旬の食材であるさつま芋。最近では季節に関係なく焼き芋ブームが再熱し、専門店が全国に増えていますが、秋になると甘くて素朴な味わいの芋が恋しくなりますよね。そこで今回は、芋の味わいを生かした進化系スイーツと今一際注目を浴びる「をかしなお芋 芋をかし」でちょっと変わった芋スイーツをリサーチしてきました。

老舗和菓子屋がプロデュース「をかしなお芋 芋をかし」

  • 「をかしなお芋 芋をかし」の様子

老舗和菓子屋が手がける進化系和スイーツブランド「大三萬年堂HANARE」が監修する芋スイーツ専門店の「をかしなお芋 芋をかし」。印象に残る店名は、“趣がある”“面白い”などの意味を持つ古語の「いとをかし」と芋をかけ合わせたもので、「いとをかし」の感性を芋で表現していくという思いが込められているのだそうです。

下北沢駅東口から徒歩2分ほどの場所にある店舗は、打ちっぱなしの外観でテイクアウトをメインにしたつくり。ここでは契約農家「ヒゲ農園」の「完熟さつまいも」という熟し芋を使用した芋スイーツを購入することができます。

■メニュー
・をかしな芋パフェ 焦がし“ぽんぽん”のせ(¥980)
・恋来、飲む焼き芋(¥650)
・ぷっくり芋ブリュレ(¥630)
・をかしな芋けんぴ(エスプレッソ/黒蜜きなこ ¥450、ショコラ ¥500)
・焼き芋をこし(¥400)
【数量限定】
・をかしなお芋の枯山水“芋庭”(¥3,000)
・糖蜜焼き芋サンド(¥650)
【夏季限定】
・夏芋のモンブランかき氷(¥950)
・しゅわっと金魚ポンチ(¥600)
※内容と金額は取材当時のものです。

その場ですぐ食べたくなるものから、ギフトにちょうど良いのお菓子など、芋の味わいを様々な形で楽しむことができます。

この中から看板メニューである「をかしな芋パフェ 焦がし“ぽんぽん”のせ」と、気になっていた「恋来、飲む焼き芋」を注文してみました。

  • 左:「をかしな芋パフェ 焦がし“ぽんぽん”のせ」、右:「恋来、飲む焼き芋」

どちらも少し揺らしたら溢れてしまいそうなほど、容器いっぱいに盛り付けられていました。黄色と紫のさつま芋カラーと白のコントラストが美しく、フォトジェニックな見た目で胸が高鳴ります。まずはドリンクの「恋来、飲む焼き芋」からいただくことにしました。

「恋来、飲む焼き芋」

  • 「恋来、飲む焼き芋」(650円)

黄芋、紫芋を豆乳で合わせたドリンクが層になり、その上にホイップクリームやみたらしソース、さらに芋バター餡のお団子と芋チップスがトッピングされています。ドリンクとして販売はされていますが、食べ応えまでしっかりとありそう。

さつま芋というと、ねっとりとまろやかで重い印象がありますが、実際に飲んでみると芋ならではの甘さとコクを感じつつもすっきりとした後味でゴクゴクと飲めてしまう……まさに新感覚のドリンクです。みたらしソースと一緒に飲むと、甘じょっぱさが芋と絡まり、和の味わいを楽しめます。

トッピングされたお団子は弾力の強いモチモチとした食感で、その上にのった芋バター餡は、芋らしいねっとりとした食感ながらも意外にもあっさりとしていました。芋チップスはパリッとした歯応えで、そのまま食べても、ディップして食べてもドリンクのアクセントとなりました。

全体的に芋の味わいを存分に楽しみながらもすっきりとしていて、途中で飽きることなく、最後まで飲み干してしまいました。1杯でお腹いっぱいになるほど満足感のある、まさに“飲む焼き芋”です。

ストローには、遊び心のあるおみくじが結ばれていました。「をかしな恋みくじ」はバリエーションがあるので、ドリンクを飲みながら楽しむこともできます。

  • まさかの大吉!

「をかしな芋パフェ 焦がし“ぽんぽん”のせ」

  • 「をかしな芋パフェ 焦がし“ぽんぽん”のせ」(980円)

“ぽんぽん”と呼ばれるマシュマロがモンブランの上にのった、可愛らしいフォルムのパフェで、受け取る直前に、バーナーを使って目の前で“ぽんぽん”を炙ります。

お芋らしい甘みを感じながらも後味はすっきりとしたモンブランに、とろシュワな“ぽんぽん”が絡まります。“ぽんぽん”の中には芋クリーム、パフェを食べ進めていくと、紫芋アイス、黒糖ゼリー、大豆グラノーラ、煎り黒豆、ホイップクリームなど、たくさんの食材が入っており、様々な食感と味わいを楽しむことができます。

添えられているのは、福井県産の「とみつ糖蜜芋」という、糖度は驚異の40度超えで、まるで芋ようかんのようなねっとりと香り高い安納芋のスティック。クリームやアイスをディップすると、一味違う芋の味わいを楽しむことができます。

芋と様々な和の食材の組み合わせを味わえる、ボリュームのあるスイーツでした。

手土産にオススメは「をかしなお芋の枯山水“芋庭”」

出来立てのスイーツも魅力的ですが、テイクアウトや手土産には高級感のある「をかしなお芋の枯山水“芋庭”」もオススメです。

  • 「をかしなお芋の枯山水“芋庭”」(3,000円)

紫芋のモンブランクリームで砂紋を表現し、糖蜜焼き芋を景石に見立てた、枯山水をイメージしたスイーツです。モンブランクリームの下には、わらび餅と「とみつ糖蜜芋」が敷き詰められ、軽やかなクリームが重なっています。

  • 大きくカットされたわらび餅

黒豆や金箔がトッピングされ、見ているだけでも上品さが伝わる「をかしなお芋の枯山水“芋庭”」は、舌触りなめらかな繊細な味わいなクリームがベースとなり、とるけるほど柔らかなわらび餅、ねっとりと濃密な「とみつ糖蜜芋」との相性は抜群で、思わず笑顔になる上品な仕上がりを堪能できます。

  • ゴロゴロとした「とみつ糖蜜芋」は濃厚な味わい

芋とわらび餅という斬新な組み合わせですが、どちらもとろけるような上質な舌触りと濃厚さを味わえるので、手土産にしてみんなでシェアしたくなるスイーツでした。

秋になり、さつま芋を使ったスイーツやドリンクをよく見かけますが、ここまでアレンジされた芋スイーツはまさに新感覚のものばかりでした。どこか懐かしいのに、新しい芋の味わいを堪能することができました。近くに立ち寄った際には、季節の味わいを試してみてくださいね。

■information
店舗名:をかしなお芋 芋をかし 下北沢
営業時間:11:00〜20:00(不定休)
住所:東京都世田谷区北沢2-12-15