ビオフェルミン製薬は9月21日、「乳酸菌+ビタミンの悪玉菌抑制効果に関する研究データ」の結果を発表した。それによると、乳酸菌と3種のビタミンを摂取することで、悪玉菌を減らすことができるという。
悪玉菌とは、善玉菌が糖をエサにして増殖する(発酵をうながす)菌なのに対し、悪玉菌はたんぱく質をエサにして増殖する(腐敗をうながす)菌。ただし悪玉菌といっても、身体の健康を維持するために必要な役割も果たしているため、悪玉菌を0にするのではなく、善玉菌優位な腸内フローラのバランスが重要といわれている。
同研究における試験方法は、悪玉菌(腐敗産物産生菌Morganella morganii)に乳酸菌(ビフィズス菌・ラクトミン)及びビタミンC、B2、B6を添加、試験液体培地に接種し、37℃で12時間培養した後、生菌数を算出。対照群は悪玉菌に対照品配合菌を添加した。
その結果、悪玉菌に乳酸菌+3種ビタミン(C、B2、B6)を投与することにより、悪玉菌数は約1/13に抑制されることがわかった。
悪玉菌が増えるということは腸内環境が悪化している状態。腸の中を腐敗させて、アンモニアや硫化水素などの有害物質を発生させ、便秘や下痢、免疫力低下を招くという。この有害物質を体外へ排出する経路の1つとして皮膚も利用されるため、肌荒れの原因にも。
そこで、肌荒れモデルマウスに乳酸菌(ビフィズス菌・ラクトミン)及びビタミンC、B2、B6を3週間経口投与し、液体クロマトグラフィー法を用いて血中腐敗産物であるパラクレゾール量を測定。対照群は同じ条件で対照品配合菌を3週間経口投与後に測定した。
その結果、乳酸菌+3種ビタミン(C、B2、B6)は、肌のトラブルを引き起こす血中腐敗産物量を減少させる傾向にあることが明らかに。さらに、VAPO SCANを用いて右腹側部の経皮水分蒸散量を測定したところ、この乳酸菌+3種ビタミン(C、B2、B6)は、肌荒れモデルマウスの皮膚から失われていく水分量を減少させていることも認められ、肌のバリア機能により潤いが保たれている状態と考えられる結果となった。
乳酸菌とビタミンを摂取することで、悪玉菌の増殖を抑制できることがわかったが、乳酸菌とビタミンをどのように増やせばいいのか。それには、2つの方法があるという。
一つ目は、「食べ物やサプリから摂取する」こと。食事だけでは補えない栄養素は、サプリを上手に利用するといいとのこと。
2つ目は「腸内細菌に作ってもらう」という方法。ビタミン添加による乳酸菌数の増加を調べる研究(ビフィズス菌・ラクトミンといった乳酸菌を試験液体培地に接種し、37℃で12時間培養した後、生菌数を算出。ビタミンあり群は培養前にビタミンC、B2、B6を添加した)によると、ビタミンを添加することによって、ビフィズス菌が約1.8倍、ラクトミンが約2.2倍にまで増加することが確認された。
乳酸菌などの善玉菌はビタミンを使って増殖するだけでなく、ビタミンを増やす働きもあり、ビタミンを使って善玉菌が増えると悪玉菌の増殖も抑制されるという。