アメリカ発のスマート家電メーカーVeSync(ウィーシンク)は9月15日、キッチン家電ブランド「COSORI」からノンフライヤーの新モデル「COSORI Lite3.8リットル SMARTノンフライヤー」(以下、COSORI Lite)を2種発売しました。メニュー設定や温度・時間調節などの本体操作がアプリからできる、コネクテッド機能を備えるモデルを用意します。

価格とラインナップは、コネクテッド機能付きのスマートモデルが16,980円、コネクテッド機能非搭載の通常モデルが12,980円。カラーはいずれもグリーンとグレーの2色。直販サイトやECサイトなどで販売する予定です。

COSORI Lite発表会で、実機を見たりCOSORI Liteで調理したトンカツなどを実食したりしてきました。

  • 今回発売したノンフライヤー「COSORI Lite」。新たにコネクテッド機能を搭載し、スマホアプリから本体操作や調理モニターが行えます

    今回発売したノンフライヤー「COSORI Lite」。新たにコネクテッド機能を搭載し、スマホアプリから本体操作や調理モニターが行えます

VeSyncは2011年に創立した米国発のメーカー。2015年に生活便利ツールブランド「Etekcity」、キッチン家電ブランド「COSORI」、空気・季節家電ブランド「levoit」の3つを設立し、スマート家電メーカーへと転身しました。2017年に日本進出、2020年12月に香港で上場し、Amazon.co.jpを主要な販売ルートとしています。

  • VeSyncのこれまでのあゆみ

COSORI Liteは、熱風で加熱し食材自体に含まれる脂を使って調理するノンフライヤー。空気を高速で循環させ、全方位から最高230℃の熱風を吹き付ける「360度高速空気循環技術」で、食材の内部まで加熱します。空気の出入り口である通気口は本体の背面上部に配置し、これによって本体サイズを抑えつつ空気の循環効率を向上させたといいます。

  • COSORI Lite。左がグレー、右がグリーン

  • 「360度高速空気循環技術」により調理バスケット内を高温に保ち、食品内部まで加熱

  • 本体背面の通気口。上段から空気を取り入れ、下段から排気します

温度は70℃から230℃まで、10℃単位で調節可能。ほとんど油を使わずに、大さじ1杯程度の量で揚げ物ができるほか、加熱する過程で出た余分な脂を、最大97%カットしてヘルシーに調理できます(油で揚げた場合との比較 SGS Test Report GZF22-020014-01,17 Jun 2022.)。時間の設定範囲は1~60分。

  • 最大97%の油をカットしたヘルシー料理を楽しめます

また、食材をひっくり返すタイミングを知らせる「シェイクリマインダ機能」を搭載。加熱温度・時間を調節する際に設定しておけば、タイミングを音声で知らせて、加熱ムラを減らせます。日本ブランドマネージャーであるRhea Liao氏に聞いたところ、大半のメニューはシェイクリマインダ機能を使い途中でひっくり返した方が、熱が食材へ効率的に伝わり、より美味しく仕上がるとのことでした。

  • 操作パネルは天面部に配置。下段中央にシェイクリマインダ機能用の「シェイク」ボタンを装備します

  • 日本ブランドマネージャー Rhea Liao氏

食材を入れる調理バスケット容量は3.8Lと大きく、4人分の料理まで作れます。独自開発した、食材の焦げ付きを抑える加工「CRISPFITテクノロジー」を、クリスパープレート(食材の下にセットして油を切る役割の板)と、調理バスケットの内側に施したほか、揚げ物の調理過程で発生する油跳ねもないため、後片付けが手軽です。両部品は丸洗いでき、食洗器にも対応しています。

  • 調理バスケットはそれほど力を入れなくてもスムーズに引き出せました

  • 食材の下にセットするクリスパープレート。こちらは四隅のゴムで調理バスケットにピッタリくっつく設計で、セットするのに若干力が必要です。Rhea Liao氏に聞いてみたところ、使っていくうちにスムーズに出し入れできるようになるとのこと

