資信託で毎月一定額をコツコツ積立運用していくことで、年利6.0%以上の運用を狙って投資することも可能です。最近は、つみたてNISAやiDeCoといった国が推奨している制度もあるため、うまく活用するとよいでしょう。■まとめ
ゆとりある老後の生活を送るために、夫婦で5,000万円を準備しておくとよいでしょう。今後、年金制度の改正で老後の年金受給額が減ってしまう場合や、急な支出(医療費や介護費用)などを考えると、今後より一層、老後資金の準備は必要不可欠になってきます。
老後資金を準備するために、投資信託をはじめとした将来リターンが見込める金融商品でコツコツ積立運用をしていくことで、老後に向けて大きなお金を準備しやすくなるため、おすすめです。
計画的に老後資金を準備するために、毎月の積立額や、つみたてNISAやiDeCoなど、どの制度を活用するのかが非常に大切になりますので、分からない方はファイナンシャル・プランナーに相談しましょう。
この記事を執筆したファイナンシャルプランナー
倉知洋平(くらちようへい)
所属：株式会社マネープランナーズ
