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【この記事のエキスパート】
フードアナリスト・日本箸教育講師:市岡 充重
2005年、朝日新聞地域情報誌のライターとして取材執筆活動をスタート。2014年、フリーライターとして独立、個人事務所iworks を設立。
2013年にフードアナリスト、及び日本箸教育講師の資格を取得し、以後、数々の飲食店や生産者、料理人を取材し、食にまつわる情報や食の魅力を高いレベルで発信。
2020年2月、エゾシカ産業に挑戦する北海道釧路市の人々の奮闘を綴った『北海道ジビエ物語』(シーソーブックス)を共著で出版。
おこわや赤飯、おはぎなどさまざまなレシピに大活躍するもち米。この記事では、もち米の選び方とおすすめ商品をご紹介。産地・品種ごとの特徴を比較しながら、用途に合うもち米を見つけましょう。保存に便利な少量タイプ、高級もち米のほか、美味しい炊き方も紹介します。
さまざまな種類を楽しもう!
もち米の魅力とは?
【エキスパートのコメント】
日常的に食べる「うるち米」に対して、おもちや赤飯、おこわなどに使われる「もち米」。お正月やお祝い事など、行事食に欠かせない食材として古くから親しまれてきました。
その名のとおり、もちもちとした粘り気と食感が特徴で、冷めてもおいしいのが魅力です。このもち米は、収穫年や産地のほかさまざまな品種があり、それぞれ異なる特徴があるので、用途や好みに応じて選びましょう。
腹持ちが良く栄養たっぷり!
もち米のカロリーや栄養効果について
もち米はカロリーが高く腹もちがいいだけでなく、健康的な食材です。ふだん食べているうるち米は100gあたり168kcalなのに対し、もち米は234kcalです。
また、うるち米にはたんぱく質のアミロースとアミロペクチンが約2:8の割合で含まれていますが、もち米はすべてがアミロペクチンでできています。アミロペクチンはねばりの元であるとともに、消化酵素が働きやすく、でんぷんの分解が早まります。
もち米にはフェルラ酸、GABA、食物繊維、イノシトールなどの成分が含まれ、健康維持が期待できる食材でもあります。
もち米の代表的な品種
もち米には「ヒメノモチ」「こがねもち」などさまざまな品種があります。また、有色もち米として黒米の「朝紫」、赤米の「つくし赤もち」などももち米の品種です。
もち米は、栽培する地域の気候風土に合った品種が数種類あり、奨励品種として選定されます。ここでは代表的な品種についてみていきましょう。
こがねもち|コシが強く煮物やお雑煮にぴったり
「こがねもち」はもち米の栽培が盛んな新潟県をはじめ、宮城県、福島県、岩手県、山梨県で作付されています。宮城県で作られているこがねもちは「みやこがねもち」と呼ばれ、その品質が高く評価されています。
昭和33年に奨励品種に採用されたもち米界のロングセラー品種。もち米らしいねばりやコシ、舌ざわり、歯ごたえのもっちり感などにすぐれたもち米の王様です。
ヒメノモチ|おこわや赤飯にぴったりなあっさり感
ヒメノモチは岩手県を中心に、山形県、千葉県、鳥取県、岡山県、広島県で作付が多い品種。「大系227」と「こがねもち」の交配品種で昭和47年に奨励品種に指定されました。高級もち米と称され、人気があります。
米粒が白く、もちに加工すると滑らかなコシが楽しめます。もち米のなかでは味わいがあっさりめなところも特徴。赤飯やおこわなどに向いています。
ヒヨクモチ|硬くなりにくくずっと美味しい
「ヒヨクモチ」は福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、静岡県、山口県、宮崎県など九州地方を中心に栽培されています。昭和46年に奨励品種に採用され、とくに福岡県では作付けされるもち米のうちすべてがこの「ヒヨクモチ」です。
炊いたあとでかたくなりにくく、もっちりとした食感が特徴的な品種。ふ先の色は褐色です。
はくちょうもち|炊飯器で炊けて和菓子にもぴったり
