R65は9月15日、「高齢者(65歳以上、以下「高齢者」)向け賃貸に関する実態調査」の結果を発表した。同調査は8月10日、全国の賃貸業を行う不動産管理会社に勤務、もしくは経営する860名を対象に、インターネットで実施した。
管理戸数全体に対する「高齢者の入居可能な賃貸住宅」の割合について聞くと、25.7%が「全くない」と答えた。
管理戸数規模別に見ると、管理戸数3,000戸以上の不動産会社は「ない」が6.7%に対して、管理戸数3,000戸未満の不動産会社は30.5%が「ない」と答えている。管理戸数が少ない不動産会社ほど「ない」割合が著しく高かった。
「高齢者の入居可能な賃貸住宅」の割合が80%以上の不動産会社は、全体では16.2%、管理戸数3,000戸未満では14.2%、管理戸数3,000戸以上では23.9%だった。
直近1年間で、年齢を理由に高齢者の入居を断ったことがあるか聞くと、28.3%が「ある」と答えた。全体の6割以上(64.3%)は、高齢者の入居に不安を抱いていることもわかった。
高齢者の入居後に「実際にトラブルがあった」割合は、57.3%だった。「入居前の不安」と「入居後のトラブル」との比較では、どちらも「孤独死による事故物件化」が最も多い(入居前の不安77.80%、入居後のトラブル56.25%)。
一方で、「入居前の不安」で2番目に多かった「死後の残置物の処理」(52.0%)は、「入居後のトラブル」においては3番目に多かった(37.5%)。「入居前の不安」で3番目に多かった「家賃滞納」(34.6%)は、「入居後のトラブル」においては2番目に多くなっている(42.6%)。
「今後の高齢者、賃貸住宅への受け入れ」について聞くと、38.3%が「高齢者の受け入れを積極的に行うべきだ」と回答し、「全くそう思わない」は4.19%にとどまった。46.5%は「どちらとも言えない」と答えている。
高齢者の受け入れを強化すべき理由を自由回答で答えてもらったところ、「高齢化が進み、受け入れざるを得ない」「どうしても築年数が古い物件は若い人は好まないので、空室をなくすために必要」「誰かが受け入れないと物事が進まない。誰もが老うことであり、誰もが受け入れるべきだと感じたため」といったコメントが寄せられた。