永瀬拓矢王座に豊島将之九段が挑戦する第70期王座戦(主催:日本経済新聞社、日本将棋連盟)五番勝負第4局が、10月4日(火)に神奈川県秦野市「元湯陣屋」で行われています。今期の王座戦は第1局を豊島九段が制し、第2局・第3局を永瀬王座が連勝して防衛にあと1勝としています。
今期の王座戦は、第2局の千日手局、そして第3局と午前中のうちに終盤まで進む超ハイペース進行が話題になりました。両者の事前準備の深さと広さに感嘆しつつも、濃厚な終盤戦が味わえるこれまでの展開となっています。
■5度目の角換わり
9時に豊島九段の先手で対局開始となりました。永瀬王座が10手目に角交換し、戦型は角換わりとなりました。今期の王座戦はこれまで、千日手局を合わせて本局を含めすべて角換わりになっています。お互いの研究と意地のぶつかりあいが見て取れます。
同じ角換わりとはいえ、形は毎局違います。本局は豊島九段の腰掛け銀から早めに自陣角を設置して相手の攻めを牽制すると、永瀬王座は右玉に構えました。これは守備的な陣形で、相手の攻めを待って迎え撃とうという姿勢で、先手が仕掛けられなければ千日手を目指そうというものです。
■豊島九段、仕掛ける
こうなるとお互いに細かい動きを繰り返しながら戦機をうかがう展開となります。永瀬王座は待ちの姿勢を鮮明にしていますので、豊島九段がいかにして戦端を開くかが最初のポイントとなります。
11時45分頃、ついに頃合い良しと見て豊島九段が仕掛け、ここで昼食休憩となりました。
昼食休憩までの手数は77手と、前局に続きハイペース進行ではありますが、これまでの対局とは異なり、局面はまだ中盤戦の差し掛かり。これからお互いの力のこもったねじり合いが期待されます。
本局の持ち時間はチェスクロックで各5時間。決着は本日夕方から夜になる見通しです。
大石祐輝(将棋情報局)