  • 製品内部は布巾などで汚れを拭きとって手入れします

細かな条件設定をせずに、最短で本体ボタンの3プッシュ操作により加熱温度と時間を設定できるプリセットメニューを、7種類搭載します。メニューのラインナップは「チキン」「ポテト」「ベーコン」「ステーキ」「予熱」「野菜」「保温」。なお、食材の大きさや好みに合わせて、手動での時間や温度の変更にも対応します。

目玉機能の「コネクテッド機能」! アプリ内には豊富なレシピが

コネクテッド機能は、専用アプリ「VeSync」と連携し、プリセットメニューの設定や温度・時間調節などの本体操作が、アプリからできるというもの。アプリでは発売時点で40種類以上のオリジナルレシピが閲覧できます。今後、定期的なアップデートで順次追加していき、最終的には150種類以上になる予定。一度使った加熱温度・時間の履歴確認や記録も可能です。

面白いのは、ペットとして飼っている犬用の調理メニューも用意してある点。発売時点で5~10種類、最終的には20種類の「飼い犬」用メニューがそろいます。犬と一緒に暮らしている方には注目の機能ですね。

  • 専用アプリ「VeSync」の「トンカツ」メニュー

  • 「この料理を作る」を押すと本体の「スタート」ボタンを押すよう案内が来ます

  • 調理中のアプリ画面

  • 飼い犬のためのメニューも搭載しています

本体サイズはW345×D275×H325mm、重さは約4.42kg(バスケット含む)。コネクテッド機能が追加され、容量も若干多くなりましたが、現行モデルである「COSORI 3.5L ノンフライヤー」(W340×D270×H310mm・重さ4.6Kg)と比較すると、ほとんど変化はありません。定格消費電力は1,230Wです。

  • COSORI Lite(グレー)正面

  • 側面

  • COSORI Lite(グリーン)正面

  • 側面

いざ実食! このトンカツ本当に油で揚げてない?

ここからは試食の時間です。新モデルのCOSORI Liteで調理したトンカツ、焼き鮭、焼き芋を食べ、その後に、COSORI Liteで茶葉を沸かして淹れたタピオカミルクティーも飲みました。

  • COSORI Liteで調理したトンカツ、焼き鮭、焼き芋

  • 肉の内側までしっかり火が通っているのがわかります

個人的に驚きだったのはやはりトンカツ。アプリのメニューに従って、小麦粉・卵・パン粉で作った衣の上に、刷毛(はけ)で大さじ1杯程度の油を塗って加熱(230℃で8分)したものをいただきました。1時間ほど経過したものだったため、若干「しなっと」はしていましたが、食感や味は完璧に揚げ物。油を大幅にカットしたものとは思えない出来栄えで、火も内部までしっかり通っていました。

  • COSORI Liteで茶葉を沸かして淹れたタピオカミルクティー。紅茶の味が強く感じました。なお、タピオカは別で調理が必要でノンフライヤー単体ではできません

ノンフライヤーの長所である「カロリーを気にせずに揚げ物や肉料理などを楽しめる」のに加え、洗い物やキッチン周りの掃除を減らしたり、アプリからセットして自動で加熱したりできるため、毎日の料理の手間を省けそうです。調理バスケットとプレートに、焦げ付きを防ぐ加工が施されているのも好印象。

実機の第一印象は、4人分のおかずを一度に作れることもあって、若干大型に感じ、調理のたびに出し入れするのは負担になると感じました。しかし、アプリメニューをみたところ、揚げ物調理できるほか、グリル、オーブン、トースター、電子レンジ(解凍含む)としても役立つため、特定の日だけ出して使うものではなく、電子レンジや炊飯器のようにキッチンに据え置きで使っていくものなのかなと思い至りました。

また、「飼い犬」用のメニューを作れるのも、犬を飼っているユーザーにとってはかなり便利な機能です。それほど場所を取らず、1台で調理が完結するため、自分や家族の料理は普通に作り、並行してペットのメニューはCOSORI Liteで、といった使い方も思い浮かびます。

個人的な印象では、ノンフライヤーを導入している家庭はまだ少ないと感じますが、今後、新しい選択肢の一つになりそうな1台です。