最近のプレミアムオーブンレンジは美味しく調理できて当たり前。美味しくて時短につながる製品が注目されています。パナソニックのスチームオーブンレンジ「ビストロ」シリーズは、豊富な時短メニューを搭載していることで人気です。8月末にはフラッグシップモデル「NE-UBS10A」が発売され、どこが進化したのか? 実機をチェックしてきました。
「下段」蒸し焼きメニューで冷凍食品もそのまま美味しく調理
ビストロシリーズの上位モデルは、特徴のひとつに「ヒートグリル皿」の存在があります。ヒートグリル皿は、底面にフェライトと呼ばれる磁性体を用いた調理用のお皿。フェライトは電子レンジのマイクロ波を吸収して発熱する特性があるため、電子レンジ調理でも「焼き目」を付けられるんです。
ビストロシリーズは、庫内天面に大火力の平面ヒーター「大火力極め焼きヒーター」を搭載しています。食材の上面は平面ヒーター、食材下面はヒートグリル皿(からの発熱)によって、食材をひっくり返さず両面に焼き目を付けられる仕組みです。
両面焼きモードも便利ですが、NE-UBS10Aにはヒートグリル皿を使った「蒸し焼き」というメニューもあります。下面だけ焼き目を付け、上面はスチームで蒸すという調理法です。両面焼きが両面グリルでの調理だとすれば、蒸し焼きメニューはフライパン調理といえます。
NE-UBS10Aでは、この蒸し焼きメニューが進化しました。従来モデルにも蒸し焼きメニューはあったのですが、ヒートグリル皿を必ず庫内の上段にセットする必要がありました。
一方、新しいNE-UBS10Aは蒸し焼きメニュー時にヒートグリル皿を庫内の下段にセットします。これによるメリットは2つ。ひとつは、下段にセットすることでヒートグリル皿に高さのある食材を乗せられるようになったこと。たとえば、野菜たっぷりの焼きうどんなども作れるようになりました。フライパンでは調理しにくかった4人分の麺料理やご飯料理を一度に調理できます。
もうひとつのメリットは、電波効率が従来比で約1.6倍にアップし、フェライト(ヒートグリル皿)の範囲全体を最高230℃の高火力でムラなく加熱できるようになったこと。しかも余熱いらず。人気の冷凍餃子も美味しく仕上がります。加熱時間は20分ほどと、フライパン調理よりも時間はかかります。とはいえ、調理中に放置しておけること、失敗なく調理できることを考えれば、メリットの多い調理方法ではないでしょうか。
人気のワンボウル調理はエスニックメニューに対応
パナソニックのビストロシリーズでは、耐熱ボウルに材料を入れて料理を選ぶだけの「ワンボウル調理」も人気です。耐熱ボウルだけで加熱から味付けまで完結するため、調理後の洗い物が少なく、さらに加熱時間や加熱温度はビストロが自動調整するので失敗もありません。庫内を分割センシングし(64エリア)、火加減を調整しながら加熱するビストロならではの機能です。
パナソニックの調査では、「普段はあまり作らないが家庭で作ってみたい料理ジャンル」の第1位はアジア・エスニック料理。なんと半数以上のユーザーがアジア・エスニック料理を選択したそうです。そこでNE-UBS10Aは、ワンボウル調理に「エスニック」メニューを追加。鶏肉のレモン蒸し(モロッコ風)や、厚揚げのチリ炒め(インドネシア風)といった料理を作れるようになりました。
と、ここまでは既存機能の進化でしたが、まったく新しい機能として「食器清潔」コースも追加されました。哺乳瓶や耐熱素材の弁当箱などを、スチームとヒーターで加熱除菌する機能です。約20分加熱し、さらに約20分かけて冷却。運転終了後はすぐに手で触れる温度になる安全仕様です。
今回のモデルチェンジ、従来モデルからNE-UBS10Aへのおもな進化点は、蒸し焼き機能やワンボウル調理機能の強化です。機能そのものは従来モデルも備えていたので、正直大きく変わった印象はありません。
ただ、たっぷりの野菜を使える蒸し焼き機能は、多くの家庭でかなり重宝しそう。肉と野菜と麺をヒートグリル皿に乗せるだけで主食や主菜を一品作れるので、たとえば子どもの長期休みで毎日の昼ごはんに悩んでいる家庭など、調理にも時短にも便利に使えるのではないでしょうか。