世の中にさまざまなローンがある中で、その金額の大きさや返済期間の長さから住宅ローンは別格だ。マイホームという人生最大の買い物をするあたって、多くの人にとってなくてはならない存在と言えるだろう。

それだけに、自身に適した住宅ローンを選ぶことはとても大切だ。みな、慎重の上にも慎重を期して検討していることだろう。ただ、それでも選択した住宅ローンに関して、「後悔する」ということはあるのだろうか。

そこで今回は、「持ち家」に住んでいるマイナビニュース男女会員502人を対象にアンケート調査を実施。「住宅ローン選びで後悔していること」などを聞いた。

  • 住宅ローン選びで後悔していることって?

Q.あなたは住宅ローンを利用していますか? ※過去に利用したことがある場合(返済済など)は、「はい」をお選びください

「はい」(56.4%)
「いいえ」(43.6%)

Q.住宅ローン選びで後悔していることはありますか?

「はい」(43.2%)
「いいえ」(56.8%)

Q.住宅ローン選びで後悔していることについて、具体的に教えてください(自由回答)

■「金融機関の比較検討・選択」

・「金利の低い金融機関を利用すればよかった」(41歳女性/サービス/専門職関連)
・「複数審査をお願いすればよかった」(50歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「住宅メーカーに任せていたため金利が高く、もっと調べて金利の安いところで借りればよかった」(46歳男性/その他メーカー/技能工・運輸・設備関連)
・「もっと各社を比較したり色々と勉強して、ちゃんとした知識を理解して決めればよかった」(44歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「もっといろんな情報を集めればよかった。親戚が働いている銀行だから仕方がないですが」(46歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「選ぶ余地なく三井住友銀行に連れて行かれたので、はたしてそれが正解だったのかな?、とモヤモヤした気持ちのままです」(52歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「銀行の中の部署同士の連携が出来ておらず、手続きに手間取った。銀行選びを間違えたと思う」(53歳男性/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「一つで決めてしまった。色々検討してみれば良かった」(38歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「借り換えの際に、もっとよい金融機関をたくさん検討すればよかった」(51歳男性/政府系・系統金融機関/公共サービス関連)
・「初めからネット銀行の住宅ローンにしておけば、さらに金利が安かった」(42歳男性/通信関連/IT関連技術職)
・「その頃はまだインターネットも普及してなかったので、調べもせずに言いなりで契約した」(46歳男性/設計/メカトロ関連技術職)
・「変動金利制だったが、切り替えの時に銀行員の言うがままに切り替えしたら、実は金利が高くされていた。その銀行の信用はゼロになった」(55歳男性/通信関連/公共サービス関連)
・「最初の工務店で指定されたので、他のところを探すという選択肢がありませんでした。他にしていれば、もしかしたらもっと良い条件の銀行があったかもと思うと後悔しています。やがてその最初の工務店との契約を破棄したので、益々、指定の銀行である必要がなくなりました。さらに厄介なことに、次に選択した工務店では、その銀行とは取引がなかったので、書類の申請など色々面倒な手続きが発生しました。審査が通ったのなら、何らかの事情があれば銀行を変えられるとか、銀行と工務店の取引がなくても引き継げるとか、購入者に安心して契約を進められる体制があると良いと思いました」(46歳男性/サービス/その他・専業主婦等)

■「各種ローン商品の比較検討・選択」

・「金利の低いローン探しに時間をかけるべきだった」(45歳男性/繊維・アパレル/販売・サービス関連)
・「もう少しだけ金利の低いローンを探したら、あったかもしれない」(51歳男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)
・「金利が安い時期だったので、もっと有利な借り方があったと後悔した」(50歳男性/公益・特殊・独立行政法人/事務・企画・経営関連)
・「共済会融資でなく、民間のローンを利用したほうが利率が低かった」(55歳男性/信託銀行/営業関連)
・「当初は返済額が少なく途中から返済額が多くなる方法にしたが、収入が思ったほど増えず返済の負担が増えた」(43歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
・「フラット35を選びましたが、それで良かったか半信半疑です」(53歳男性/電力・ガス・エネルギー/営業関連)
・「親がフラットにしろと言うからしてみたが、まさかずっーと低金利が続くとは……」(45歳男性/クレジット・信販/営業関連)

