リクルートは9月22日、「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」の結果を発表した。同レポートは3月29日~30日、20~65歳の就業者1万3,240名を対象に行われた調査結果から、20~59歳の正社員・正職員7,804名の回答に着目し、集計したもの。
現在、正社員・正職員として働いている20~59歳の男女7,804名のうち、転職経験者の割合は51.2%。年代別にみると、20代ですでに4割弱(37.4%)を、30代(52.8%)で半数を超えており、40代(59.9%)〜50代(58.0%)では6割弱と安定していることから、40歳くらいまでに転職活動を終え、おおむね6割程度が転職を経験してきたと要約できる。
他方、転職活動すらしたことがない人の割合は、40代(32.1%)、50代(35.8%)でも3割強と根強く安定しているが、その一方で、転職経験者は転職を重ねる傾向にあるよう。転職回数を見ると、20代では転職1回が転職経験者の62.6%を占めるのに対して、50代では3回以上が約半数を占めるなど、日本の転職市場は両極化してきている可能性がうかがえた。
今後の転職意向について聴取したところ、転職意向は年代が高くなるほど低くなる傾向にあるが、それでも、50代の約4割が転職を考えているよう。転職経験状況別にみると、転職未経験者の転職意向約5割に対して、転職経験者は約6割。しかしながら、転職未経験だが転職活動実施者では、年代に関わらず転職未経験で活動未実施者よりも、転職意向が高いことがわかった。
在職中に転職先を探す方法(オン・ザ・ジョブ・サーチ)は、転職活動に割くことのできる時間に制約がかかるものの、好条件の転職先が見つけられない場合には在職し続けることができるという利点もある。しかしながら、転職先に入社するタイミングについて聞くと、「現在の勤務先が決まってから、前の勤務先を退職した」(38.5%)よりも、「前の勤務先を退職した後に、現在の勤務先が決まった」(44.1%)が上回る結果に。転職先が決まる前に前職を離職したものは、年代に関わらず4割を超えた。
また、転職活動開始から入社までの期間を教えてもらったところ、20代の転職者平均で3.5か月、50代では4.2か月と、転職経験豊富な転職者が増えるにつれて増加する傾向に。「前の勤務先を退職した後に、現在の勤務先か決まった」転職者においては、入社までの期間が6か月以上かかっている者が2割を超えた。