• Google初のスマートウォッチ「Pixel Watch」。実機を写真と動画で見ていきましょう

Google初のスマートウォッチ「Pixel Watch」が、10月13日に発売されます。

10月7日に開催された新製品発表会では、AlphabetとGoogleでCEOを務めるスンダー ピチャイ氏(Sundar Pichai, CEO, Google and Alphabet)がサプライズで登壇。Pixel Watchの実機も展示されました。

  • 日本のPixelデバイス新製品発表会にサプライズで登壇したスンダー ピチャイ氏。同日Googleは、ピチャイ氏が日本で岸田総理と面会し、日本社会のデジタル化を支援すると伝えたことや、2023年には千葉県印西市にGoogleのデータセンターを開設するなど総額1,000億円の設備投資をすることなどを公式ブログで明かした

ピチャイ氏は、Pixel 7シリーズもお披露目された発表会で「最新のPixelデバイスを日本に紹介できてうれしい」とコメント。Pixel Watchについては、「Google初のスマートウォッチ。Fitbitの技術と組み合わせ、人々に必要な情報を日々提供できる」と話した。ピチャイ氏も現在着用しており、「機能と見た目が気に入っている。日本の人がどう使っていくか、楽しみです」と紹介しました。

Pixel Watchの概要

Pixel Watchの画面は丸みを持たせたドーム型のAMOLEDディスプレイを採用。ディスプレイと本体のつなぎ目はシームレスで、曲線を活かしたベゼルレスデザインが印象的です。右サイドに突き出たリューズは存在感があり、操作しやすい(つまみやすい)大きさでした。

Gmailやカレンダー、GoogleマップといったGoogleの主要サービスとの連携に加え、Fitbitの健康管理・ヘルスケア機能を備えたことが特徴。競合となるApple Watchのように自社製品との親和性が高く、Android 8.0以降のデバイスに対応し(iPhoneは非対応)、特にGoogle Pixelシリーズで使いやすいスマートウォッチとなっています。Pixel Watchの主な特徴は次の通り。

  • 1.2インチのドーム型AMOLEDディスプレイ(カスタム 3D Corning Gorilla Glass 5)
  • 柔らかいアクティブバンド2種類が付属(S:手首周り130~175mmの人向け、L:手首周り165~210mmの人向け)
  • 大型リューズ、サイドボタン搭載
  • Suica利用可能(NFC/FeliCa搭載)。ただし定期券利用は不可
  • Google PayやGoogleカレンダー、Googleマップ利用可能
  • Fitbitの健康・フィットネス機能を利用可能、心電図は非対応(承認調整中)
  • バッテリーは最大24時間、充電時間は約30分で50%・約80分で100%
  • Wear OS by Google(WearOS 3.5)搭載
  • マイク/スピーカー内蔵
  • 5ATM防水
  • Bluetooth 5.0・Wi-Fi 802.11 b/g/nサポート
  • 対応デバイスはAndroid 8.0以降のスマホ、iPhoneは非対応
  • Wi-Fiモデルは39,800円(Googleストア価格)
  • 4G LTEモデルは47,800円(Googleストア価格)、ソフトバンク/au対応
カラーラインナップ
Matte Black ステンレス ケース/Obsidian アクティブ バンド
Polished Silver ステンレス ケース/Charcoal アクティブ バンド
Polished Silver ステンレス ケース/Chalk アクティブ バンド
Champagne Gold ステンレス ケース/Hazel アクティブ バンド
  • Pixel Watchのカラーラインナップ。サイズは直径41mm×高さ12.3mm、重さ36g(バンド除く)

【動画】Pixel Watch ウォッチフェイスの例【13秒】

【動画】Pixel Watch アクティブバンドの付け外し【8秒】

【動画】Pixel Watch リューズを回転させて出てくる画面【15秒】

【動画】Pixel Watch リューズを押した後に回転させて出てくる画面【26秒】

【動画】Pixel Watch トップ画面を左右にスライドさせて出てくる画面【25秒】

Pixel Watch外観

外観で最も目を引くのは、端がカーブを描いているドーム形状のディスプレイ。傷がつきにくいと言われる3D Corning Gorilla Glass 5を採用しています。表からは見えにくいベゼルは画面と段差なく一体化しており、本体は“エッジが滑らかにカーブしている丸い石”のような感触でした。

右側面には大型の触覚式リューズとボタン、マイクが付けられ、左側面にはスピーカーを搭載。リューズは細かい線が刻まれ回しやすく、回すと本体へ振動がフィードバックされるようになっていました。サイドボタンは直近で使ったアプリを開けるボタンです。

  • Pixel Watchの1.2インチカーブ状ディスプレイ。輝度は最大1,000nit。Pixel Watch プロダクト マネージャーのパラス ウナドゥカット(Paras Unadkat)氏は、ドレスアップした服装にも、スキーやロッククライミングなどアウトドアの服装にも合うとアピール

