『M-1グランプリ2021』準々決勝進出、『第43回ABCお笑いグランプリ2022』決勝進出と、結成2年で早くも頭角を現す、ダウ90000。第4回演劇公演『いちおう捨てるけどとっておく』の16ステージ分のチケットは発売開始後約10分で即完売するなど、業界で今最も注目を集める平均年齢23歳の8人組が、満を持して地上波連ドラに初登場する。
日本テレビ・Huluで放送・配信されるショートドラマ『今日、ドイツ村は光らない』(地上波4話=10月8日13:50頃、15日14:50頃、22日14:50頃、11月5日14:50頃/Hulu11話=毎週水曜0:00最新話配信)は、千葉県にあるテーマパーク「東京ドイツ村」の最大の目玉であるイルミネーションが始まる前日、いわば“1年で最も暇な1日”での男女9人の悲喜こもごもが描かれる作品。マイナビニュースでは、実際に東京ドイツ村で行われたロケに潜入した――。
撮影が行われたのは、連日の猛暑は去ったものの、まだまだ日差しが厳しく突き刺さる9月。3日間のロケの最終日だったこの日は、従業員の先輩後輩役を演じるダウ90000・主宰の蓮見翔と主演の小関裕太、ある理由でドイツ村に遊びに来ていた女性役のダウ90000・吉原怜那らが登場する「おもしろ自転車コーナー」のシーンを集中的に撮っていく。
テンポよく進む会話の中で、何気ない言い回しに相手が引っかかるなどして、次々に笑いが紡がれるのが、蓮見の脚本によるダウ90000の魅力。それが、このドラマというステージでも存分に発揮されている。
段取りの確認からテスト、そして本番へと進む中で、合間を見つけてはギリギリまで読み合わせを行い、大量のセリフを頭に叩き込む出演者たち。その姿に、カメラマンも「俺、絶対覚えられない…」と驚きを隠せない。
蓮見と吉原がセリフ覚えで苦戦するところに、小関はZARDの「負けないで」を歌って応援。しかし、まだ撮影は中盤の頃で、「♪負けないで もう少し」という歌詞に、蓮見が「まだ全然“もう少し感”ないですから(笑)」と即座にツッコミを入れる場面もあり、同年代の彼らが初共演で打ち解け合っている様子がうかがえた。
舞台を主戦場とするダウ90000だけに、吉原にインタビューすると、カット割りや動線の作り方など、映像作品ならではの作業に最初は慣れなかったと言うが、この日は3日目ということもあって、その点はスムースに対応している印象だった。
イルミネーションのシーズンは、冬。小関と蓮見は、背中に「東京ドイツ村」とプリントされた本家のスタッフジャンパーを着込み、吉原も長袖ニットという衣装で、暑さとも闘いながら撮影に臨んでいた。
このロケは、東京ドイツ村の営業中に敢行。「おもしろ自転車コーナー」に加え、隣接するアトラクション「ブタ天キッズコースター」も稼働しているが、幸いにして平日ということで人出が少なく、運行頻度は数十分に1回程度のペースだ。カメラを回す本番以外は、大きな音を立てて走行するため、“コースター待ち”というドイツ村ならではの平和な待ち時間もたびたび発生した。
緊張感の一方で、そんなゆるい雰囲気に包まれた中で行われた撮影。小関と蓮見の座る受付席に貼り付けてあった「おもしろ自転車」の看板が、本番中にずれ落ちるという脱力なハプニングも発生するなど、終始和やかな空気でロケは進んでいった。
撮影も終盤に差し掛かり、次々にクランクアップしていくキャストたち。定番の花束に加えて監督やプロデューサーらから手渡されたのは、東京ドイツ村オリジナルの「チョコレートフォンデュラスク」で、皆、立方体の箱を不思議そうに眺めながら、まさにドイツ村づくしの撮影を改めて実感したようだった。
「おもしろ自転車コーナー」のほかにも、フードワゴン、観覧車前、道端のベンチと、園内の様々な場所で撮影を行ったが、それぞれにおいてまとめ撮りを行っているため、撮影順は時系列が激しく入れ替わる形となった今回のロケ。9人の男女が抱えるややこしい事情が、どのように絡まり合い、イルミネーションが始まる前日という最も暇な1日が、素敵な1日へと変貌していくのか――ぜひ放送と配信で目撃してほしい。