スマホや動画配信サービスなどが普及し、気付けば「何もしていない時間がほとんどない」という人も多いのではないでしょうか。

そんな中、プロダクトデザイナーのうえだ(@kkahmtm1105)さんが作った“何もしない時間”を作るための道具に、4.9万件の「いいね」が集まっています(9月2日時点)。

愛知県の型職人さんと一緒に レンジで温める陶器の鳥さんを作りました。 あずき効果で手のひらがポカポカになるので疲れた時に鳥さんを抱えてぼーっとできます 生活に「何もしない時間」をつくる ぼーっとする為の道具です。(@kkahmtm1105より引用)

  • (@kkahmtm1105より引用)

うえださんが愛知県の型職人さんと一緒に作ったのが、陶器の「鳥」。

  • (@kkahmtm1105より引用)

「やるべきこと」やスマホなどの「画面」から離れて、“何もしない時間”を過ごすためのものなのだそうです。

  • (@kkahmtm1105より引用)

何やら背中に「フタ」のようなものが付いていると思ったら、中に秘密が……。

  • (@kkahmtm1105より引用)

鳥さんの身体の中にはあずきの粒が詰まっており、レンジで30秒ほどチンすると、あずき効果で15分ほど温かさが持続するハンドウォーマーなのです。

ぽってりとしたシルエットの鳥さんを抱いて手を温めるひととき……考えただけで癒されますね。

この投稿に対しリプライや引用リツイートでは、「かっっわいい…」「ぽってりまあるいフォルムが愛おしい」といった声に加え、「『何もしない』が出来ないので憧れます」「商品はもちろん、コンセプトがすてき!」といったコメントが寄せられました。

見た目の可愛さはもちろんのこと、「何もしない時間」の必要性を感じている人が多いからこそ、大きな反響を呼んだのでしょう。

世の中に「便利な道具」は数あれど、「ぼーっとするための道具」というのはなかなかありませんよね。このツイートをしたプロダクトデザイナーのうえださんに、制作のきっかけやこだわりポイントなどをうかがいました。

「ぼーっとするための道具」、投稿者に聞いてみた

――「TETANPO」制作のきっかけを教えてください。

会社を辞めてすぐの頃、何か「意味がありそうなこと」をしていないと不安で、カレンダーアプリに隙間なく予定を埋め込んでいたのですが、なんとなくそのことに違和感を覚えまして。

何かに迫られて行動したり、何かを達成しようとして生きるてると息苦しくなるので、生活の中で「がんばる自分」から少し距離を置く時間が欲しくなったことがきっかけです。

――作る際にこだわったポイントはありますか?

何度も試作してカタチを決めていきましたが、その際「ここのカーブは何ミリで……」といった寸法を使ったやり取りはしないようにしました。

職人さんや周りの方々に、実際に手に持ってもらいながら、握った時に心地よい造形を探求したので、まさに手で触れるための道具として良いモノになった気がします!

――今回の投稿には大きな反響が寄せられましたね。

カタチが可愛いという声と同じくらい、「ぼーっとするための時間」が欲しいというところに共感してくれる人が多くて嬉しくなりました。何かと急いで生きてしまう世の中なので、何もしないための道具がたくさん生まれると素敵だな〜と思います!


「TETANPO」の制作過程では、職人さんの粘土原型をもとに手書きでカタチを作っていったといいます。鳥好き歴15年のうえださんの推しポイントは、ほっぺの膨らみ具合とぽってりとしたお腹だそう。

「猫はないの?」「犬もあったらいいな~!」なんて、他の動物バージョンも欲しいという声が聞こえてきそうです。

ちなみに、今回の陶器の鳥さんは、あまりの反響に10月中旬〜11月上旬発送までの予約分が完売とのこと。欲しい人は再販を楽しみに待ちたいものですね。