よしながふみ氏の人気コミック『大奥』を原作とするドラマが、2023年1月よりNHK総合のドラマ10で放送される。このたび「8代・徳川吉宗×水野祐之進編」に中島裕翔、冨永愛、風間俊介、貫地谷しほり、片岡愛之助が出演することが発表された。

  • 左から片岡愛之助、冨永愛、中島裕翔、風間俊介、貫地谷しほり

将軍・家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こしたよしながふみ作『大奥』。ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を大胆な世界観で鮮やかに描いた傑作コミックを原作にドラマ化する。

脚本は、『JIN-仁-』『ごちそうさん』『おんな城主 直虎』などを生み出してきた森下佳子氏。“男女逆転・大奥”の世界に新しい息吹を吹き込み、壮大で豪華絢爛な映像世界で描くとともに、時代をこえる普遍的なまなざしで人々の悲しみ、愛、葛藤に寄り添い、今なお困難な時代を生きる人々の心に勇気を届ける。これまで映画や民放ドラマで映像化されてきたが、3代将軍・家光編から物語のラスト・大政奉還までの物語を映像化するのは今回が初めてとなる。

「8代・徳川吉宗×水野祐之進編」は、貧乏旗本の息子・水野祐之進は幼馴染の薬種問屋の跡取り娘・信と添い遂げることが叶わぬなら…と大奥入りを決意。そして、紀州徳川家から将軍となり、幕府の逼迫した財政を大胆に再建しようとしていた吉宗から、大奥で最初に声がかかる。しかし、将軍の最初の相手である「ご内証の方」は死なねばならぬと知り……という物語。

水野祐之進役を中島裕翔、徳川吉宗役を冨永愛、杉下役を風間俊介、加納久通役を貫地谷しほり、藤波役を片岡愛之助が演じる。役どころの説明とコメントは以下の通り。

■中島裕翔(水野祐之進役)

江戸の貧乏旗本の息子。武芸に秀で、眉目秀麗な心優しき青年。幼なじみのお信に恋をしているが身分違いで夫婦にはなれず、彼女への想いを断ち切るため、そして家計を助けるために大奥入りする。8代将軍・吉宗に見初められ、将軍の最初の夜伽相手である「ご内証の方」に選ばれる。

[コメント]
水野は見た目とは裏腹にいつも周りの人のことを考え、人の為に何かできないと考える心優しい青年。それが故になんでも自分で背負い込もうとする漢気を見せる部分もあります。そんな彼が生きる時代はある病が流行っているという今と似ているシチュエーション。現代にも通ずる点があると思いました。現代を生きる我々が抱える様々な悩みや不安。そこに勇気を持って立ち向かうような水野の姿をお届けできればと思います。

■冨永愛(徳川吉宗役)

紀州徳川家の2代藩主・徳川光貞の3女。姉2人が急死したことで藩主に就任し、財政再建に努める。その後、徳川幕府8代将軍となり、未曾有の財政難に陥る徳川幕府の命運を背負うことに。「質素倹約」を掲げ、様々な改革に乗り出す。そして、すべての出来事が記録された「没日録」の存在を知り、男女逆転の謎の解明と“赤面疱瘡”撲滅に尽力していく。

[コメント]
約260年も続いた徳川の歴史は、日本の礎となっています。その壮大な歴史が、よしながふみさんにより、現代の私たちにとって、他人事とは思えない様々な問題を浮き彫りにした「大奥」となり、初めて拝読した時、大きく心を動かされました。そんな素晴らしい作品に出演させていただくことになり、大変光栄に思っております。さらに吉宗という歴史にもこの作品の中でも鍵となる名高い名君を演じることになり、心躍ると同時に身が引き締まる思いです。「大奥」のファンの方々、そして新たに観る方々にとっても、納得のいく吉宗であるように精進してまいります。私もこれからの撮影が楽しみで仕方ありません、どうぞ皆さま、お楽しみに!

■風間俊介(杉下役)

御三の間の一人で、大奥で仕えて10年経つ古参。18歳で婿入りしたが子ができず離縁され、貧しい御家人の実家に帰ることも出来ず大奥に入る。水野を何かと助け、彼の御中臈昇進に伴い身の回りの世話係を務めることに。その後、吉宗に温厚で真面目で忠実な人柄を買われ、彼女を支えていく。

[コメント]
この切なく、儚く、強く、美しい物語の一部になれることを嬉しく思います。 『事実は小説より奇なり』と言いますが、僕は、人が思い描く物語が好きです。人が作るフィクションの力を信じたい。 それと同時に、歴史の面白さも知っています。その二つが美しく折り重なった作品『大奥』 皆様に喜んで頂けるよう努めようと思います。

■貫地谷しほり(加納久通役)

吉宗の幼なじみで、紀州時代から吉宗に仕える片腕的存在。穏やかな性格で一見おっとりしているように見えるが、実は非常に切れ者で、吉宗のためならば非情な決断さえもためらわない。藤波をはじめとする大奥の難敵とも渡り合い、その生涯を吉宗に捧げる。

[コメント]
よしながふみさんの原作マンガをいつも楽しみに読んでいました。今回、森下佳子さんの脚本という事、そして時代劇といえば、時代を作ってきた男の物語が多いですが、今回は男女逆転!とても面白そうという事で参加させてもらう事になりました。加納久通役たのしみたいと思います!

■片岡愛之助(藤波役)

7代将軍・家継の代に大奥総取締となり、吉宗の代も留任。華美を好む野心家で、その手で大奥を牛耳り、吉宗と対立していく。水野を内証の方にするべく、将軍の側室候補である“御中臈”へと昇進させる。

[コメント]
長年温められた企画とのことで、この「大奥」に携わらせていただけること、また三度演出の大原拓さんにお声がけいただけたこと大変光栄です。将軍吉宗とは対立する藤波ですが、彼なりの正義があったと思います。しっかりと藤波を勤め上げ、作品に少しでも深みを加えられればと思っております。