ハーレーダビッドソンジャパンが9月17日に発売した「ローライダー エルディアブロ」の実車にお目にかかることができた。世界限定1,500台、日本での販売台数は139台の希少モデルだが、いったいどんなバイクなのか。実車を確認しながら、デザインチームの一員であるハーレー唯一の日本人デザイナー・長尾大介さんに話を聞いた。
販売価格は400万円オーバー!
今回のローライダー エルディアブロは、ハーレーダビッドソンが立ち上げたシリアルナンバー入り限定車シリーズ「アイコン コレクション」から登場したニューモデル。ハーレーの長い歴史の中でも特に印象的なモデルを現代技術で生まれ変わらせるというのがコンセプトで、2021年の「エレクトラグライド リバイバル」に続く第2弾だ。
ローライダー エルディアブロは1983年に登場した「FXRT」にインスパイアされたモデルで、ベースになっているのは2022年モデルのローライダー STだ。しかし長尾さんによれば、そもそもローライダーSTの開発コンセプトがFXRTだったという。
「ポルシェの911によく例えますが、1965年に登場した901と最新の911は細かく見ると違うクルマなのにDNAは同じで、それが一目でわかります。ローライダーSTも現代のハーレーですが、1980年代の伝説的なFXRTの流れだというのは見ればわかります。ただ、細かく見れば面の構成はかなり現代的になっていて、FXRTより凹凸があるなどの違いがあります」(以下、「」内は長尾さん)
ローライダーSTをベースとするローライダー エルディアブロの大きな特徴が塗装だ。
「ローライダー エルディアブロはベースの赤の上に濃淡の異なる赤のフレークを乗せることで、かなり立体的な塗装になっています。こういうカラーも当時のFXRTにあったんじゃないかと思われるかもしれませんが、ここまで手の込んだ3次元的な塗装は1980年代当時にはありません」
デザインする上では、FXRTの1980年代南カリフォルニア仕様で用いられたアグレッシブな塗装からもインスピレーションを得ているというが、基調色の赤にもこだわったそうだ。
「僕は3次元のデザイナーなので、いつも黒で勝負したいと思っています。形がカッコよければ黒が一番ですし、逆に形がカッコ悪いと黒では成立しません。それに、ハーレーはやっぱり悪いバイクですから、黒が合うんです(笑)。今まではそれで大満足していましたが、黒以外にもニーズがありますので、そういうお客さんたちを満足させるため、今回のローライダー エルディアブロではちょっと派手で悪そうな赤を選びました」
ローライダー エルディアブロの楽しみ方としては、「ハーレーの中でも運動性能の高いモデルなので、峠道でガンガン乗って、手足のように操ってもらえれば」とのことだった。