現在放送中のTBS系金曜ドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』(毎週金曜22:00~)。本作で、弁護士とパラリーガルという関係性でバディを組むのが有村架純と中村倫也だ。放送開始時に「活字や頭の中で想像していた石羽コンビが現実に目の前に現れ、感情豊かに躍動し始めています」と語った新井順子プロデューサーが、撮影が進むなかで感じた有村や中村の魅力について語った。

  • 『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』石田硝子役の有村架純(左)と羽根岡佳男役の中村倫也

■真面目なシーンとコミカルな部分のメリハリが利いている

有村演じる石田硝子(通称:石子)は、東大法学部を首席で卒業したものの、司法試験に4回続けて落ち、父が経営する法律事務所でパラリーガルとして働く女性。そんな事務所にやってきたのが、中村ふんする羽根岡佳男(通称:羽男)。羽根岡は、写真のように見たものを記憶できる「フォトグラフィックメモリー」を持ち、司法試験にも一発合格した男性。スマートな見た目で“デキる”弁護士風だが、自身の想定外のことが起こると思考回路が停止してしまうという弱点を持つ。

新井プロデューサーと中村は初顔合わせ、有村とは『中学聖日記』(2018)でタッグを組んでいる。今回この2人を起用して描きたかったのが、コミカルなリーガルもの。中村が2012年に出演したドラマ『メグたんって魔法つかえるの?』で演じたキャラクターのようなイメージを持っていたという。

物語がスタートすると、新井プロデューサーの思惑通り、石子と羽男のテンポの良い会話劇はリーガルものでありながら、間口をグッと広げている。なかでも新井プロデューサーは2人の“緩急”を強調する。「真面目なシーンとコミカルな部分のメリハリが利いていると思いますが、わちゃわちゃしたシーンはアドリブが多いんです。特に5話を経て、また雰囲気が変わった気がします」と語る。

第5話は、羽男が石子に自分のパートナーから外れてくれと命令をする。腑に落ちない石子はいら立ちを隠せなかったが、その理由が石子の体調を気遣ってのものだと分かり、羽男を見る石子の視線の変化が描かれていた。

■2人からもさまざまなアイデア「毎回驚かされる」

新井プロデューサーは「第6話で羽男が顧問弁護士になれるかも……と浮かれているシーンで、石子が羽男に乗ってニヤニヤしていたと思いますが、台本の段階では、こんなにニヤニヤする人というイメージはなかったんです。これまでだったら石子は『そんなこと言ってはいけません』と言いそうじゃないですか」と触れる。

このあたりの掛け合いなども現場で生まれるものが多いという。「本人たちも今後石子と羽男の関係性がどう変化していくかというのを、結構考えているんですよね。準備稿が上がった段階で、会話をしてそれを決定稿に反映していくのですが、現場でもいろいろなアイデアを出してくれるので、毎回驚かされるんです」と、深いキャラクターへの理解度を持ちつつ、現場で臨機応変にキャラを物語に融合させていく瞬発力に驚きを感じているという。

コミカルでありつつ、物語終盤はグッとシリアスな場面も登場する。新井プロデューサーは「基本おちゃらけているのですが、真面目なスイッチが入るとドキッとするぐらい。コミカルな中村倫也が見たいと言っていましたがシリアスな場面では『こんな表情もできるんだ』と改めてすごさを感じました」と絶賛していた。

■キャラの裏設定 羽男「外人の彼女がいた」 大庭「石子が4人目の彼女」

有村や中村の“緩急”と“瞬発力”によってキャラクターが立体的に映し出されているが、細やかな裏設定もあるという。新井プロデューサーは「活かせていないものが多いんですけれどね」と前置きしつつ「意外と知られていないのが、羽男が海外の大学に入学して中退しているという設定。2話でそんな話をしているんですよね。あとは羽男には外人の彼女がいたという裏設定もあるのです。中村さん本人からも『いつ出てくるの?』と聞かれたこともあったのですが・・・なかなか入れ込むのが難しかったです。英語をしゃべるシーンもまったく出てきていないです」と笑う。

また第6話で、石子との恋が成就した赤楚衛二演じる大庭についても「彼のこれまで付き合った彼女の数などの裏設定もあります。確か19歳で初めて付き合って、次が22歳、そして25歳。全部相手に振られているのですが、石子が4人目なんです。恋愛に疎い感じはよく表れていますよね」と語っていた。

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