米NVIDIAは9月20日(現地時間)、「NVIDIA GTC」で新グラフィックス製品「GeForce RTX 4000」シリーズを発表し、その中で超解像技術の新バージョン「NVIDIA DLSS 3」を発表した。『サイバーパンク2077』など35以上のゲームタイトルがサポートを予定しており、ゲームエンジンのUnityやUnreal Engine 4 / 5でも対応する。

  • 「NVIDIA DLSS 3」発表! “力ずく(brute-force)”のレンダリングより4倍高速

NVIDIA DLSS(Deep Learning Super Sampling)は、Turing世代のGeForce RTX 2000シリーズから使えるようになった同社独自の超解像技術。ネイティブ解像度よりも小さい解像度でレンダリングし、そのあと映像出力の解像度まで引き伸ばすというのもので、DLSSでは独自のRTコアとTensorコアを活用している点が大きな特徴。GPUの負荷を低減してパフォーマンスを高められ、高解像度な環境でも高いクオリティ設定でゲームプレイを行える。

今回、新アーキテクチャ「Ada Lovelace」を採用するGeForce RTX 4000シリーズで「DLSS 3.0」へと進化。同シリーズが搭載する第4世代RTコアと第3世代TensorコアでAI性能を更に高めたほか、シェーダーコアに新しく内包する「オプティカルフローアクセラレータ」を活用している点がポイント。これによって「オプティカルマルチフレーム生成」という新機能を搭載している。

オプティカルマルチフレーム生成は、ただピクセルを生成するだけ(解像処理を行うだけ)ではなく、全く新しいフレームを生成することすら可能な新しい機能。DLSSで生成したフレームとDLSSの超解像フレームと組み合わせることで、最終的にはなんと表示ピクセルのうち8分の7を再構築し、DLSSを使用しない場合と比較して最大4倍のフレームレートでゲームをプレイできるという。NVIDIAはこの機能について、下記のように解説している。

オプティカルフローアクセラレータは、ゲーム内の2つの連続した画像を解析することで、フレームに表示されているものの従来のゲームエンジンのモーションベクトルではモデル化されていないオブジェクトや、要素のモーションベクトルデータを計算します。これにより、AIがパーティクル、リフレクション、シャドウ、ライティングなどの要素をレンダリングする際の視覚的な異常が劇的に減少します。
ゲームからの超解像度フレームのペアは、エンジンとオプティカルフローの両方のモーションベクトルとともに、畳み込みニューラルネットワークに送られます。このネットワークはデータを分析し、ゲームでレンダリングされた各フレームに対して追加のフレームを自動的に生成するもので、リアルタイムのゲームレンダリング向けには初めてです。

DLSS 3はDLSS 2を拡張する形で実装されるため、ゲームの開発者はDLSS 2対応タイトルでかんたんにDLSS 3をサポートできるという。また、DLSS 3にはNVIDIA Reflexも組み込まれており、反応速度とシステム遅延の減少にも貢献する。DLSS 3へのサポートを表明しているのは下記の通り。

  • A Plague Tale: Requiem
  • Atomic Heart
  • Black Myth: Wukong
  • Bright Memory: Infinite
  • Chernobylite
  • Conqueror's Blade
  • サイバーパンク2077
  • Dakar Rally
  • Deliver Us Mars
  • Destroy All Humans! 2 - Reprobed
  • Dying Light 2 Stay Human
  • F1 22
  • F.I.S.T.: Forged In Shadow Torch
  • Frostbite Engine
  • HITMAN 3
  • Hogwarts Legacy
  • ICARUS
  • Jurassic World Evolution 2
  • Justice
  • Loopmancer
  • Marauders
  • Microsoft Flight Simulator
  • Midnight Ghost Hunt
  • Mount & Blade II: Bannerlord
  • Naraka Bladepoint
  • NVIDIA Omniverse
  • NVIDIA Racer RTX
  • PERISH
  • Portal With RTX
  • Ripout
  • S.T.A.L.K.E.R 2: Heart of Chornobyl
  • Scathe
  • Sword and Fairy 7
  • SYNCED
  • The Lord of the Rings: Gollum
  • ウィッチャー3 ワイルドハント
  • THRONE AND LIBERTY
  • Tower of Fantasy
  • Unity
  • Unreal Engine 4 & 5
  • Warhammer 40,000: Darktide