日頃着物を着る習慣がなくても、成人式や大学の卒業式などで一度は着物を着たことがある人も多いことでしょう。和装用のバッグは小さものが多いので、「モノがあまり入らない!」と困った経験のある人もいるのでは?

ところが、ほぼ毎日着物を着ているという京都の扇子屋・大西常商店の若女将である大西里枝(@RieOhnishi)さんは“着物そのもの”になんでも入るといいます。

なんでも入るんよ、着物。(@RieOhnishiより引用)

  • (@RieOhnishiより引用)

着物を着るとき、どこに何を入れているのかを表現したこのイラスト。胸元に名刺やスマホを入れるのはともかく、袂(袖の下部分)にゴミまで入れているとは驚きです。この投稿が8.9万件もの「いいね」(9月19日時点)を集めているのは、それだけ「こんなに色々なものが入るとは……!」と驚いた人が多いことの表れでしょう。

リプライや引用リツイートでは、「胸元にはパスケースで電車もスムーズ。たまに、お太鼓に手拭い入れたり、荷物整理する前に冊子物を入れたりしちゃいます」「坊さんも一緒です」「祇園で仲居やってます。外国の方に身体中からいろんなモノが出てくると驚かれ笑顔にできます」と、着物を着るさまざまな職業の人々から共感の声が続々。

「着物がこんなに収納できるとは」「なるほど。だから和装の人はバッグ小さいんだ」など、着物を着る習慣のない人からの驚きの声も相次ぎました。

着物に大切なものを収納して落としてしまうことはないのでしょうか。このツイートをした大西さんに、着物の「収納事情」をうかがいました。

「なんでも入るんよ、着物」、投稿者に聞いてみた

――今回のイラスト、投稿されたきっかけを教えてください。

ほぼ毎日着物を着ているのですが、毎回洗濯機にかける際に「袖からごみ出した!?」と夫から問い詰められており、「そういえばめっちゃゴミ入れてるな」と思ったのがきっかけです。

――「着物はポケットがない」と思っていたのですが、収納力に驚きました! 納める場所が沢山ありますが、領収書や名刺を胸元に入れているのはなぜでしょうか?

領収書は折りたくないので胸元に差し込んでいます。名刺は最もスムーズに出せるという理由で胸元に入れています!

――入れたものが落ちてしまったり、帯が緩んでしまったりすることはありませんか?

和式トイレで何度かスマホを落下させています。使用後だったので泣きながら洗いました(防水)。帯はちゃちゃっと結び直せばいいので、そこまで苦労していません!

――今回の投稿には大きな反響が寄せられていますね。

「あるある」というお声が多くてしめしめと思っていますが、和装に親しんでいない人からすると結構びっくりなようで、反応していただいてうれしいです!小さなお子さんがいらっしゃる方は「オムツを帯の中に忍ばせていた」など猛者の方々もいらっしゃって、まだまだ精進せねばと思っています(笑)


さまざまなものが入る帯。大西さんは、朝から散々探した車のキーが帯に入っていたということもあったそう。まるでブラックホールのようです……。

今回、普段着物を着ない人にとっては新鮮な着物の「収納事情」が明かされました。今後街で和装の人を見かけたら、「あの中には何が入っているんだろう?」と想像してしまいそうですね。