立教大学理工学部教授の村田次郎教授が、これまで世紀の謎とされてきた「カーリングはなぜ曲がるのか」について精密な画像分析によって最も合理的な答えを見つけたと9月5日に発表し、これがネットで話題になっている。

  • 実は未解明だった「カーリングが曲がる謎」、立教大教授が答えを導き出し話題に

    「カーリング石がなぜ曲がるのか」の合理的な答えが見つかったとか

カーリング競技で用いられるカーリング石は、「反時計回りに回転させると、進行方向に向かって左側に曲がっていくのはなぜか」という問題が1924年に提起されてから、様々仮説が立てられてきたが、十分な実験データが得られず、これまで解明に至らなかったという。

今回の村田教授の実験では、「4次元以上の高次元空間を探す目的のもとミクロンスケールで万有引力の法則を検証する実験の為に開発した、画像処理型変位計」を応用することで、ミクロン精度でカーリング石の精密な観測を行った。なお実験は、1998年に長野オリンピックが行われた軽井沢アイスパークで行われた。デジタルカメラと三脚のみというシンプルな機器を使い、村田教授が1人でカーリング石を投げて観測した122回のショット全ての運動の精密データを収集した。

そのデータを解析した結果、カーリング石の下面が氷と歯車のように噛み合って、旋廻する現象を観測。さらにカーリング石が進む速さが遅くなるほど動摩擦係数が大きくなるという性質を実測することができた。この動摩擦係数が、カーリング石に形成される摩擦支点の大きさに違いをもたらしていると分析した。

村田教授は、カーリング石が曲がるのは、速さの異なる右側と左側とで摩擦力が異なる「左右非対称説」とカーリング石の下面が氷と接触し旋廻する「旋廻説」の組み合わせだと結論づけたそうだ。

今回の発表に、ネット上では「教授さん一人でストーン投げ続けたんか」「投げた人の気合いで曲げてると思ってた」「なんとなく感覚的にわかるけど、それをしっかり説明する学者はすげーや」など声が寄せられた。