JR九州は15日、新D&S列車「ふたつ星 4047」の報道機関向け完成披露会を実施した。「ふたつ星 4047」は西九州新幹線開業に合わせ、9月23日にデビュー。武雄温泉~長崎間で1日2便、午前便は長崎本線経由、午後便は大村線経由で運転される。
新D&S列車「ふたつ星 4047(よんまるよんなな)」のトータルデザインマネージメントは水戸岡鋭治氏。今年3月に運行終了した「はやとの風」の2両(キハ47-8092・キハ147-1045)と、「いさぶろう・しんぺい」の予備車両だった1両(キハ140-2125)を使用し、大幅にリニューアルした。「はやとの風」の車体は黒、「いさぶろう・しんぺい」の車体は赤を基調としていたが、約5カ月の改造を経て、「パールメタリック」と呼ばれる白を基調とした車体に生まれ変わった。
あわせて車両番号も変更。1号車は「キハ47-8092」から「キハ47-4047」、2号車は「キハ140-2125」から「キシ140-4047」、3号車は「キハ147-1045」から「キハ147-4047」となり、3両とも「ふたつ星 4047」にちなんだ番号となった。2号車(キシ140-4047)に食堂車を示す「シ」を使用したことも特徴のひとつに挙げられる。
同列車のコンセプトは「西九州の海めぐり列車」。外観の基調色となるパールメタリックは、有明海と大村湾の水面に映える色として選ばれたという。水戸岡デザインの車両ならではの特徴として、金色のロゴとラインも車体の各所に配置している。ロゴマークは九州の観光における「スター」佐賀県と長崎県が並び立つ様子をイメージしたとのこと。
内装には木、銅、チタン、大理石といったさまざまな素材を使用し、それぞれの素材が持つ味わいと風合いを感じられる車内空間に。1・3号車は普通車指定席で、1号車の運転台側にBOX席、1・3号車の中央部に2人掛けソファのカウンター席、3号車の運転台側に1人掛けのカウンター席を設置。1号車に車いす対応座席・多機能トイレ等を設けた。定員は1編成あたり計87名とされている。
2号車は1両すべて共用スペース(指定席なし)の「ラウンジ 40(よんまる)」。ゆったりくつろげるソファや窓側に向いたカウンター席などを用意し、沿線の景色を楽しみながら過ごせる空間となっている。大きなカウンターテーブルのビュッフェもあり、客室乗務員が「ふたつ星 4047」オリジナル商品をはじめ、西九州エリアの特色を生かした「おいしいもの」を販売する。
車内販売に関して、午前便では佐賀県武雄市の「カイロ堂」が手がけた「特製 ふたつ星弁当」「4047弁当」(ともに事前予約が必要)を用意。午後便では長崎県長崎市の洋菓子店「ママン・ガトー」の熱々スフレをアレンジした「長崎スフレ」(数量限定、要事前予約)を販売する。他にもスイーツやおつまみ、ソフトドリンク、アルコール、土産品などをそろえた。
「ふたつ星 4047」は9月15日の報道機関向け完成披露会に続き、9月16日に一般向けの展示会が開催される。11時15分頃から博多駅、14時24分頃から佐賀駅、15時35分頃から武雄温泉駅で展示会を行い、各駅で「ふたつ星 4047」の外観を見学可能(車内への入場は不可)。運行開始日の9月23日、武雄温泉駅と長崎駅で出発式の開催も予定している。
9月23日以降、金・土・日・月曜日および祝日を中心に、午前便は武雄温泉駅10時22分発・肥前浜駅11時23分発・長崎駅13時15分着、午後便は長崎駅14時53分発・千綿駅16時30分発・武雄温泉駅17時45分着で運転される。全車指定席のため、乗車する際は乗車券と指定席特急券が必要。長崎本線経由の午前便を利用した場合、武雄温泉~長崎間の運賃・特急料金は計4,180円、江北(現・肥前山口)~長崎間の運賃・特急料金は計3,410円。大村線経由の午後便を利用した場合、長崎駅から武雄温泉駅までの運賃・特急料金は計4,500円となる。