女優の三浦透子、筒井真理子、俳優の三浦貴大、岡部たかしが、長澤まさみが主演を務める10月期のカンテレ・フジテレビ系新ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』(毎週月曜22:00~)に出演することが9日、明らかになった。
ドラマオリジナルの今作は、実在する複数の事件から着想を得て制作された社会派エンターテインメント作品。スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤)と彼女に共鳴した仲間たちが10代の女性連続殺害事件のえん罪疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描いていく。恵那と共に行動するうだつのあがらない若手ディレクター・岸本拓朗役として眞栄田郷敦、恵那と拓朗の先輩で報道局のエース記者・斎藤正一役として鈴木亮平が出演する。
このたび発表された追加キャストとして、三浦透子が演じるのは恵那がコーナーMCを務める深夜の情報番組『フライデーボンボン』のヘアメイク・チェリーこと大山さくら。番組ディレクター・拓朗に脅迫めいた相談を持ち掛けるなど不思議な役どころとなっている。三浦は第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』では寡黙な運転手のヒロイン・渡利みさきを演じ、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。連続テレビ小説『カムカムエブリバディ』(NHK)や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)にも出演し、映画『天気の子』のボーカリストや、『六本木クラス』(テレビ朝日系)の挿入歌を担当するなど歌手としても活動している。
続いて三浦貴大が演じるのは、ドラマの舞台となる「大洋テレビ」で報道部の記者を務める滝川雄大。恵那とは同期入社で、独特な雰囲気が漂う報道部ではいつも貧乏ゆすりをしながら仕事で忙しそうな素振りを見せている。恵那の紹介で拓朗にえん罪疑惑について相談される役どころだ。デビュー作となった映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』では主人公の同僚の新人運転手・宮田大吾を演じ、第34回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した三浦。『教場』シリーズ(フジテレビ系)や映画『キングダム2 遥かなる大地』などに出演し話題を呼んでいる。
岡部が演じるのは、深夜の情報番組『フライデーボンボン』のチーフプロデューサー・村井喬一。口が悪く、恵那や拓朗らの仕事ぶりに対して暴言を連発する。以前は自局の大看板である報道ニュース番組を担当していたが、なぜか外されて番組批判を繰り返す日々。彼の過去に何があったのか。岡部は劇団東京乾電池出身で、近年では映画やドラマに活動の幅を広げ『あなたのブツが、ここに』(NHK)などの話題作にも出演している。
筒井が演じるのは、拓朗の母親・岸本陸子。年収1億円を稼ぐ敏腕弁護士で、夫も同じく弁護士だった。夫は拓朗が幼いころに亡くなり現在は高級住宅街の一戸建て住宅で拓朗と2人暮らし。何不自由のない裕福な親子のようだが……。筒井は、出演した日本・フランス合作映画で、第69回カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門の審査員賞を受賞した『淵に立つ』(16/深田晃司監督)では、毎日映画コンクール、高崎映画祭、ヨコハマ映画祭の主演女優賞三冠を獲得。同監督の2019年日本・フランス合作映画の主演作『よこがお』では芸術分野で顕著な活躍を見せた人物に贈られる芸術選奨文部科学大臣賞を受賞するなど国内外でも注目される女優だ。
4人のコメントは以下の通り。
■三浦透子
大切にしたいこと、守りたいことを、それぞれの形で貫く強さや優しさを感じる登場人物たちの言葉から、私も演じていて勇気をもらっています。皆さんの作品に対する強い思いと愛情を感じる現場で、とても勉強になる日々です。ステキな作品にするべく、自分に出来ることを精一杯やりたいと思います。
■三浦貴大
台本を読んで、物語への期待感、そして現代社会への得体のしれない不安感が湧き出てきました。人それぞれの正義。現実への向き合い方。足並みをそろえていくことの困難さ。それを打破していく力強さを感じました。ページをめくる手が止まらない作品に出会えて、またそこに携われることは役者として大変光栄です。滝川もまた、自らの意思を強く持った人物だと思います。人物のもつ魅力を最大限生かせるように演じていければと思います。軽くはないテーマですが、楽しんでいただけると思います。ぜひ、作品に没入していただきたいと思います。
■岡部たかし
脚本を読んだとき、前向いて前進するというよりも下向いて深く潜っていくというような世界観を感じました。闇が深くなっていくにつれ不思議と人間の本質が明るく照らされる。とても怖いことだけど、闇の中で目をひんむいて、あらわになった人間のそれを見たいと思いました。僕が演じる村井喬一の悪たれ口や喚き散らしははた迷惑ですが、本音爆発で困難を突破しようとする姿は痛快でもあります。そんな村井を豪快に演じたいと思います。そしてこのドラマのそこかしこに見どころがあります。例えば報道や情報番組の緊張感とリアリティ。企画会議の白熱議論。打ち上げのノリ。カラオケの歌唱力。キュートなダンス。細かい装飾や小道具もこだわっていて楽しいです。
■筒井真理子
企画書にあった“真実には全てを賭けて戦う価値がある”の一行に心を射抜かれました。オリジナルの脚本にして、骨太な社会性と一級のエンターテインメントの見事なバランス。一人ひとりのキャラクターがリアルで彫りが深く、それでいて愛おしいことに唸りました。台詞のひと言にも様々な過去や関係性が反響していて、演じる側の私としても身が引き締まる思いです。プロデューサーの佐野亜裕美さんや脚本家の渡辺あやさんがこの企画を通す過程が苦難の道だったということを後に伺い、大きく頷きました。敬意を表します。そして、中心に立つ長澤まさみさんの姿からは凛とした柔らかさと作品への静かな熱意が伝わってきます。この作品の一員になれたことを心から光栄に思っています。私が演じる陸子は女手一つで息子の拓朗を立派なエリートに育てあげたことを誇りに思っています。拓朗が抱えている葛藤に母もまた向き合うことになり、眞栄田郷敦さんのひたむきさをひしひしと感じています。現場での大根仁監督はじめスタッフの皆様方の熱意に素晴らしい作品になるのではと実感しています。大根監督が付けて下さる演出や動きは、さりげないのにとても豊かな映像に変ってゆき、この素晴らしい脚本がどう立ち上がってくるのか、参加している私自身も作品の出来上がりが楽しみで仕方ありません。視聴者の皆さまの誰もが、きっとこの物語の中のキャラクターの誰かに自分を重ね共感することが出来ると思います。楽しみにしていて下さい!