フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、ただ人の話を聞く「聞き屋」の男性を追った『話を聞いてくれる人 ~空っぽの僕が生きる意味~』を11日に放送する。
夜7時、名古屋の駅前に現れ、歩道の片隅で「聞き屋」という聞き慣れない活動をする男性がいる。彼がするのは、無料で人の話を聞くだけ。この一風変わった路上活動をする水野怜恩さんは、5年前に「聞き屋」を始めてから、ほぼ毎日、人の話を聞き続けるこの街のちょっとした有名人だ。
「聞き屋」を訪れるのは、学生や会社員、主婦など老若男女を問わない。話すのは、恋愛や仕事など人間関係の悩みで、中には、家庭内暴力や自傷行為など、深刻な問題を抱えている人もいる。ただ聞くだけで何もアドバイスのない「聞き屋」に、彼らが心ひかれるのはなぜなのか…。
友人と「聞き屋」を訪れたのは、ネイリストの専門学校に通うルミさん。「男性との出会いがない」という悩みを打ち明ける彼女には、恋愛で深く傷ついた過去があった。
常連のイオリさんは、長年、心の病に悩まされながら、自分に合った仕事を探し続けている。気分が落ちると、どうしても欲求を抑え切れず、生活費が無くなるまで使い切ってしまう。そんな自分を変えたいというイオリさんにとって、話を聞いてくれる「聞き屋」は心のよりどころだ。
「聞き屋」での佇まいは、まるで救世主のようだが、普段の水野さんは、実家暮らしの“ニート状態”。やりたいことも特になく、できることなら働かずに、楽をして生きていきたいと願う日々。そんな彼が、なぜ「聞き屋」を続けているのか。佐藤栞里のナレーションで追っていく。
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