Appleは9月7日(米国時間)に開催したスペシャルイベントにおいて、「Apple Watch」シリーズの新ライン「Apple Watch Ultra」を発表した。同日より予約を受け付け、9月23日より販売を開始する。日本での価格は124,800円。
「Apple Watch Ultra」は、「これまででもっとも屈強で有能なApple Watch」というとおり、ハードな環境での利用や本格的なアウトドア活用に対応できる製品。
ケースは49mmのチタニウムケースで、フェイス表面はフラットなサファイアクリスタル。輝度も従来の2倍の2,000nitと、Apple Watchシリーズで最も明るいディスプレイとなる。通常モードで36時間、新機能の低電力設定で60時間のバッテリ駆動が可能。大画面にあわせ、コンパスを組み込み、最大8つのコンプリケーションが設定可能な「ウェイファインダー」文字盤が用意される。サイドにはカスタマイズ可能なアクションボタンを備え、さまざまな機能に瞬時にアクセス可能だ。
また、3つのマイクを内蔵し、適応型ビームフォーミングアルゴリズムで音声取り込みと同時に背景音を低減することで鮮明な音質を実現する。
バンドは3種類を新たに設定。ランナー向けには、これまでで最も薄く、柔らかく伸縮性があってすばやい調節が可能なタブをデザインした「トレイルループ」。探検家を想定して作られた「アルパインループ」は、連続製織工程で作られ、縫製なしで結合された2つの層からなり、高強度の糸で織り込まれたトップループは自由な調整が可能でG字フックファスナーでしっかり固定できる。水辺・水中での活動のための「オーシャンバンド」は伸縮性のあるフルオロエラストマーで成形され、チタニウムのバックルとバネ入りのループでしっかり固定できる形状になっている。さらにウェットスーツの上からでも快適に装着できるよう、長さ調節のオプションも用意される。
GPSはL1とL5のふたつの周波数を統合した高精度2周波GPSで、新たな測位アルゴリズムを搭載。“これまででもっとも正確なGPS”を謳う。
watchOS 9の高度なランニング機能に対応し、大画面をいかして同時に6つの指標を表示可能。前述のアクションボタンにより、即座にワークアウトを開始したり、カスタムワークアウトの次の区間に移行したり、セグメントをマークしたりできるため、複数の種目を組み合わせたトライアスロンなどの種目にも最適だ。
極限環境での活動を行う人には、再設計されたwatchOS 9のコンパスアプリケーションが便利。アナログのコンパスダイヤルとデジタルを組み合わせたハイブリッド表示から、デジタルクラウンを回すことで緯度/経度/高度/傾斜の表示、アプリケーション内で特定の地点をすばやくマークするコンパスウェイポイントやユーザーが移動した経路を示すバックトレースの表示への切り替えが行える。また、86デジベルの音量のサイレン機能は、トラブル時にユーザーの居場所を知らせるのに役立つ。
動作温度は極寒のマイナス20度から55度の炎熱まで対応。軍用機器などの高耐久性機器メーカーで用いられるMIL-STD 810H規格に準拠し、ハードな利用にも耐える。
水中での利用については、WR100の耐水性能を備え、ダイビングアクセサリの技術標準規格であるEN13319に準拠。新たな水深計を利用した「水深」アプリでは、時刻/水深/水温/水中時間/最大水深といった情報をひと目でわかるように表示できる。また、今秋後半にはダイビング器材メーカーのHuish Outdoorsとのパートナーシップで生まれた「Oceanic+」アプリケーションにより、水深40mまでのレクリエーショナルスキューバダイビングにも対応したさまざまな機能を利用できるようになる予定だ。
このほか、同日発表された「Apple Watch Series 8」と同様の健康管理機能、衝突事故検出機能も搭載する。環境面では、複数のプリント基板のメッキに再生金を使用する最初の製品となる。