京都市交通局は、地下鉄烏丸線の新型車両20系が2022年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。新型車両20系について、審査員からは「シンプルでモダンな京都らしい地下鉄車両である」と評価された。

  • 京都市営地下鉄烏丸線の新型車両20系

京都市交通局では、地下鉄烏丸線の車両20編成のうち、開業以来40年以上にわたって使用し、老朽化した9編成について、2021~2025年度にかけて20系に更新することとしており、現在は2編成が営業運転を行っている。

デザインのポイントとして、外観において前面の造形に曲面を多用し、これまでの車両とはひと目で違いのわかる未来的なエクステリアデザインに。内装は伝統色や伝統文様、伝統産業を活用し、京都ならではの地下鉄を演出。華やかで雅なインテリアデザイン、レイアウトと色彩で視認性と安全性を向上させた乗務員室、床面高さを下げ乗降を容易にした客室もポイントに挙げられている。

  • 新型車両20系の「おもいやりエリア」

  • 新型車両20系の車いす・ベビーカースペース、優先座席エリア

  • 「京象嵌」の技法を活用した標記銘板

  • 釘隠しを金属工芸の技法により製作

受賞に際し、審査員からの講評として、「烏丸線は両先頭の車両に乗る機会が多く、そこに伝統工芸品を展示する大きな多目的スペース『おもいやりエリア』を配置された点を評価したい。従来の車両と比較して、バリアフリーや情報提供という点で進化していることは当然だが、京都市内の工芸や伝統産業が参加することもひとつの市民参加であり、地下鉄と市民との新しい関係を生み出している点も評価したい」とコメントが寄せられた。