「はくちょうもち」は「たんねもち」と「おんねもち」の交配でできた品種。平成元年に推奨品種に指定され、以後北海道のもち米ブランドとして広く知られてきました。
炊飯器でも炊けるもち米として使い勝手がよく、一般家庭でもよく使われます。炊いたあとはやわらかさが持続し、ねばりも強いため、赤飯やおこわのほか、大福などの和菓子にも便利です。
風の子もち|コシとキメを楽しめる
「風の子もち」は収量性がよく、安定供給につながりやすいということから、もち米の生産が多い北海道でもっとも多く作付けされている品種です。「はくちょうもち」と「上系85201」から交配されました。
白度が高く、粒張りもよいうえに冷めてもやわらかく、ねばりが長持ちするのが特徴。もちにするとねばりやコシ、きめのこまかさが楽しめます。
わたぼうし|つやつやでしっかりとした粘り気
「わたぼうし」は新潟県で生産され「こがねもち」と人気を二分しています。
冷めたあとでもやわらかく、赤飯やおこわはもちろん、もちにする場合の加工性にもすぐれています。おもちにしたときの仕上がりが綿花の綿帽子のようだということから命名されました。
米粒がやや大粒で、炊きあがったあとの光沢や粒張り、ねばりにすぐれていて味、質ともに好評を得ている品種です。
おこわやおはぎに合う!
もち米の選び方
フードアナリスト・市岡充重さんに取材をして、もち米の選び方のポイントを4つ教えていただきました。
【1】収穫年度
【2】生産地
【3】サイズや値段
【4】有機JAS認証されているか
一つひとつ解説しているので、ぜひ、もち米選びの参考にしてみてください。
【1】もち米の収穫年度で選ぶ
もち米は8月下旬から10月上旬に収穫されるのが一般的で、収穫した年の12月31日までに精米・袋詰めされたもち米を「新米」と言います。また、新しく新米が出ると1年前のもち米は「古米」、2年前のもち米は「古古米」と呼ばれます。
新米の魅力はみずみずしさ。脱穀されたばかりの米はツヤがあり水分含有量も豊富です。もち米らしい光沢や香り、風味が味わえるのは新米の魅力です。
しかし、古米は水分が少ないため、水っぽくなりがちな新米よりもしっかり炊きあがる魅力があります。おこわのようにご飯の粒感を大切にしたい料理の場合は、古米が合っている場合もあります。
【2】もち米の生産地で選ぶ
もちとして販売されている商品は使用しているもち米の種類がわからないことも多いです。しかし、もち米はうるち米と同様に、土壌や水、気候などさまざまな要因により味とねばりが変わります。
また、もち米はタイやアメリカなどから輸入されているものも多いです。
こだわりの料理を作るためには、ぜひひとつひとつのもち米の味わいにもこだわって選びましょう。
【3】サイズや値段で選ぶ
もち米は重さをもとに量り売りされるため、一度に使い切れる量を買ったり保存用に多めに買ったりすることができます。同じもち米でも量に比例して値段が変わるので、予算が決まっている場合には目安にしやすいでしょう。
もち米の相場は1kgが500~1,000円程度、5kgは2,000~3,000円です。ただし、銘柄によって相場に差があります。
【4】「有機JAS認証」をうけているか確認しよう
もち米には、病害虫や雑草をのぞいたり、作物の生理機能を抑える目的などで農薬を使うのが一般的です。しかし法律の範囲で適切に使用されていても、商品には多少農薬が残ってしまうことが考えられます。生産者独自の努力でできるだけ農薬を使わない「有機栽培」や「減農薬栽培」などがおこなわれることもあります。
農薬の使用に対して国で明確な基準を設けているのが「有機JAS認証」。もち米や野菜のように1年生の作物は、種まきや植え付けの前、2年のあいだ化学合成農薬・化学肥料を使っていないことを条件に認定されます。これは毎年監査されているため、農薬が気になる場合にはJAS認証を目安に選ぶことができます。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)