人生における最大の買い物の一つであるマイホーム。購入費用が高額になるだけに、住宅ローンを利用する人は多い。

その際に、頭金を入れるか入れないか、入れるとすればどのくらいの金額が適切なのか、悩む人もいるかもしれない。月々のローン返済額や返済期間の長さにも大きく影響するだけに、自身の経済状況などと照らし合わせて慎重に検討することが重要だ。

そこで今回は、「持ち家」に住んでいるマイナビニュース男女会員502人を対象にアンケート調査を実施。「住宅ローンの頭金について、後悔していること」などを聞いた。

  • 住宅ローンの頭金、後悔していることはある?

Q.あなたは住宅ローンを利用していますか? ※過去に利用したことがある場合(返済済など)は、「はい」をお選びください

「はい」(56.4%)
「いいえ」(43.6%)

Q.住宅ローンを利用する際、頭金は入れましたか?

「はい」(82.5%)
「いいえ」(17.5%)

Q.頭金を入れなかったために後悔していること、頭金を入れたために後悔していることがあれば教えてください(自由回答)

■「頭金を入れて後悔」

■「頭金を多く入れすぎた」

・「頭金を多くしたため毎月の負担が少なくなったのは良かったが、支払いはじめはお金がなくって、生活が大変だった」(54歳男性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「一時的とはいえ手元にお金がなくなったために、たまたま入り用ができてやりくりが大変だった」(42歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「手持ちのお金を頭金に充当したため車の買い替えが出来なく、長い期間乗ることになった」(43歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
・「頭金が少ないと審査や契約に落ちると聞いたので、少し多く設定したら預金が少なくなり、今もかなり大変な状態になっています」(53歳男性/電力・ガス・エネルギー/営業関連)
・「頭金入れ過ぎて、生活費のキャッシュフローで窮屈な思いをした」(54歳男性/総合商社/営業関連)
・「頭金多すぎで、ローン控除をもう少し利用すべきだった」(49歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門職関連)
・「住宅ローン減税のことを考えると、もう少し入れない方が良かった」(42歳男性/銀行/営業関連)
・「子どもたちが成長するにつれて、お金がかかることばかり。焼け石に水ぐらいの頭金。住宅ローンか大学の奨学金か?、どちらが多く残るかの問題。人生、なかなか逆転は難しいかと。15年の住宅ローン控除がなくなる月日を思い浮かべながら思う、今日この頃」(54歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「支払い額を少しでも減らしたいと多い頭金を支払いましたが、そのために生活費に貯めた貯金を切り崩して住宅ローンの頭金に使いました。後々急な出費がある時期があり、当てにしていた貯金を切り崩して他のことに使ってしまったので大変でした。結局、親からまとまったお金を融通してもらい、その時は何とかやりくりをすることができました」(55歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)

■「頭金をもっと入れればよかった」

・「頭金が少額なので、住宅ローンが永遠に続きますからね」(50歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「もう少し頭金に余裕あったけど、不安で頭金を低く入れたので、もう少し入れたら良かった。後悔」(43歳女性/百貨店/事務・企画・経営関連)
・「分かってはいたことだが、頭金が少なかったので後のローンが長くなった」(53歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「頭金が多ければ多いほど返済は楽になったはずなので、資金をためておく金額が多い方が良い」(45歳男性/教育/事務・企画・経営関連)
・「もう少し入れられたが、安全を見た設定にしたので直ぐに繰り上げ返済する事になった」(48歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「生活が厳しくならない程度の額にしたつもりですけど、節約生活が苦にならない性格なので、むしろもっと多く入れても良かったと思った」(43歳男性/食品/販売・サービス関連)
・「ずっと低金利が続くと思っていたので、あまり頭金を入れませんでした。昨今の欧米諸国の金利上昇の動きから、日本もそのうち金利アップがあり得るのではと思っており、もっと頭金を入れておけばよかったと思っています」(53歳男性/輸送用機器/事務・企画・経営関連)

■「頭金を入れなければよかった」

・「本来なら頭金なしで全額ローンにしたかった」(44歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「フルローンにしたかったが、少しでもいいから入れないと審査が危ういと言われ、かき集めて入れた」(51歳女性/専門商社/事務・企画・経営関連)

