カシオから2022年10月発売予定となっているアウトドアウオッチ「PRO TREK」と、メタルウオッチ「OCEANUS」の新製品を実機写真とともに紹介しよう。PRO TREKには従来のデザインから大きく印象を変えた完全新作、OCEANUSには蒔絵モデルの新デザインが登場した。
PRO TREKの新境地を開く「PRW-6900」
PRO TREKの新作は、マルチバンド6(世界6局の標準電波)対応の電波ソーラー搭載モデル「PRW-6900」だ。見やすいビッグフェイスと幅広いシーンで活躍する「Climber Line」のコンセプトはそのままに、「荒々しいアウトドアスタイル」をデザインのテーマに掲げている。
SS(ステンレススチール)製のベゼルは、薪割り用の斧をイメージ。側面を削ぎ落とした、シャープなエッジを思わせる。ということは、ダイヤルの(砂地のような)テクスチャーは、斧の地金部分のイメージ……かと思ったら、ダッチオーブンの鋳鉄(ちゅうてつ)のイメージとのこと。
10時位置のインダイヤル針は、サバイバルナイフを模している。秒針はオレンジのグラデーションとして、焚き火の揺れる炎を表現した。
ラインナップは3モデル。シルバーのベゼルとブラックダイヤルの「PRW-6900Y-1JF」と、ブラックベゼルにゴールドのアクセントの「PRW-6900Y-3JF」は、環境に優しいバイオマスプラスチック素材のソフトウレタンバンドを採用。
一方、ブラックベゼルにオレンジのアクセントの「PRW-6900YL-5JF」は、合皮バンドに難燃性の素材を使用。焚き火などで火の粉がかかっても燃え広がりにくいのが特長だ。
ケースサイズは49.6×44.8×14.7mm。重さは「PRW-6900Y-1JF」と「PRW-6900Y-3JF」が65g、「PRW-6900YL-5JF」は63g。見た目のインパクトに比べて意外なほど軽く、装着感も軽快なことに驚く。
もちろん、方位、高度・気圧、温度を計測可能なトリプルセンサーVer.3を搭載。気圧傾向グラフ表示や、急激な気圧変化を知らせる気圧傾向インフォメーションアラーム付きだ。10気圧防水や-10℃の耐低温仕様をはじめ、見やすいSTN液晶、針退避機能、フルオートダブルLED ライト(スーパーイルミネーター)といった高い実用性も備える。価格は各68,200円。
螺鈿(らでん)の水流と蒔絵のしぶき! OCEANUSの限定モデル「OCW-S5000MB」
OCEANUSのプレミアムライン「Manta(マンタ)」から、革新と日本の伝統工芸の融合をテーマとし、蒔絵の美しさをまとった「OCW-S5000MB-1AJF」が登場。本作は、2022年6月に登場した限定モデルOCEANUS Manta「OCW-S5000ME-1AJF」に続く、いわゆる「蒔絵のオシアナス」の最新作だ。
蒔絵とは、金粉や銀粉等で絵や模様を描く伝統技法。従来の蒔絵モデルに続き、開発と製造には京都の伝統工芸士、下出祐太郎氏が協力している。
OCW-S5000ME-1AJFは、滝から水が勢いよく流れ落ちしぶきが舞っている情景をイメージ。ベゼルとダイヤルのオシアナスブルー、そして蒔絵で表現したデザインは、下出氏が「蒔きぼかし抜描瀧文(まきぼかしぬきがきたきもん)」と命名。使用したプラチナ粉も、きらめきを追求してさまざまなサイズを検討したという。なお、すべて下出氏の手作業で製造しているため、まったく同じものはひつとして存在しないのも魅力だ。
サファイアガラスベゼルの2時位置と8時位置を境にした、ブルーからブラックへのグラデーションには蒸着を使用。ケースとバンドはTIC(チタンカーバイド)処理。ケースは一部DLC処理されている。
ダイヤルには「水が勢いよく輝きながら落ちていく情景」を白蝶貝で表現。その手法は、蒔絵の手法「螺鈿(らでん)」をヒントに独自開発した。
マルチバンド6対応電波時計とBluetoothを利用したスマートフォンリンク機能を搭載するなど、機能や性能はベースモデル「OCW-S5000」と同様。世界限定1,200本で、価格は275,000円。