AVIF(AV1 Image File Format)とは、動画フォーマット「AV1」の技術をもとに開発された高圧縮率の静止画像フォーマットです。非営利団体Alliance for Open Mediaを中心に開発され、AppleやGoogle、Netflixなどの企業が採用を表明、スマートフォンやPC、デジタルカメラなどでの普及が期待されています。

その最大の特長は、同等画質のJPEGと比較して最大95%以上サイズ削減可能という高い圧縮率にあります。Android 4.3以降/iOS 14以降でサポートされたWebPよりさらに高圧縮率とされ、WEBページに使用される画像データを小さくするとともに、転送データ量低減や転送速度向上の効果が期待されます。

データ圧縮は、不可逆圧縮(ロッシー)にくわえて可逆圧縮(ロスレス)も選択可能です。アルファチャンネル(透過)もサポートされるためPNGの代替として使用できるほか、GIFのようなアニメーションにも対応します。HDR(High Dynamic Range)もサポート、高輝度・広色域を実現します。

スマートフォンではシステムレベルでの対応が進められ、iOS 16とAndroid 12で正式にサポートされます。iOS 16を例にすると、Safari(WEBブラウザ)や写真アプリなどシステム標準装備のアプリがAVIFに対応するほか、多くのサードパーティ製アプリでもAVIFイメージを表示できるようになっています。

ただし、圧縮率が高いぶん既存の画像フォーマットよりエンコード/デコード処理に時間を要します。IC/ハードウェアレベルでのAVIFサポートが本格化するのはこれからという事情を踏まえると、JPEGやPNGのように身近な存在になるまでにはしばらく時間がかかりそうです。

  • iOS 16とAndroid 12でサポートされる高圧縮率画像フォーマット「AVIF」※画像中の写真はGithubより