文章やメールを書くときによく使用する「また」という言葉、正しい意味や使い方を理解していますか?
本記事では、副詞としての「また」と接続詞としての「また」の、両方の意味と使い方を解説します。さらに「また」の類語・言い換えもあわせてご紹介するので、ぜひ目を通してください。
「また」の意味と使い方【副詞】
まずは、副詞として「また」を使うときの意味を解説します。副詞は自立語ではありません。主語にならず、あとに続く用言を修飾するものです。それを踏まえて5つの意味の使い方を把握しておきましょう。
1. もう一度繰り返す
ひとつ目は前の事柄をもう一度繰り返すときに使う方法です。「再び」という意味になります。
いつかまた一緒にお仕事させてください
2. ほかと同じ状態を表す
ふたつ目はほかの事柄と同じ状態を表すときに使う方法です。「同じく」や「等しく」という意味になります。
彼女もまた被害者である
3. 別の事柄をつけ加わる
3つ目は別の事柄をつけ加える方法です。「その上に」という意味になります。
美味しいものが多い秋はまた読書しやすい時期でもある
4. それと別であることを指す
4つ目はその事柄とは別であることを指すときに使う方法です。
今は時間がないのでまたの機会にお話ししましょう
5. 驚き・疑問を表す
5つ目は驚きや疑問を表すときに使う方法です。「それにしても」や「まったく」という意味になります。
またとんでもない偉業を成し遂げたものだ
「また」の意味と使い方【接続詞】
次は、接続詞として「また」を使うときの意味を解説します。接続詞とは自立語ではなく、先行する語・文節・文と後続する語・文節・文の関係を示したりつないだりする言葉です。それを踏まえて次の3つの使い方を把握しておきましょう。
1. 事柄を並列・列挙する
ひとつ目の使い方は、前の事柄を並列・列挙する方法です。「ならびに」と同じ意味で使います。
彼女は、掃除も洗濯も、また料理も得意で、家事は何でもできる
2. どれを選択してもいいとき
ふたつ目は、並列・列挙した事柄のうち、どちらを選択してもいいときに使う方法です。「または」や「あるいは」、「もしくは」という意味で使います。
出席は任意なので講義を受けてもいいし、また受けなくてもいい
3. 別の事柄を加える
3つ目は、別の事柄をさらに加えるときに使う方法です。「その上」という意味で使います。
彼は話がうまいだけではなく、また気遣いもできる
「また」の類語・言い換えと使い方・例文【副詞】
副詞としての「また」の類語・言い換えは以下の通りです。
再び(ふたたび)
同じ状態や動作を繰り返すことを指す「再び」は、「もう一度繰り返す」という意味での「また」の言い換え表現として挙げられます。
- 彼とどこかでまた会えることを願っている
- 彼とどこかで再び会えることを願っている
等しく(ひとしく)
「ふたつ以上の物事の数量・程度・形状・性質・状況に相違がない」「よく似ている」という意味の「等しく」は、「ほかと同じ状態を表す」という意味での「また」の言い換え表現として使用できます。
- 彼だけでなく、彼女もまた大切なメンバーだ
- 彼だけでなく、彼女も等しく大切なメンバーだ
更に(さらに)
「別の事柄をつけ加える」という意味での「また」は、「同じ事柄が加わったり重なったりするさま」を意味する「更に」に言い換えることができます。
- 誠実な性格で人気な彼はまたトークスキルも高いため顧客に気に入られている
- 誠実な性格で人気な彼は更にトークスキルも高いため顧客に気に入られている
「また」の類語・言い換えと使い方・例文【接続詞】
接続詞としての「また」の類語・言い換えは以下の通りです。
ならびに
「事柄を並列・列挙する」という意味での「また」は、前後ふたつの事柄をつなぐ言葉「ならびに」に言い換えられます。
- 関係者各位、またファンの皆様に深くお詫び申し上げます
- 関係者各位、ならびにファンの皆様に深くお詫び申し上げます
及び(および)
複数の事柄・物事を並列するときや、別の事柄・物事をつけ加えるときに使う「また」は、「及び」にも言い換え可能です。
- 私が全ての義務また責任を負う
- 私が全ての義務及び責任を負う
あるいは
列挙した事柄のどちらかを選択していい場合に使用する「また」は、「あるいは」「または」などに言い換えられます。
- イベント参加は義務ではないので、出席しても、また欠席しても構わない
- イベント参加は義務ではないので、出席しても、あるいは欠席しても構わない
その上(そのうえ)
別の事柄がつけ加わるときに使う「また」は、「その上」「さらに」などに言い換えられます。
- 彼女は優しいだけでなく、また話が上手で一緒にいると楽しい
- 彼女は優しいだけでなく、その上話が上手で一緒にいると楽しい
「また」は副詞と接続詞として使われる
「また」は主に副詞と接続詞として使われる言葉です。副詞としての使い方は5つ、接続詞としての使い方は3つあります。複数の意味があるので、この機会に覚えてください。
「また」の類語・言い換えも、副詞と接続詞で異なるのでそれぞれで覚えておくのがおすすめです。
「また」と言い換え表現を上手く使いこなして、表現の幅を広げていきましょう。