パナソニック サイクルテックは9月6日、同社が1980年に初めて発売した電気自転車「Electric Cycle DG-EC2」が、独立行政法人 国立科学博物館の「令和4年度 重要科学技術史資料」(愛称:未来技術遺産)に認定されたことを発表した。現在はパナソニックミュージアム「ものづくりイズム館」で展示中。

  • 「Electric Cycle DG-EC2」

未来技術遺産とは、独立行政法人 国立科学博物館が、日本の科学技術史資料において「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」に該当する資料を、重要科学技術史として認定・登録するもの。

「Electric Cycle DG-EC2」は、松下電器(現パナソニックホールディングス)の創業者である松下幸之助氏が、創業60周年を控えた1976年に「電気屋らしい自転車をつくりなさい」と指示したことを受け、松下電器の技術本部を中心に「電気と自転車を結びつける」という発想から生まれた。

電機メーカーとしての技術とノウハウを生かして、静音性に優れるフラットモーターや家庭用電源で充電できるバッテリーなど、主要部品を新しく開発して製品化。モーターのみ・ペダルのみ・モーターとペダルの併用での運転に対応し、最高時速18キロで走行可能だった。1980年1月から大阪・奈良・和歌山で、同年5月から東京・名古屋において500台限定で販売した。

この電気自転車開発で得たさまざまなノウハウや実績は、同社が展開する現在の電動アシスト自転車にも活かされているという。現在パナソニック サイクルテックでは、子乗せ・ショッピング・通学・スポーツ・ファッション・ビジネスなど、さまざまな用途に適した電動アシスト自転車を展開しており、2022年にはスポーツe-バイクの新ブランド「XEALT(ゼオルト)」を立ち上げている。