日本語には美しい言葉がたくさんあります。
日常生活で使う言葉だけでなく、あまり見聞きしない言葉のなかにも、意味や響きが美しい日本語が存在します。
今回は、意味や響きが美しい言葉をご紹介します。
美しい言葉・綺麗な日本語【風景・自然】
ここでは、風景や自然を表す美しい言葉をご紹介します。
雨催い
雨催い(あまもよい)とは、今にも雨が降り出しそうな空の様子を指します。「雨模様」と同義です。
朧月夜
朧月夜(おぼろづきよ)とは、おぼろ月が出ている夜のことを指します。おぼろ月とは、靄や霧などで包まれてぼんやりとかすんで見える春の月のことです。
陽炎
陽炎(かげろう・ようえん)とは、春や夏の晴れた日に現れる、空気がゆらゆらと揺れて見える現象を指します。
空気が局所的に熱されて、密度が変化することで光の屈折率も変化し、光が不規則に屈折しながら通るためゆらゆらと揺れて見えるのです。
月光
月光(げっこう)とは、文字の通り月の光を意味します。
五月雨
五月雨(さみだれ)とは、旧暦5月頃(新暦6月~7月頃)に降る長雨のことで、おおむね梅雨のことを指します。夏の季語の一つです。
雪月花
雪月花(せつげっか)とは、文字通り雪と月と花のことです。四季の自然美として代表的な、冬の雪・秋の月・春の花を表しています。
蜃気楼
蜃気楼(しんきろう)とは、密度が異なる大気の中で光が屈折して虚像が見える自然現象を指します。春から初夏にかけて見られることが多いです。
黄昏
黄昏(たそがれ)とは、薄暗くなった夕方のことを指します。盛りを過ぎ、勢いが衰えていく頃を比喩的に表現する際にも用いられます。
徒桜
徒桜(あだざくら)とは、散りやすい桜の花のことです。転じて、儚いもののたとえを表します。
夏めく
夏めく(なつめく)とは、「夏らしくなる」という意味です。
花あかり
花あかり(はなあかり)とは、満開の桜の花によって、夜が明るく見える様子を表します。
花畑し
花畑し(はなぐわし)とは、花が美しい意味を表す枕詞です。「桜」や「葦」にかかります。
美しい言葉・綺麗な日本語【人の感情・様子】
ここでは、人の感情や様子を表す美しい言葉をご紹介します。
愛嬌
愛嬌(あいきょう)とは、にこやかで人懐っこく、可愛らしいことを表す言葉です。
恋衣
恋衣(こいごろも)とは、心から離れない恋のことで、身につける衣にたとえている言葉です。単に恋をしている人が着ている衣を指すこともあります。
恋煩い
恋煩い(こいわずらい)とは、恋するあまりに、悩んで病にかかったような状態になるさまを表します。
心化粧
心化粧(こころげそう)とは、相手によく思われようと改まった気持ちになり、言動に気を配ることを意味します。
天真爛漫
天真爛漫(てんしんらんまん)とは、純真で飾り気がなく、心のまま感情を表現し、明るく無邪気なさまを表します。
涙雲
涙雲(なみだぐも)とは、涙ぐんでいる状態を表します。泣きそうなときに、視界がぼやけて曇ったように見えることが由来の言葉です。
忍涙
忍涙(しのびなみだ)とは、文字通り忍び泣きの涙を表します。人に知られないように、ひっそりと泣くときの涙です。
破天荒
破天荒(はてんこう)とは、誰も成し遂げなかったようなことを試みることを意味します。本来の意味とは異なりますが、「豪快で大胆な様子」を意味して使用されることも多いです。
美しい言葉・綺麗な日本語【教訓】
ここでは、教訓になる美しい言葉をご紹介します。
桜梅桃李
桜梅桃李(おうばいとうり)とは、文字の通り桜・梅・桃・李(すもも)の花を表しますが、「それぞれが美しい花を咲かせるように、他人と自分を比べず個性を磨こう」という教訓も含んだ言葉です。
華麗奔放
華麗奔放(かれんほんぽう)とは、非常に華やかで、自分の思うままに振る舞うことを表します。
行雲流水
行雲流水(こううんりゅうすい)とは、雲や川の水のように、深く物事に執着せず、自然の成り行きに身をゆだねて行動するたとえを意味します。
疾風勁草
疾風勁草(しっぷうけいそう)とは、強い草なのかどうかは、激しい風が吹いたときに初めて分かるということから転じて、苦難や困難な局面でこそ、その人の意志の強さが分かるという意味を表す言葉です。
夢幻泡影
夢幻泡影(むげんほうよう)とは、夢・幻・泡・影はどれもすぐに消えてしまうことから転じて、人生の儚さのたとえを表す四字熟語です。
美しい言葉や綺麗な日本語を知って心を豊かに
今回は美しい言葉をご紹介しました。
今回ご紹介した言葉のほかにも、響きや意味、文字の並びが美しい日本語はたくさんあります。ぜひ自分のお気に入りの言葉を見つけてみてくださいね。
美しい日本語にたくさん触れて、心を豊かに日々を過ごしていきましょう。