既報の通り、米Intelが現地時間の9月27日、Raptor Lake-SことデスクトップPC向け「第13世代Intel Coreプロセッサ」を正式に発表した。あわせて、その対応チップセットとなる「Intel 700 シリーズ」の上級モデル「Intel Z790チップセット」も発表した。ともに10月20日から市場投入を開始する。

  • Intel第13世代Core、Raptor Lakeのラインナップ一覧とZ790チップセットの構成

    Raptor Lakeこと「第13世代Intel Coreプロセッサ」と「Intel Z790チップセット」が正式発表され、情報公開がはじまっている

第13世代Coreのラインナップ一覧

13世代Core (Raptor Lake)と第12世代Core (Alder Lake)を比較すると、最大動作クロックが5.8GHzと、Alder Lakeの5.2GHzから大きく引き上げたほか、コア数やキャッシュメモリを増量。実行性能はシングルスレッド時で最大15%、マルチスレッド時で最大41%向上したとしている。

なおRaptor Lakeでも、Alder Lakeから採用された、高性能コア(P-core)と高効率コア(E-core)を組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを採用する。P-coreはAlder Lakeの「Golden Cove」を改良した「Raptor Cove」へ更新、E-coreは「Gracemont」を継続。製造プロセスはAlder Lakeから採用された「Intel 7」だが、Raptor LakeのIntel 7は「改良版」とされている。

  • P-coreをRaptor Coveコアへ刷新。Golden Coveコアから動作上限や効率を向上、キャッシュも増やした

  • Core i9-12900Kと比べ最大41%の性能向上。同等の電力消費で並べても37%の向上とされ、電力あたり性能の効率改善もアピールしている

最上位モデルは「Core i9-13900K」で、24コア/32スレッド(P-core×8コア+E-core×16コア)、キャッシュメモリはL2合計32MB、L3合計36MB、最大動作クロックは5.8GHz、統合グラフィックスに32EUのIntel UHD 770を内蔵する。「Core i9-13900KF」はその統合グラフィックス無し版だ。今回はCore i9、i7、i5にそれぞれ1モデルずつ、統合グラフィックスの有無でそれぞれに「K」と「KF」をラインナップしている。

モデル i9-13900K i7-13700K i5-13600K
コア数(P+E) 24(8+16) 16(8+8) 14(6+8)
スレッド数 32 24 20
L2キャッシュ 32MB 24MB 20MB
L3キャッシュ 36MB 30MB 24MB
Pコア最大クロック 5.8GHz 5.4GHz 5.1GHz
Pコアベースクロック 3.0GHz 3.4GHz 3.5GHz
Eコア最大クロック 4.3GHz 4.2GHz 3.9GHz
Eコアベースクロック 2.2GHz 2.5GHz 2.6GHz
統合GPU UHD 770 UHD 770 UHD 770
GPU EU数 32 32 32
PCIeレーン数 20 20 20
ベース電力 125W 125W 125W
最大電力 253W 253W 181W
対応メモリ DDR5 5600/DDR4 3200 最大128GB
モデル i9-13900KF i7-13700KF i5-13600KF
コア数(P+E) 24(8+16) 16(8+8) 14(6+8)
スレッド数 32 24 20
L2キャッシュ 32MB 24MB 20MB
L3キャッシュ 36MB 30MB 24MB
Pコア最大クロック 5.8GHz 5.4GHz 5.1GHz
Pコアベースクロック 3.0GHz 3.4GHz 3.5GHz
Eコア最大クロック 4.3GHz 4.2GHz 3.9GHz
Eコアベースクロック 2.2GHz 2.5GHz 2.6GHz
統合GPU 無し 無し 無し
GPU EU数
PCIeレーン数 20 20 20
ベース電力 125W 125W 125W
最大電力 253W 253W 181W
対応メモリ DDR5 5600/DDR4 3200 最大128GB
  • Intel第13世代Coreのラインナップ一覧。「K」と「KF」の違いは統合GPU機能の有無

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Intel Z790チップセットの構成

第13世代Coreに対応する「Intel Z790」チップセットは、前世代のZ690から主にPCI Express 4.0のレーン数を増やしている。ソケットはIntel 700シリーズでも前世代からLGA1700を継続。ソケットの互換性が残されたため、Intel 600シリーズでもBIOSアップデートなどで第13世代Coreを利用できる公算が大きい。

Z790 Z690
PCIe 3.0 レーン数 8 16
PCIe 4.0 レーン数 20 12
DMI x8 Gen4 x8 Gen4
SATA 3.0 (6Gb/s) ポート 8 8
USB 3.2 Gen 1x1 (5G)ポート 10 10
USB 3.2 Gen 2x1 (10G) ポート 10 10
USB 3.2 Gen 2x2 (20G) ポート 5 4
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