自分がどこにいるのか、瞬時に緯度・経度を測定する「位置情報機能」。マップアプリで現在地を求めるときに使用されるほか、運動管理アプリにおける走行距離/経路の割り出し、リアルの地図に仮想マップを重ねてゲーム空間にする"位置ゲー"など、スマートフォンのいろいろな場面で利用されています

その位置情報機能が、iPhone 14 Pro/Pro Maxで強化されました。新たにサポートされた「高精度2周波GPS」により、従来の周波数帯と新たに追加された周波数の両方を出力するGPS衛星からの信号を受信できるようになったのです。

GPS衛星は複数の周波数帯を用い電波を発しており、これまでスマートフォンは「L1」と呼ばれる周波数帯(中心周波数は1575.42MHz)の電波を受信し、測位に利用してきました。iPhone 14シリーズでは、それにくわえて「L5」と呼ばれる周波数帯(1176.45MHz)を組み合わせた測位が可能になりました。

このL5のサポートは、日本のユーザにとって大きなメリットがあります。日本が打ち上げたGPS衛星「みちびき(準天頂衛星システム/QZSS)」は、L1にくわえL5の電波を発しているうえ、軌道が日本列島のほぼ真上のため、測位精度向上が見込まれます。反射信号や干渉に対する耐性が高まり、市街地/ビル街や山あいの地域で利用しやすくなることや、衛星システムに障害が発生したときの回避策としての役割も期待されます。

なお、L1とL5の2つの周波数帯に対応したスマートフォンは、すでに「デュアルバンドGPS」などのキャッチコピーで存在します。iPhone 14ではProとPro Maxのみの対応ですが、将来的には対応モデルが拡充されるのかもしれません。

  • iPhone 14 Pro/Pro Maxは「高精度2周波GPS」に対応しています