日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’22』(毎週日曜24:55~)では、繁華街の夜間託児所に密着した『真夜中の青空 ひとり親救う夜間託児所』(福井放送制作)を11日に放送する。

  • 託児所で寝る子どもたち

福井市の繁華街・片町にできた夜間託児所。代表は片町でバーを経営する柿木有紀さん(53)で、3人の子を育てたシングルマザーだ。柿木さんのもとには2年にも及ぶコロナ禍で孤独と貧困にあえぐシングルマザーたちが相談に訪れる。

3歳の子を育てる母親は職を失い、4人の子を抱える母親は生活苦から夜の町で働く。そんな母親たちを孤立させまいと心を砕く柿木さん。繁華街の託児所を通して見つめる夜の親子の物語…。

2度の離婚を経験した後、バーを経営しながら繁華街片町に生きて13年。柿木さんは昨年、自身と同じような夜の母親たちを支えようと夜間託児所を作った。5年前に立ち上げたシングルマザーだけを雇うバーには、子どもを家に1人で置いて出勤する母親たちも多かったと言う。柿木さんが孤独な親子を救いたいと心を砕く理由は、自らもひとり親家庭だった生い立ちとシングルマザーとして3人の子どもを育てた経験によるものだ。

託児所にやってくるのは、未婚のまま出産し、3歳の男の子を育てる母親…ノルマが達成できず、保険会社を退職となった。4人の子を育てる母親は夫とのいさかいが原因で離婚したばかり…生活のため、身を隠して夜の街で働く。アメリカからやってきたシングルファーザーは言葉も文化も違う国で一人娘を育てる。どの親子も困難な現実に直面しているが、子どもを支えに前を向いていく。

柿木さんの活動は今、輪になって広がっている。シングルマザーたちの力になりたいと柿木さんのもとには全国から食料や子ども服、おもちゃなどが持ち込まれている。先日企画したシングルマザーBBQ大会には、精肉店や青果店が肉や野菜を無償提供。100人近いママと子どもが参加し、楽しい時間を過ごした。さらに、柿木さんの娘もひとり親家庭を支える職に就きたいと大学で福祉を学ぶ。

「子育て」は「弧育て」と言われる時代。ひとり親家庭となればなおさらで、親の孤独が、虐待や不登校、引きこもりといった子どもにまつわる社会的問題につながることもある。ひとり親家庭を孤立させない社会を作るためには何が必要なのか…。中丸雄一のナレーションで見つめていく。