タレントの三宅健が、Shinkansen faces Shakespeare『ミナト町純情オセロ~月がとっても慕情篇~』に主演することが10日、明らかになった。
同作は2011年に劇団☆新感線がシェイクスピアの『オセロー』を翻案し、青木豪書き下ろしによって上演された。戦後復興とともに新たな混沌が生まれつつあった1950年代の日本、関西の港町。そこでのし上がった沙鷗組の若頭、亜牟蘭オセロ(三宅健)は町の医師の娘、村板モナ(松井玲奈)と恋に落ちてヤクザ稼業から足を洗うことを決意する。だが、激化する抗争、そして男女の愛憎が生む不信は若頭補佐の汐見丈(寺西拓人)も巻き込み、人々を逃れられない悲劇へ誘う。
この度、劇団☆新感線がシェイクスピアに向き合う=Shinkansen faces Shakespeareシリーズとして12年ぶりの上演が決定。部下イアーゴの計略によって破滅へと突き動かされる軍人オセロと妻デズデモーナを描いたシェイクスピアの四大悲劇の一つ『オセロー』が戦前・戦中の関西らしき場所にある港町を舞台に、混沌とした時代に生きるチンピラヤクザたちの人情悲喜劇に大胆に翻案されていたが、新感線主宰・演出のいのうえひでのりによるダイナミックな演出で帰ってくる。物語の舞台を戦前・戦中から、戦後のアメリカ文化が流れ込んできたポップな時代に改めて書き直し、当時を彷彿させる歌謡曲の要素を取り込みながら装いを新たに上演する。
オセロを演じるのは、新感線初参加となる三宅健。シェイクスピア初挑戦で新境地に挑む。同じく新感線初参加の松井玲奈、寺西拓人とフレッシュな顔ぶれと、劇団員で創り上げる。劇団員からは、粟根まこと、高田聖子が登板。悲劇ではあるが、新感線ならではの歌って・踊って・笑える要素も盛りだくさんな作品となる。
劇団☆新感線主宰・演出:いのうえひでのり コメント
ここ数年のコロナ禍での上演は、明るくて楽しいスペクタクルなものが続いていたので、そろそろ人間の心の動きから出てくるドラマを作りたいと思っていました。そこに『港町純情オセロ』再演の話が出てきた。シンプルに言うと『オセロ』は嫉妬の話。青木(豪)君はドラマの中で人間の狡さが際立つ物語を描くのが上手い。シェイクスピアと聞くと大仰に構えてしまうと思うけれど、青木君によって日本人の情緒に委ねるようなストーリーになっているので、共感を持って作品に入り込めると思います。ですが悲劇なので辛い話ではある。これを現代に置き換えるととても陰惨な話になってしまうので、戦後の混乱の中に置き換えることによって、ロマンティックなファンタジーとして捉えることが出来ると思います。
三宅君は年齢を超えた少年性とピュアな無邪気さがありますよね。オセロが騙され嫉妬に狂っていく過程は、ある意味純粋であるがゆえでもあるので、(初演の橋本)じゅんさんとは違う、三宅君なりのオセロが出来そうな気がしています。
今回はここ数年ではなかった、ガッツリと「芝居」に取り組む公演になります。僕も楽しみですし、新感線は「こういうこともやりますよ」ということをお見せしたい。前回とは全く違ったニュアンスの作品になると思うので、楽しみにしてください
三宅健 コメント
兼ねてからいのうえひでのりさんの演出を受けてみたいと思っていましたので、
「劇団☆新感線」に出演させていただけることを大変光栄に思います。
自身にとってシェイクスピアを題材とした作品に携わるのは初のことなので身が引き締まる思いです。
僕の知っているオセロのイメージは、自身と真逆のイメージですが、僕にしか出来ないオセロを演じられるように精一杯努めたいと思います。