近畿日本鉄道は、2022年4月15日に行った鉄軌道旅客運賃の変更認可申請について、9月2日に国土交通大臣から認可されたと発表した。運賃改定の実施日は2023年4月1日を予定している。

  • 近鉄が2023年4月1日に運賃改定を実施する

近鉄では、沿線の少子高齢化等で利用者が減少する中でも、消費税率引上げに伴う運賃改定を除き、約27年間にわたり運賃を据え置いてきた。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、利用がさらに大きく減少したことで、厳しい事業環境に陥ったという。会議・買い物のオンライン化など、いわゆる「新しい生活様式」はすでに定着しつつあり、不断の経営努力をもってしても、収入減少を補うことは困難な状況と見ている。

一方、健全な鉄道運営を維持するために、車両・設備の更新、バリアフリー整備、防災対策、駅の美装化など継続的に行い、今後も安全性・利便性を確保していく必要がある。近鉄としては、さらなる経営努力を前提に、安全・安心・快適な輸送サービスを末永く継続して提供していくため、運賃改定を実施することになったという。

改定率は普通運賃(定期外)17.2%、通勤定期18.3%、通学定期9.2%。改定後の普通旅客運賃(大人)に関して、1~3kmは現行の160円から180円、101~110kmは現行の1,470円から1,740円、201~210kmは現行の2,640円から3,130円に値上げされる。定期外の普通運賃について、日常的な利用の多い短距離区間(10kmまで)の改定率を12.5~15.4%に抑え、負担の軽減を図るとしている。

なお、加算運賃(吉野線、湯の山線、鳥羽線、志摩線、けいはんな線)と特急料金(特別車両料金・個室料金含む)、鋼索線運賃は改定しない。