「クエン酸」は、レモンなどのかんきつ類などに含まれている酸性の天然成分。洗剤を使わなくてもきれいに汚れを落とすエコなクリーニングアイテムのひとつです。100円ショップでも入手できる身近なクエン酸ですが、具体的にどのような汚れに威力を発揮するのでしょうか。使い方のコツなども合わせてご紹介!
食品にも含まれる自然由来の「クエン酸」
ナチュラルクリーニングで使われるものといえば、クエン酸と重曹が有名です。同じ白い粉末なので、混同している人もいるかもしれませんね。具体的に、どのような違いがあるのでしょうか。
クエン酸は、かんきつ類や梅干し・お酢などに含まれる弱酸性の成分。一方、重曹は弱アルカリ性の成分で、まんじゅうなどのふくらし粉としても使われています。食用としても使われるなど、自然由来で安心な成分なことは、クエン酸・重曹に共通していますが、クエン酸と重曹は、落とせる汚れに違いがあります。
「ナチュクリ」シリーズを製造販売するレックさんによると、クエン酸は浴室の鏡や、キッチンの蛇口回りの白い汚れ(水アカ)を溶かす効果があり、重曹は鍋のコゲ落とし・キッチンの飛び散った油汚れを落とすことが得意だそう。粉の重曹は研磨力があるので、こすって汚れを落としたいときにも便利に使えます。
クエン酸を使うのに適した汚れとは
クエン酸が力を発揮するのは、「水アカ汚れ」や「便器の尿石」などのアルカリ性の汚れ。こうした汚れに弱酸性のクエン酸をあわせると、中和されて汚れが落ちるという仕組みです。
クエン酸は、水に溶かし、汚れにスプレーして使います。ここでは代表的なアルカリ性の汚れを、クエン酸で落とす方法をご紹介します。
クエン酸スプレーの作り方
【用意するもの】
・クエン酸粉末……5g
・水……200ml
・スプレー容器
1.スプレー容器にクエン酸と水を入れ、スプレー液を作る
2.汚れにスプレーし、スポンジやウエスなどでこすり洗いする
■蛇口の水アカ汚れ
キッチンやバスルームの蛇口、鏡に付く白い水アカは、水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル成分が固まったもの。水アカにクエン酸の水溶液をスプレーしてこするほか、クエン酸液を含ませたシートでパックし、汚れを落とします。
■電気ポットの水アカ
電気ポットの底やふちに付くガリガリした白い水アカも、クエン酸できれいになります。ポットに水を満たし、クエン酸の粉末を溶かして沸騰させます。その後、1時間ほどつけ置きすると、汚れがすっきりと落とせます。
■トイレの汚れ・ニオイ
便器の黄ばみや尿石といったアルカリ性の汚れを、クエン酸の酸の力で中和して落とします。クエン酸は99.9%除菌効果があるため、清潔にしておきたい場所の掃除にもおすすめです。尿のアンモニア臭を中和して、消臭する効果もあります。
クエン酸での掃除に向いていない汚れは?
クエン酸は弱酸性なので、キッチンの油汚れ、家具や床の手アカ汚れといった酸性汚れを落とすのには不向きです。こうした汚れには、弱アルカリ性の重曹が向いています。
クエン酸の使い方のコツは?
レックさんによると、「クエン酸は時短掃除のアイテムとして便利です。例えばキッチンを使い終わったときにシンクや蛇口にクエン酸スプレーしてふき取ることで、“お掃除”をせずに“お手入れ”でキレイが長続きします」とのこと。また、洗剤などの界面活性剤は汚れを落としたあとは水洗いが必要ですが、スプレータイプならかけてふき取るだけで、水アカを残さず汚れをきれいに落とせます。
「『あれ? これって汚れ? 』と思ったところには、クエン酸か重曹をスプレーして、ふき取ってみてください。特にクエン酸は普段使いの合成洗剤で落とせない汚れが落とせることがありますので、とてもおすすめです」(レックさん)
クエン酸の粉末を水に溶かして使うのもいいですが、シートタイプやスプレータイプなどもあるので、汚れの状態や掃除したい場所に応じて使い分けてもいいですね。
クエン酸を使った掃除の注意点は?
最後に、使い方の注意についても聞きました。「クエン酸は、酸性の洗浄剤。塩素系の洗剤(カビ落り剤や塩素系の漂白剤など)と合わさると、有毒な塩素ガスが発生して大変危険です」とのこと。カビ取りとクエン酸を使った掃除は同時にせず、別の日に行うようにすると安心ですね。密閉された狭い空間であるため、換気をよくすることも大事と言えそうです。
水アカ汚れやトイレの便器の黄ばみを落とすだけでなく、アンモニアなどの消臭効果もあるクエン酸。毎日のお掃除アイテムに、プラスしてみてはいかがでしょうか。