iPhone 14シリーズが発表されました。フロントデザインが「ノッチ」から「カプセル」に変わり、衛星通信に対応するなど多くの変化がある中で、「Bluetooth 5.3対応」も目を引きますね。iPhone 13シリーズまでの5.2とその差は0.1、あまり変わらない気も...いえいえ、見逃せない差があります。
その差とは「音楽再生時の効率」。次世代ワイヤレスオーディオの本命といわれる「Bluetooth LE Audio」の使用時、Bluetooth 5.3で導入された「Connection Subrating」によって消費電力節減など効率化を図れるのです。
Bluetooth LE Audioでは、音楽再生するとき「Connection Event」と呼ばれるタイミングに従い、一定間隔でデータパケットをやり取りします。音楽を再生するときはタイミングの間隔を狭めて転送データ量を増やす一方、停止しているときは間隔を拡げて省電力を図ります。しかし、その切り替え処理(Connection Update)には数秒を要するなど扱いにくい部分があり、改善が期待されていました。
Bluetooth 5.3で導入された「Connection Subrating」は、タイミングを一定に保ちつつも必要とあらばConnection Eventのスキップを可能にしました。Connection Eventの間隔を変えずやり過ごせるようになることで、消費電力を増やさず音楽再生/停止のクイックレスポンスを実現したのです。
2022年9月現在、iOS 16ではBluetooth LE Audio対応を明らかにしていませんが、最新のiPhoneでBluetooth 5.3をサポートしているということは...水面下で着々と準備が進められていると考えるのならば、オーディオガジェット好きにとってBluetooth 5.3対応はビッグニュースといえるかもしれません。