2021年4月に放送され、好評を博した東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』が帰ってくる(10月8日スタート毎週土曜23:40~)。大地真央演じる主人公・中島ハルコは“アラ還バツ2”の敏腕美容外科医で、無駄なことが大嫌い。そん度のない毒舌で出会った人間の無駄なプライドや悩みを斬っていく“令和の水戸黄門”だ。そんなハルコに翻弄されつつ成長していくグルメ雑誌編集者のアラフォー女子・菊池いづみ役は引き続き松本まりかが演じる。
第2弾では「日本のへそ」岐阜を舞台に、絶滅危機にある伝統文化を守るべく悪徳政治家や諦めている老人、無知な若者たちを相手にチームハルコが大暴れ。今回は大地と松本に、さらにパワーアップした同作の見どころや撮影での裏話を聞いた。
■第2弾では“オバハン”の部分がよりパワーアップ
――第2弾が決定したと聞いたときの感想を教えてください。
大地:第1弾で「元気がもらえた」、「スカっとした」という反響をいただき、「第2弾を是非!」というお声もたくさんいただいていたので、素直にとてもうれしかったです。
松本:視聴者の方の確かな支持を実感できた瞬間でした。作品を愛する皆さんと制作チームの熱意があって第2弾が実現したと思うので、そんな作品に携われていることがうれしいです。
――それぞれが演じるキャラクターのパワーアップしているところや魅力を教えてください。
大地:私自身も歳を重ねたので、“オバハン”の部分をよりパワーアップさせてさらにズバズバと斬っています。一方でハルコさんにも弱点や涙もろいところがあって、人間みを感じられるのも魅力。おせっかいなんですけど、世のため人のためという思いが根底にあるんです。「触らぬ神に祟りなし」な今の時代、なかなかこういう人はいないんじゃないでしょうか。
松本:第1弾ではハルコさんという初めて出会うタイプの女性にとにかく振り回されていたいづみが、今回はちょっと対等になって言い返す場面も。ハルコさんのエッセンスが血肉になって少し成長しています。
大地:いづみはイヤリングをつけたり、ファッションやメイクも変化してるよね。それなのに変わらず「あなたはダメよ」とか「貧乏人」とか言われちゃう(笑)。でもそれはハルコさんの愛情の裏返しだし、いづみもくじけず食らいついてくるようになった。より言いやすい関係性になったところもパワーアップしてますね。
松本:どんな言葉もハルコさんが言うと嫌味がなくて品があって、どこか心地いいんです。いづみもムッとしながらも、もっと言ってほしいと思えるような。
――ハルコといづみの関係も進展しているんですね。
大地:第1弾の最後に“ぶっちゃけ話”ができて、不思議な友情が芽生えています。
松本:言葉にしなくても分かり合える関係になれたんじゃないでしょうか。とはいえ、視聴者の方と同じ目線でいなければいけないのがいづみ。個性的なキャラクターの中で一番普通の感覚を持っていることを忘れずにリアクションやツッコミをしなきゃいけないと思っています。この世界観の中にいると面白いことについ乗っかりたくなっちゃうんですけど、私だけは視聴者の方と同じ感覚でいようと自制心を保ちながら演じるのがまた面白いです。
■本番前のテストで思わず大笑い
――演じていて楽しいところを教えてください。
大地:ハルコさんは、普通の人が言えないようなことまで言ってしまえる人。「諸説あります」「ハルコさんの意見です」とテロップが出るくらい(笑)。潔く言い切るためには、大きなエネルギーが必要になります。台本3ページ分くらい1人で話すシーンもあるので追い詰められることもありますが、本番では楽しめるところまでいかなきゃいけない。喉も大変だしパワーもいるんですけど、ハルコになりきれた瞬間はグッと来るものがあります。4日間くらい刀を持って行動した撮影でも、腕がパンパンになったんですけどそれがいつの間にか快感になってしまいました。でも、作る側に苦労があるからこそ、視聴者の方に楽しんでいただけると思うんです。だから私は「ハルコさんはタフだから大丈夫」と言い聞かせてこの役に挑んでいます。まりかちゃんとは「昨日何食べた?」「今日つけている香り何?」と他愛もない話をして、笑顔や元気をもらっています。
松本:大地さんはセリフ量や撮影スケジュールが凄まじいんです。ほぼ大地さんにかかっているドラマと言っても過言ではありません。
大地:ちょっと待って(笑)。
松本:私はもうリアクション担当なので。
大地:私が長台詞を話したあと、まりかちゃんが「その通り!」って一言だけ言って終わったシーンがあって思わず大笑いしちゃいました(笑)。
松本:頭が上がりません! 台本を読んで「こんなふうに台詞を言うのかな」と想像していても、現場では予想外の表現で来るから面白さがもうミラクル!
