京都大学・白眉センターの有松亘特定助教授らの研究チームは、小天体が木星大気圏に突入することで発生する衝突閃光である「火球」現象の撮影に成功したと9月13日に発表した。これまでに観測された衝突閃光の中で、太陽系史上最大のものだという。
研究チームは、10月15日、約5.5秒の「火球」現象を小型観測システム「PONCOTS(ポンコツ)」で観測することに成功した。「PONCOTS(ポンコツ)」は、木星観測のために、2021年9月から京都大学吉田キャンパス施設屋上に設置、運用していた。
同研究チームによれば、今回の木星に突入した小天体は30メートル規模で、推定質量は約4,000トン。木星に突入した小天体は約8,000度に熱せられて光ったとのこと。閃光が放つ運動エネルギーは、約2メガトンのTNT火薬に相当するのだとか。過去に地上から観測した閃光現象と比較しても10倍程度大きく、1908年に発生したシベリア上空で隕石が大爆発を起こした「ツンガースカ大爆発」に相当する規模だという。
今回の調査は、木星に衝突していると推定される太陽系外縁部の小天体が豊富に存在することを示唆している。また、地球のような大気を持つ天体への小天体衝突のリスクに関する新たな知見を与えるものだとしている。
ネット上では「神秘的な色の宝石と煌めくダイヤのよう。美しすぎる」「すごい!」「木星の大きさは地球の11倍くらいだから、写真の火球がどのくらいの大きさか想像するだけでドキドキします」などの声が寄せられた。