■「頭金の適性額がわからない」

・「どのくらいの頭金が相場なのか、良く調べればよかった」(46歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「自分なりに考えて頭金の額を決めたが、未だに頭金の適正額は分からない」(53歳男性/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)

■「その他」

・「頭金を入れたため、想定より高額の物件に手を出してしまった」(39歳男性/サービス/専門職関連)
・「頭金というか、手数料や外装工事やその他のものをローン以外で支払った。ローンが高くなりすぎなかったから、よかったと思う」(37歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「頭金を入れたことには後悔はないが、その後大きな病気をしてまとまったお金が必要になったときは大変だった」(42歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「コロナ禍で給与が下がったので、返済が不安」(52歳男性/食品/事務・企画・経営関連)
・「頭金を入れなかったため後悔してることは色々ありますが、多すぎて書ききれないというのが現状です」(42歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「頭金を入れず後悔」

■「その後の返済がたいへんだった」

・「毎月の返済額が高い」(45歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「返済に時間がかかった」(39歳女性/教育/専門サービス関連)
・「月々の返済額がやっぱり大きくなったことかな」(51歳男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)
・「早くて返したいから、頭金用意すればよかった」(36歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「蓄えがなくて頭金が用意できず、返済額が増えてしまった」(45歳男性/繊維・アパレル/販売・サービス関連)
・「初めに少しでも入れておいた方が後々楽だったんじゃ無いかな?、と思いましたが、急に契約を決めたので何も勉強しておらず無知なままでした」(52歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「元々家を建てる計画はなかったのですが、再婚を期にアパートを探しても家賃が高かったので家を建てることにしたので、頭金を入れる貯蓄はありませんでした。今思えば少し蓄えて頭金を入れていたらローンの期間も短く、老後の心配も軽くなったのではないかと思います」(42歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「特に後悔している事はありませんが、頭金を用意出来たら月々がもっと楽だとは思いました」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■総評

住宅状況が「持ち家」のマイナビニュース男女会員に住宅ローンの利用の有無を聞いたところ、利用している人は半数以上の56.4%だった。そのうち住宅ローンの利用時に頭金を入れた人は、8割を超える82.5%となった。

「頭金を入れなかったために後悔していること」、あるいは「頭金を入れたために後悔していること」をそれぞれ聞いた。

まず、「頭金を入れて後悔していること」に関しては、「頭金を多く入れすぎた」「頭金をもっと入れればよかった」が非常に多く寄せられた。また、その他のコメントとしては「頭金を入れなければよかった」「頭金の適性額がわからない」などが挙がっている。

頭金のメリットとして、金額が大きければ大きいほどその後の返済額や返済期間が圧縮される。その一方で、頭金を入れることで手持ち資金が減少し、急な出費への備えなど生活の安定性が損なわれるというデメリットがある。

今回、「頭金を入れて後悔していること」として寄せられた「頭金を多く入れすぎた」と「頭金をもっと入れればよかった」では、上記のメリット・デメリットの間で揺れる思いがうかがわれる。ローンを組んだあとの金利や経済状況、自身の収入の変化などの変数を考え合わせると、頭金の適正な額というのはかなりの難問といえるだろう。

また一部では、「頭金を入れたがとくに後悔はない」という意見も見られた。「とくにはない。生活に困らないくらいの頭金だった」(47歳男性/流通・チェーンストア/営業関連)、「頭金はきつかったが、ローンを早く終わらせるためには仕方なかった」(40歳男性/教育/専門サービス関連)、「頭金を入れた事で月々の返済額も無理がなく、後悔している事はない」(50歳女性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)など、納得の金額で頭金を入れている人も一定数いるようだ。

一方の、「頭金を入れなかったために後悔していること」はとてもシンプルだ。「その後の返済がたいへんだった」という意見が大多数で、「毎月の返済額が高い」「返済に時間がかかる」など頭金を入れることのメリットを実感する声が多く寄せられている。

さて、今回のアンケートはいかがだったろうか。多くの人が頭金の必要性・重要性に関しては理解はしているもの、果たして頭金を用意できるのか、その適正な金額はどのくらいかなどに頭を悩ませている実態がうかがえる。これから住宅を購入し、ローンを組もうと計画している人にとっても大いに参考となる結果となったのではないだろうか。

調査時期: 2022年8月23日
調査対象: 住宅状況が「持ち家」のマイナビニュース男女会員
調査数: 502人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません