男性の手が蛇口をひねる。タイルの様子からもお風呂場と思われる。その手が上にあがり、おもむろに一枚のタイルをはずす。するとそこにはもう一つのお風呂場が! 小さな湯舟があり、小さな小さな椅子があり、さらに小さなシャンプーがある。こびとのお風呂へようこそ!

お風呂場のタイルを外したら、中に小さなお風呂がありました。こびとシリーズ第13弾「こびとのお風呂」全て手作りのミニチュア作品です。制作期間は約5ヶ月。

  • (Twitter Mozu@rokubunnnoichi より引用)

このミニチュアセットの作者は Mozuさん。1998年生まれのクリエイターです。ミニチュアやトリックアート作品、コマ撮りアニメーションなどを手掛けています。高校2年生の頃、全てを一人で作り上げたコマ撮りアニメ「故障中」が、アジア最大級の映画祭「Digicon6 Asia」 Youth部門の最優秀賞を受賞。同年、アカデミー長編アニメ賞受賞歴のあるウェスアンダーソン監督から声がかかり、コマ撮りアニメ「犬ヶ島」の制作にも参加しています。今回の動画は Mozuさん製作による、こびとシリーズ第13弾「こびとのお風呂」。その完成度の高さ、一つ一つの小物に宿る物語性、ミクロコスモスな世界観に多くのフォロワーから賞賛の声が届きました。

「ほんと大好きな小さな世界」「私の家のお風呂と全く同じ壁だ…」「本物すぎて やばいです」「ひらがな表が折れてたり、何より明かりがとってもリアル。Mozuくんの作品はストーリーを感じます」「お風呂場の扉ガムテープで止めてあるのリアル過ぎるw」「実は、この小さな部屋のタイルを外すとまた中にさらに小さなお風呂場があるんだよね・・・」などなど。作者の Mozuさんにお話を伺いました。

■作者に聞く

……このお風呂場はご自宅でしょうか。

Youtubeのメイキング映像を見ると分かるのですが、蛇口がついているタイル壁は丸ごと制作した作品になります。本物のお風呂場に穴を開けるわけにはいきませんからね(笑)

▼「こびとのお風呂」のメイキング映像はこちらから

……なぜミニチュアお風呂をお風呂の中に作ろうと考えましたか。

お風呂に入っていた時に、ふと「壁のタイルが一枚外れて、その中にこびとが住んでいたら面白いなぁ」と思った事がきっかけです。そして、どうせならお風呂の中にお風呂を作ってみようと思ったわけです。

……製作期間はどのくらいでしたでしょうか。

手をつけはじめたのは2021年の10月頃で、完成は2022年の9月25日なので、1年近くかかっていますね。ただ、飽きて全く手をつけなかった期間も長いので、実際は4ヶ月くらいだと思います。

……実際に製作する上で苦労、工夫した点は?

ミニチュアお風呂のタイルの色には気を使いました。水色すぎると偽物になってしまうので、本物のお風呂をよく観察してあの「グレーに近い薄水色」を再現しました。

……ミニチュアの魅力は何だとお考えでしょうか。

小さくなると何でも可愛くなってしまうところだと思っています。便器だって浴槽だってゴミ袋だって、小さくなると可愛くなるんですよ。まるで魔法みたいですよね。この魅力に僕は10年近く振り回されているんだと思います(笑)

▼お風呂場のタイルを外したら、中に小さなお風呂がありました。こびとシリーズ第13弾「こびとのお風呂」全て手作りのミニチュア作品です。制作期間は約5ヶ月。