インテルは2022年9月21日、クラウド事業に対する説明会を開催。クラウド活用が遅れている日本の中小企業のクラウド利用と今後のDX/DcX促進のためにSaaS事業者に対する「インテル SaaS Market Acceleration Program」を今年第4四半期から実施することを発表しました。

  • インテル「日本の中小企業にもDX/DcXを促進」、SaaS事業者向けの新施策を説明

    左からインテル株式会社 DCAI セールス クラウド・ソリューション・アーキテクト 松田貴成氏、インテル株式会社 代表取締役社長 鈴木国正氏、インテル株式会社 執行役員 インダストリー事業本部 本部長 張磊氏の三名が説明した

日本の中小企業の半数がクラウド未活用。SaaS事業者支援を通じて生産性向上を支援

インテル株式会社 代表取締役社長 鈴木国正氏は、不確実性が増している現在の社会環境下において、DXやDcXを利活用することでビジネスモデルから変革を行い課題を解決するという取り組みがある事を紹介。

大企業の約8割がクラウドをすでに活用しているものの、日本の企業の99.7%を占める中小企業でクラウドを活用しているのは半数を切っているという現状を踏まえ、日本の社会市場を支えている中小企業の生産性向上と発展のために貢献したいと今回の施策の意義を説明しました。

そこで「インテルSaaS Market Acceleration Program」を実施。中小企業が利用するSaaS業者をビジネス、技術の両面で支援します。

  • インテルはユーザー企業のDX/DcX推進のためにクラウド市場を促進する戦略

  • 日本のパブリッククラウド市場は5年で2.3倍と大きく成長を見込んでいる一方、中小企業はIT人材と知識不足に加えてセキュリティ懸念が大きい

  • 中小企業がクラウドを利用する場合、SaaSとなるのでSaaS事業者を支援することで中小企業のクラウド化を促進するのが今回の施策の狙い

具体的な支援策に関してはインテル株式会社 執行役員 インダストリー事業本部 本部長 張磊氏とインテル株式会社 DCAI セールス クラウド・ソリューション・アーキテクト 松田貴成氏が説明しました。

中小企業におけるDX推進、クラウド活用のハードルとなっているのは中小企業にIT人材やIT知識が不足している事に加え、セキュリティコストに懸念にあると判断。

  • 大企業ならば人材もそろっているうえ、ハイタッチサポートも可能だが、数が膨大な中小企業に関してはSaaS事業者を通じての支援となる

  • 今回の施策の背景は日本独特の社会構造に起因するため、クラウド促進によって労働生産性を向上させようという

そこでクラウドとしてまず利用しやすいSaaS事業者に対して、2022年第4四半期からクラウド市場と認知度の拡大と新規顧客の確保のためにインテルが主催するイベントや外部イベントへの参加機会を提供するとともに、中小企業のマッチメイキングといったビジネス促進活動を実施。

さらに2023年からは希望するSaaS事業者を広く募り、ビジネス促進活動に加えてインテル製品のテクノロジーセミナーや、インテルIT部門の運用から生まれたクラウド最適化支援、クラウドにおけるLinuxカーネルのパラメーター変更スクリプト提供などテクニカル・アドバイザリー技術支援と活動を強化する予定となっています。

そこでビジネス促進活動としてスマートキャンプ株式会社と日本のSaaS市場の成長を支援する目的で協業を行い、共同でイベント等のマーケティング活動を実施することに合意したと来年までの活動内容を紹介しました。

  • SaaS事業者にはまずイベントやユーザーマッチングを通じてビジネスを促進、来年は技術支援を加える

  • 具体的にはイベントへのSaaS事業者を参加させ、さらにインテルの顧客層へのマッチングで営業機会を増やす。来年はセミナーやインテルの持つノウハウの提供を行う。今回の説明会では具体的な言及がなかったがSaaS事業者は窓口にコンタクトすることになる

  • ビジネス促進のイベントマーケティングを行うためにSMARTCAMPと合意している

今回の施策の規模感として、鈴木社長はSaaS事業者を支援することで日本独特の産業構造となっている中小企業を下支えする新しい着眼点であるので確実に成果を上げたいと回答。

ギガクラウドもSaaSを提供するなど、クラウドのエコシステムは複雑なのは承知しているが、いままで注力していなかったSaaS事業者を支援することによって中小企業のDX/DcX化の推進を行いたいと今回のプロジェクトの意義を語っていました。