大阪ガスマーケティングとグローバルベイスは10月8日より、マンションリノベーションに特化したショールーム「MYRENO OSAKA(マイリノ オオサカ)」をオープンする。担当者は「これまでリノベーションを知らなかった方や、新しい住まいを検討中の方にMYRENO OSAKAまで来てもらい”自分らしい理想の住まい”を思い描いてもらえたら」とアピールした。

  • MYRENO OSAKAがオープン(大阪市北区曽根崎1-1-2)。営業時間は10時~19時の予約制で、火・水曜日は休業日

■関西最大級のショールーム

ともにDaigasグループの両社は2022年7月より、関西圏の中古マンションを対象にしたオーダーメイドリノベーション事業を開始。そして今回、MYRENO OSAKAのオープンに至った。マンションリノベーションに特化したショールームとしては関西最大級の約100坪という広さで展開。実際に「リノベーション空間を体感」でき、「最新のキッチンなど住宅設備の”素材”に触れられ、リノベーションに関する知識を得られるのが特徴だ。

  • エントランスのイメージ

  • 様々なリノベーション事例、工事の流れなどの知識を得られる「How to リノベ」スペース

大手セレクトショップのユナイテッドアローズ社が、リノベーションの空間デザインからオリジナル家具の制作に至るまで監修したモデルルーム「RE: Apartment UNITED ARROWS LTD.」も用意した。

  • おしゃれな雰囲気のRE: Apartment UNITED ARROWS LTD.

  • 異なるテイストのこちらもRE: Apartment UNITED ARROWS LTD.

キッチンスタジオは、数々のオーダーメイドキッチンを手がける田中工藝とともにコーディネート。扉や天板などのサンプルを見ながらキッチンについて相談できるエリアも用意している。

  • 憧れを凝縮したキッチン

  • 大阪ガスのガスコンロ(クラスS Hシリーズ)

■いま中古マンションが人気

大阪で開催されたプレス発表会では冒頭、リクルート SUUMO 編集長の池本洋一氏が登壇してマンション販売およびリノベーション業界の最近の動向について解説した。それによれば、国内の新築マンションは建築費の高騰によりインフレ状態。そこで現在は、新築マンションより安く購入できる中古マンションの人気が高まりつつあるという。

  • 関西圏では、中古マンションは新築マンションより平均で55%も安い

中古マンションの内装をリフォームする件数も増えてきた。SUUMO掲載履歴で調べると、関西圏においては2021年頃に「内装リフォームあり」の数が「内装リフォームなし」の数を逆転したそうだ。

  • 中古マンション市場における内装リフォームあり・なし比率の推移(関西)

池本氏は「この10年間で消費者にはリノベ=おしゃれ、選択肢の1つ、というイメージが定着してきました。この先、内装デザイン、設備、間取り工夫、省エネを含む性能向上などを図れば、さらに需要が拡大していくのではないでしょうか」と解説する。

■サービス開始の背景

このあと大阪ガスマーケティングの髙木良次氏が登壇した。同社はなぜ、このタイミングでMYRENO OSAKAをオープンさせたのだろうか。

  • 大阪ガスマーケティング 販売企画部リフォームチームマネジャーの髙木良次氏

その背景について、髙木氏がポイントにあげたのは2つ。ひとつは中古マンションの販売戸数が2020年に新築マンションの販売戸数を上回ったこと(不動産経済研究所調べによる)。もう1つは、コロナ禍により在宅時間が増えたことで消費者の住まいに関するニーズが多様化したことだ。

  • サービス開始の背景

これまで大阪ガスでは、水回りのリフォームを中心に提供する「住ミカタ・リフォーム」を通じて約40万件のリフォームを実施してきた実績がある。ここに今夏、首都圏でリノベーション事業を展開してきたグローバルベイスが参画したことで、中古マンション再生事業に本腰を入れてチャレンジする体制が整った。初年度は40件のリノベーションを目標としている。

  • 両社によるシナジー

大阪ガスが不動産分野に注力するメリットは? そんな問いかけに、髙木氏は「弊社グループでは、住まいに関するあらゆるニーズ、お困りごとにワンストップで答えを提供できるよう、これまでも様々な事業に取り組んできた経緯があります。今回、リノベーションにも対応できました。インフラ会社として選び続けてもらえるよう、今後も努力を続けていきます」と説明した。

■中古マンション×リノベが選ばれる理由

続いて、グローバルベイスの野田清隆氏が登壇して事業内容について説明した。同社が手がけるリノベーションとは、部屋をコンクリートむき出しの状態まで戻し、間取りから作り直すこと。リフォームとは目的が異なるという。

  • グローバルベイス 常務取締役の野田清隆氏

いま中古マンション×リノベーションが支持されている理由については、専有部を新築同様に刷新できること、思い通りの間取り・設備・雰囲気にできること、(中古マンションは物件数が多いため)選択肢が豊富で安く・広く・好立地な物件を見つけやすいこと、などを挙げる。

そのうえで「中古マンションは築25年を過ぎると、価格の低下が鈍化します。つまり価値が安定するんですね。そこで『不動産の資産価値が下がりにくいもの』を取得できるのもメリットになっています」と解説。ちなみに中古マンションをリノベーションしても、新築マンションより2~3割は安く購入できるという。

  • 中古マンションの築年帯別平均価格。築25年を超えると価格が安定する

ひと昔前の「専業主婦世帯」が一般的だった時代から、現在は「共働き世帯」が当たり前の時代へとシフトした。夫婦ともに通勤しやすい都心に近いエリアで、車を持たず、できれば駅から近い物件で、といった需要が高まっている。野田氏は「関西圏においても(首都圏と同様に)今後、都市部にある資産性の高い物件はどんどんと需要が高まることが予想されています。これから多くの人にMYRENO OSAKAでリノベーションの良さを体感いただくことで、ひいては関西圏のリノベーション市場を活性化していけたら幸いです」とまとめた。

  • ビル1階に入るMYRENO OSAKAの外観。JR大阪駅から徒歩12分、地下鉄東梅田駅から徒歩7分の好立地にある