■「金利タイプの選択」

・「固定金利にしたが、変動金利のほうが良かった」(54歳男性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「固定金利にしましたが、本当に固定金利で良かったか少し疑問です」(49歳女性/食品/営業関連)
・「当時は金利が安く固定金利を選んだが、変動金利にしておけばよかった」(45歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「変動金利を選べば、もっと返済額が減らせたと思う点です」(53歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「日銀の大規模金融緩和がこれほどまでにしつこく、とんでもないものであると知っていれば変動金利を選択していて、返済額は大きく減ったと思う」(45歳男性/教育/事務・企画・経営関連)
・「こんなに超低金利が続くと思わず、変動型にしてしまったこと」(53歳男性/ビル管理・メンテナンス/技能工・運輸・設備関連)
・「変動金利にしたが、コロナ禍となり今後も不景気になりそうなのが不安」(37歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「さまざまな金利サービスを検討すれば良かった」(35歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)
・「金利の低いローンをもっと探したほうがよかったと思う」(44歳女性/教育/専門職関連)

■「ローン開始の時期や返済期間」

・「住宅ローンの金利を返す年数について後悔がある」(32歳女性/サービス/営業関連)
・「申し込みのタイミングが悪く、希望額の借入ができなかった」(44歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「金利が高い時だったので、あと10年後に借りれば良かった」(54歳男性/輸送用機器/営業関連)
・「会社の経営が悪くなりボーナスが出ないときもあり、そのときのやりくりが大変だったので、よく考えてすればよかった」(46歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「金利が高いときに住宅ローンを組んでしまい、後から借りた、支払いが進むにつれ金利が下がり続けて支払額や期間が少なくて済むようになる人に恩恵があり、苦労して借りた自分たちは損をしている現実が悔しいです」(55歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)

■「その他」

・「利率の低い住宅ローン会社の乗り換えが大変だった」(55歳男性/家電・AV機器/技能工・運輸・設備関連)
・「住宅を探したまでに既に疲労で、不動産屋さんを頼りにローン会社を淡々と決めたけど、もう少し親族などと話し合えば良かった。親族にも話をしてほしかったと言われたが、今さら変更できない」(43歳女性/百貨店/事務・企画・経営関連)
・「後悔していることは色々ありますが、多すぎて書ききれないというのが現状です」(42歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■総評

住宅状況が「持ち家」のマイナビニュース男女会員に住宅ローンの利用の有無を聞いたところ、利用している人は半数を超える56.4%だった。住宅ローンの利用経験者のうち、住宅ローン選びで後悔していることはある人は43.2%と、4割超が「住宅ローン選びで後悔している」と回答している。

住宅ローン選びで後悔していることについて、具体的に聞いた。主な回答として、「金融機関の比較検討・選択」「各種ローン商品の比較検討・選択」「金利タイプの選択」「ローン開始の時期や返済期間」などが挙がった。

このうち、「金融機関の比較検討・選択」「各種ローン商品の比較検討・選択」「金利タイプの選択」に関してはおおよそ、住宅ローンの金利タイプと、それを扱う金融機関や各種ローン商品の比較検討と選択に関する後悔と言える。

ご存じの通り、住宅ローンの金利タイプには「変動型」「固定期間選択型」「全期間固定型」の3つに大別される。このどれを選ぶかで返済額の総額や返済期間が違ってくるため、多くのローン利用者は頭を悩ますことになる。それぞれの金利タイプのメリット・デメリットを考慮して慎重に選んだつもりでも、やはり後悔は残るようだ。

この金利タイプの選択については、「日銀の大規模金融緩和がこれほどまでとは」「こんなに超低金利が続くと思わなかった」「コロナ禍となり、今後も不景気になりそう」など、先行きを見通すことの難しさを指摘する声が寄せられている。

また基本となる金利タイプの他に、各金融機関や、扱っている住宅ローン商品によっても満足感が異なる、ということもある。とくに金融機関に関しては、「住宅メーカーに任せていた」「親戚が働いている銀行だから」「調べもせずに言いなりで契約した」など、そもそも選択の余地がなかったという意見が多く見られた。

さて、今回のアンケートはいかがだったろう。たくさんのコメントが寄せられたが、その多くに共通するのは「事前の下調べの不足」だろうか。一生のうちでもっとも大きな買い物であるマイホーム。その購入にあたっては、十二分に勉強や検討を重ねたはずだが、それでもやはり後悔は残るようだ。

今回の結果は、これから住宅ローンを組むことを考えている人にとっても、大いに参考となる結果となったのではないだろうか。

調査時期: 2022年8月23日
調査対象: 住宅状況が「持ち家」のマイナビニュース男女会員
調査数: 502人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません