俳優の役所広司が主演を務める、映画『ファミリア』(2023年1月6日公開)の特報とティザービジュアルが4日、公開された。

役所広司

役所広司

同作は山里に暮らす陶器職人の父・誠治(役所)と海外で活躍する息子・学(吉沢亮)、そして隣町の団地に住む在日ブラジル人青年・マルコス(サガエルカス)の3人を中心に国籍や育った環境や話す言葉などの違い、血のつながりを超えて強い絆で“家族”を作ろうとする姿を描いたオリジナル作品。『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』『いのちの停車場』など、人間ドラマの名手の成島出が監督を務める。

公開された特報映像は、誠治たちが一人息子・学と、学が赴任先のアルジェリアで出会った難民出身のナディアとの結婚を祝福する幸せなシーンから始まる。久しぶりに焼き物の粘土を父子一緒にこねるなど、ささやかながら幸せな時間を過ごす家族のもとに、ケガを負った在日ブラジル人青年・マルコスが迷い込んできたところから物語が動き出す。

厳しい生活を送る中で半グレ集団にも目をつけられ追い詰められたマルコスは、亡き父の面影が重なる誠治に「日本人にもなれない! ブラジル人でもない」とやり場のない憤りをぶつける。そして映像後半は壮大な音楽とともに、理不尽な出来事に慟哭する誠治の姿や、彼を慕うマルコスやエリカの姿を次々と捉え、「父さん! 話す言葉も育った環境も違うのにさ、俺たち家族になるんだよ」という学の幸せそうな言葉と、それを噛みしめるかのような“父”誠治の姿が映し出された。

演技初挑戦の国際的キャストについて役所は「オーディションで出演が決まった演技経験のない若い俳優たちがとてもフレッシュで魅力的です」、吉沢も「国際色豊かなキャストの皆さんの、とてもフィクションとは思えない、生々しくもキラキラしたお芝居が本当に素晴らしいです」と絶賛。彼らが当事者ならではの存在感を放つ特報ともなっている。

併せて解禁となるティザービジュアルには「その願い、絶望より深く、憎しみより強靭」とコピーが添えられ、大切な人々と共に生きることを強く願う父・誠治の表情が印象的なビジュアルとなっている。

(C)2022「ファミリア」製作委員会