  • 右側面にはリューズ、サイドボタン、マイクなどを搭載。リューズは画面のスクロールやショートカットなどを開け、機械式時計を思わせる回し心地だった

  • ベゼルはディスプレイと段差なく一体化し、未来感あるカッコよさ。腕への当たりも良好。防水性能は5ATM

  • 正面から見たところ。なおウォッチフェイスは19種類を選択でき、色、レイアウト、必要な情報などをカスタマイズできる。Googleフォトとも連携し、お気に入りの写真をウォッチフェイスに設定可能

  • センサーは光学式心拍数センサー/赤色光・赤外線センサー/周囲光センサー/加速度計/高度計などを搭載。ハードウェアとしてはECGセンサーも搭載しているが、国内では未承認(Googleによると現在承認に向けて取り組み中)

  • Pixel Watchはガジェット感のない有機的な“丸い塊”で、ピチャイCEOも「見た目が気に入っている」とコメント。ケースの80%にリサイクルステンレスが使われている

Google関連機能・Suica対応など

Googleのサービスが使える点を強調するPixel Watch。Gmailやカレンダー通知は一般的なスマートウォッチでもスマートフォンと連携させて通知を表示できますが、Pixel WatchではGoogleウォレットやYouTube Music、Googleマップが利用できる点が強みといえそうです。

Suicaへの対応はFitbitやwena、ガーミンといったSuica対応スマートウォッチと同じように、Suicaの発行やチャージ、交通系電子マネーとしての利用は可能ですが、定期やSuicaグリーン券、おトクなきっぷの利用は不可。ただしJRE POINTサイトで登録することで、JRE POINTは貯められます。

なお、現時点ではPASMOやiDなどSuica以外のFeliCa決済には対応していない点に注意です。

  • Googleマップを表示した画面。Wi-Fiモデルではスマートフォンと連動、LTEモデルでは単体で地図表示が可能とのこと

  • ナビゲーションも手首で表示。スマートフォンを“ながら見”しながら街を歩く危険を減らせそうだ

  • Suica決済画面。対応リーダーにかざして決済などが行なえます

  • Pixelスマートフォンと連携し、カメラのシャッターを切れる。Googleが進める、Pixelデバイス同士を利用しやすくするエコシステムの一環

  • Pixel Watchやスマートフォンが見つからない時は、Pixel Watchからスマートフォンの音を鳴らしたり、スマートフォンからPixel Watchの音を鳴らしたりできる

  • Google Homeと連携し、スマートホームデバイスの操作が可能。Google Homeアプリから音声操作(Googleアシスタント利用)で照明を点けることなどが可能

ヘルスケア・フィットネス機能など

Pixel Watchのヘルスケア・フィットネス機能は、Fitbitの技術を採用しています。エクササイズは40種類以上をサポートし、Fitbitが強みとうたう“正確な心拍数”を毎秒計測可能。睡眠スコアや睡眠状態の記録も得られます。

なお、エクササイズの自動認識やストレス通知、不規則な心拍リズムの通知などは非搭載で、Fitbitが販売している同価格帯のスマートウォッチと比べ、健康管理・アクティビティ計測機能はやや弱い印象があります。

各健康データをよりパーソナライズさせた分析結果を得られるFitbitの有料サービス「Fitbit Premium」(640円/月、6,400円/年)も利用でき、Pixel Watchの購入で6カ月の無料トライアルが付いてくるのは嬉しいポイント。

  • 心拍計測画面

  • 歩数計測画面

  • エクササイズ設定画面

  • 事前に設定した緊急連絡先や緊急通報番号に発信できる緊急SOS機能や、激しい転倒を検出すると緊急通報番号に発信する転倒検出(2023年リリース予定)は、Fitbitシリーズにはない注目機能

インタフェース・バンドなど

Pixel Watchのインタフェースは何より使いやすさを重視して開発したとし、一般的なスマートウォッチのように、エクササイズ計測画面・睡眠状況確認画面などにスワイプでアクセスできます。各操作は“ヌルヌル”動き、特に引っかかりなどは感じませんでした。

バンドは標準で大小2種類のアクティブバンドを同梱。アクティブバンドはフルオロエラストマー製で、柔らかく触り心地が滑らかです。このほか、ウーブンバンドやレザーバンドなどを「ユーザーが好みに合わせて購入できるよう」別売。バンドはカメラレンズの機構に着想を得たといい、本体のボタンを押し込んでスライドさせて付け外し。最初は手間取るかもしれませんが、慣れるとスムーズに着脱できそうです。

  • リューズを回転させてアクセスできるショートカットの例

  • 上のショートカットからさらにリューズを回転させると出てくるショートカット

  • お気に入りのアプリを登録できる

  • 別売のバンド例。右がウーブンバンド3カラー(リサイクル PET 繊維)、左がツートーンレザーバンド3カラー(イタリア製本革)

  • ウーブンバンドはCoral/Lemongrass/Ivyの3色。リサイクル PET 繊維を編み込んでいる

  • 本体との着脱インタフェース。着脱する様子は冒頭の動画(上から2番め)で確認できる