大地:テストでいつも大笑いしてるもんね。
松本:あまりテストで笑うことはないのですが、この現場ではゲラゲラ笑っています。大地さんがこんな声出すの? こんな顔するの? って誰もが想像できない表現を見せてくださるので。
大地:それはまりかちゃんも同じ。台本上「……」だけの場面も多くて大変だと思うんですけど、いろんなリアクションを取ってくれています。
松本:私は事前に何も考えていかず、あくまで現場で大地さんのリアクションを見て自然なリアクションを取れるようにしています。敢えてそうしているとはいえ、大地さんと比べてこんな楽していいのかと(笑)。でもその場で生まれるものがすごく面白くて、楽しませていただいています。
■大地が松本に与える影響
――第1弾の取材では、大地さんの差し入れセンスが素晴らしいというお話もありましたが、今回も差し入れエピソードがあれば教えてください。
松本:スタッフさんも含む全員に、備長炭で焼いたうなぎを差し入れてくれました。本当に美味しすぎて……これいくらするの!? っていう!(笑)。あの差し入れでうなぎにドハマりして、その後何回食べたか分からないくらいです。とても美味しくて体に優しい芦屋の手作りクッキーも差し入れして頂きました。あとは、飛騨牛、サーロイン、サガリやヒレ……いろんな部位が木の箱に入ったお肉! 震えるくらいの美味しさでした。私は大地さんの差し入れをいつもメモしていて、他の現場での差し入れに使わせていただくことがあるんですけど、どれも絶対皆が感動するんです。
大地:あとは第2弾ということで、番組タイトルの入ったオリジナルTシャツやカステラを作らせていただきました。まりかちゃんもすごく美味しいお弁当を差し入れしてくれたよね。
――現場では、どんなお話をされることが多いですか。
大地:まりかちゃんとは似ているところがあるんです。食べ物の裏側に貼ってあるいろんな表示をちゃんと読むところとか。
松本:「香り」の話でも盛り上がりますよね。2人とも香水じゃなくてアロマが大好き。私が最近ハマっているハーブのアロマがあったのですが、大地さんからそれを上回る素敵なアロマをいただいて、撮影中も寝るときもつけています。同じものを食べて同じ香りで寝ていますね(笑)。口紅の色も大地さんを真似してるんです! ハルコさんがつけてらっしゃる口紅の色が素晴らしくて、メイクさんに似ている色を探していただきました。いづみにもハルコさんのエッセンスが入っているように、大地さんのエッセンスが今の私を作っています。
大地:お芝居でも「これ、どこかで使わせてもらいます!」と言ってくれたことがありました。
松本:思いもよらない表現を見たときに、「盗ませていただきます」と。たとえばドスを利かせて怒るシーンでは、声の出し方が上手くないとただ怒鳴ってるだけになってしまって不快感を与える声になってしまうのですが、大地さんの怒号は心地よく入ってきて、ビクッとさせながらも納得させられる強さがある。その発声は大地さんの鍛錬の賜物なんだろうなと思います。
大地:そんなこと言っていただけてうれしいです。終わるころはまりかちゃんが大地真央になってるかもしれない(笑)。
――最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。
大地:岐阜編ということで、舞台である岐阜の魅力を伝えられれば。スタッフもキャストも確実にパワーアップしているので、いろんな角度から楽しんで第1弾同様かわいがってください。
松本:まだ第2弾が発表されていないときに「岐阜で撮影した」とSNSに書いたら、「東海ってことはもしかしてあのドラマ?」と予想してくれた声がすごく多くて。「ごもっとも」と思えるハルコさんの言葉を楽しみながら聞ける最近ではなかなか見られないドラマだと思うので、土曜の夜にスカッと爽快な気持ちになっていただけたらうれしいです。