「甘くないチューハイ」でヒット中の「キリン 氷結無糖」シリーズ。10月11日、新フレーバーとなるグレープフルーツが全国発売となる。「キリン 氷結(R)無糖」新商品発表&戦略発表会で、おつまみとのペアリングを体験してきた。
■レモンサワーブーム定着後もRTDが人気
キリンの缶チューハイ「氷結」は発売から21年を経た人気ブランド。新鮮な果実を凍結させ、氷点下でおいしさを抽出したウォッカベースのチューハイだ。
家庭用酒類市場において、ビールや新ジャンルといったカテゴリーでいうと「氷結」は、RTD (Ready to Drink、栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料)に分類される。近年RTDは市場全体から見ても成長を続けており、本年度は新ジャンルを上回る勢いを見せている。
こうした状況の中、「氷結」は今年、過去最高の累計販売本数を記録した。中でも2020年の10月に発売された糖類・甘味料不使用の「キリン 氷結無糖」が、この成長を大きくけん引。発売から1年余りで累計販売本数2億本を突破し、今年8月にはキリンRTDブランドとしては最速で5億本を突破した。
■甘くない缶チューハイはおいしくない?
「キリン 氷結無糖」快進撃の理由として挙げられるのが、購入者のおよそ8割がビール購入ユーザーであること。チューハイ特有の甘さを避けてきた層にも受け入れられているのだ。また、一度購入したユーザーのリピート率が高いことも、一過性の人気ではないことを物語っているといえそう。
好調な売れ行きの背景には、コロナ禍による環境と意識の変化、酒税法改正によるRTD需要の高まりもある。在宅時間の増加により飲食の充実が求められ、甘さ=糖質を控える健康志向ニーズも重なったと考えられる。甘くないRTDの潜在需要が高まりつつも、「甘くないものはおいしくない」「無糖はヘルシーだが味が薄い」というイメージがあるのも事実。これを見事に覆したのが、「氷結」だという。
■年間販売目標を1,400万ケースに上方修正
好調の波に乗った「キリン 氷結無糖」シリーズは、本年年初の販売計画として前年比約120%となる1,200万ケースを目標に掲げてきた。ところが当初予測を上回る数字を算出していることから、前年比約140%増となる1,400万ケースに上方修正することとなった(250ミリリットル×24本/ケース)。
■グレープフルーツの果実感が前面に
今後も拡大が続くであろう、無糖RTDジャンル。「氷結」ブランドのけん引役として、「氷結無糖」シリーズに新しいメンバーが加わる。それが、10月11日に登場する「キリン 氷結無糖 グレープフルーツ」だ。アルコール分はAlc.4%とAlc.7%の2種で、用量容器はそれぞれ350ミリリットル缶と500ミリリットル缶が用意される。
これに合わせる形で、先行する「キリン 氷結無糖 レモン」もパッケージをリニューアル。「透明感」「済んだ果実の味」のイメージと、目を引く印象的なデザインとアルコール度数の見分けやすさを強化した。
■おつまみとのペアリングで魅力アップ
■おいしいお酒はおつまみとのペアリングも楽しい
「キリン 氷結無糖」の特徴は、無駄を省いたお酒と果実の澄み切った味わいである。雑味のない氷点凍結果汁と磨き上げられたクリアウォッカが、すっきりとしたおいしさを実現する。無糖でこの味とは、さすがの技術力だ。
マスターブリュワーの田山氏は、「大きめのグラスに氷を添えて爽やかさを演出するのがお勧めです」とのこと。でも、もちろんプシュッとやって、缶からそのままゴクゴクやりたい日もあるよね!
続いて田山氏は、それぞれの商品に合わせたおつまみ選びを提案してくれた。
おつまみは、塩漬け・スモークされたノルウェー産鮭ハラスの缶詰。ひと口かじって、その余韻で「氷結無糖 レモン Alc.4%」を飲むと、鮭の旨みをレモンが引き立ててくれる。見事なペアリングがなされるが、キレもいい。塩味の強いスモーク料理という強めの食材を引き立てながら、後味をスッキリとさせるのはレモンの得意技。
マスターブリュワーの田山氏が普段から愛飲するというのが、こちら「氷結無糖 レモン Alc.7%」。4%に比べてレモン感は控えめながら、キレのスピードも早い。「お酒感」も強烈で、味わいはドライだ。合わせるのは塩麹レモン炙り鶏。お酒のレモンと鶏のレモンという、ダブルのレモンによる相乗効果で旨みが増幅されるのがおもしろい。
新フレーバーの「氷結無糖 グレープフルーツ Alc.4%」の登場。こちらも無糖でありながらも、グレープフルーツならではの鮮烈な果実感の中にかすかな甘みを感じる。レモンが万能のフレーバーとするならば、グレープフルーツは明るく主張のある、キャラクターが立ったフレーバーといったところ。やや強めの味わいのおつまみに合わせるのが良さそう。この缶詰は粗挽きの黒胡椒でパンチの効いたコンビーフ。相性はなかなかのものだった。
「氷結無糖 グレープフルーツ Alc.7%」は、グレープフルーツの風味としっかりとしたお酒感をあわせもつ商品。おつまみとして推薦された広島県産炙りかきの缶詰は、旨みも風格もラスボス級。アルコール度数7%でもればしっかり釣り合う。一緒に楽しむと、お互いの個性がぶつかり合って最高のペアリングとなる。
田山氏は組み合わせを模索する中、さまざまな食材を試したという。その結果、濃い目の味付けの料理、スパイシーな料理との相性が良いことがわかったという。スパイスをしっかり利かせた羊肉料理なんかいいかも。
とはいえ、お酒の楽しみ方はあなた次第。料理に合わせてお酒を選ぶ、お酒に合わせて料理を選ぶのも自由。自分だけのペアリングを探してみたい。